2024年3月31日日曜日

2024.03.31 ここまで鉛筆を使ってきて思っていること

● 芯を削って書き始めて,芯の尖りがとれて筆線が太くなってきてからが,鉛筆は面白い。軸を回して細く書けるところを探すのも面白いし,それも叶わなくなって,太めになった線で描き続けるのも意外に面白い。
 これがシャープペンと比べた場合の鉛筆の面白さかもしれないと思い始めている。ので,鉛筆を削る頻度が減った。

● とはいっても,もちろん,限度はある。デッサンするときのように芯を長く出して,丸くなった先端を当てて文字を書き続けるのは,特に日本語の場合は,少々無理筋。

● 筆線が細から太に変わっていく様を味わえるのは,鉛筆の醍醐味のひとつに数えていいかもしれない。鉛筆の面白さをひとつ発見したと心得てよろしいか。
 こういう面白さは,大人にならないとわからないものでしょうね。あるいは,鉛筆以外の筆記具を使ってきて,それらと比較できるようにならないと。

● 小学生の頃は,線が太くなった後もなかなか削らず(削れず),限度を超えてもそのまま書き続けていたから,鉛筆を好きになれなかったのかもなぁ(いや,理由は他にもあるんだけどさ)。
 軸から出ている芯がなくなって,芯を覆っている木を指の爪で引き剥がしたのを憶えている。あれは何だったんだろうね。当時の貧困がなさしめたんだろうかなぁ。

2024.03.31 淡交社編集局編 『京都 神と文具 ガイド&スクラップブック』

書名 京都 神と文具 ガイド&スクラップブック
編者 淡交社編集局
発行所 淡交社
発行年月日 2022.03.26
価格(税別) 1,400円

● 写真がメインで文章は従。文章はパスして,写真だけを見ていった。

● 第1章の「紙の手ざわりをたしかめて」に登場するのは,京都ならではの店ばかり。いや,奈良にも店舗を構えているところもあったか。
 いわゆる和っぽい紙製品が紹介されている。けっこうなマニアでなければ用がないところだとぼくなんぞは思ってしまうのだが,本書の読者はほとんど女性と思われるところ,その女性の中にはこの程度は守備範囲に入っている人がいるんだろうか。いるんだろうな。
 贈答文化というのは基本的に女性のもので,贈るのはモノに限らず,言葉(文字,文章)も含まれる。平安の御代から女性の守備範囲だ。

● 本書は京都のガイドブックでもある。顧客の多くは観光客なんだろうか。今だと外国人の女性が多いのだろうと推測する。
 これらの店は京都の観光資源でもあるだろう。銀座の伊東屋が東京の観光資源であるのと同じだ。伊東屋で日本の文具を見繕うために来日する外国人観光客がけっこうな数いるだろう,と思っている。

● 第2章は「お気に入り文具を探しに」。ここには,鳩居堂やANGERSのように東京などにも出店しているところ,丸善や伊東屋のように本店は東京にあるところも登場する。
 以上の4つは,東京に出た折りには,しばしば立ち寄るので馴染みがあるといえばあるのだが,京都の店舗には京都ならではの品揃えがあるのだろうな。

● 筆や硯を専ら扱っているところもある。日本の文化や伝統を体現しているという感じの,ぼくにはかなり敷居が高いと思わせるところ。ガサツな人間,立ち入るべからずというね。
 こうした本で見るだけにしておいた方が身のためだと思います。近寄りがたい世界というのがあった方がいいと思うしね。

2024年3月30日土曜日

2024.03.30 安価に一流を味わう方法

● 文具は,他の分野に比べれば,収集家になっても必要なお金はしれている。のだが,高級筆記具をズラッと並べた写真なんぞを見せられると,ついていくのはなかなか大変だと思うかも。
 文具マニアの多くは中高生だろうから,なおのことだ。

● そういうときは使う筆記具を鉛筆にしてしまえばいいのだな。鉛筆ならば,それこそ高いといってもしれている。
 BLACKWINGでも500円だ。国産鉛筆の最高峰であるHi-uniやMONO100は150円で買えるのだ。鉛筆はフルに使っても1ヶ月はもつ。

● Hi-uniをミミックに入れて,ちょいと高級なノートを開く。ミミックは3本もあればいいだろうから,初期費用は約4万円。それ以後の費用なんて費用のうちに数える必要もないほどだ。
 それだけでは足りないというのなら,頑張って伯爵コレクションのパーフェクトペンシルを買えばいい。相手がバカであればという前提だが,充分以上に自慢のタネになる。

● しめて10万円で一流趣味を満喫できるぞ。けど,中高生は鉛筆には行かないよな。鉛筆じゃ自分が満足しないものな。
 自分がそうだったから,そのあたりはよくわかる。

2024.03.30 書くことは脳をかき混ぜること

● “書く” とは脳をかき混ぜることだ。昔の風呂は上は熱くても下は水だった。だから,棒でかき混ぜた。あのイメージ。かき混ぜ棒として何を使うかはとりあえずどうでもいい。まずはかき混ぜる。

● “書く” を介さないで “考える” をできる人はたぶんいないだろう。“悩む” や “逡巡する” は “考える” ではない。
 だから,本当は停滞を感じているときこそ,“書く” ことによって脳に運動させた方がいいんだけれど,それがなかなかできない。停滞期には脳も引きこもろうとするんだな。
 そのあたりを克服できると,どの分野に進んでも一角の人物になれそうなんだがな。

2024年3月29日金曜日

2024.03.29 てん(河野友美) 『てんのしごと道具店』

書名 てんのしごと道具店
著者 てん(河野友美)
発行所 エムディーエヌコーポレーション
発行年月日 2023.03.21
価格(税別) 1,400円

● 副題は「しごとがぐんっと楽しく効率的になる文房具」。ザッと読んだだけというか,紹介されている文具の数々を見ていっただけというか。
 何せ,ぼくは仕事というものから離れて丸4年が過ぎているので,仕事の道具という発想で文具を見ることができなくなっているので。

● 反面,こういう文具が今は世の中に出ているのかとも思ったり。そのいくつかを紹介すればいいのかもしれないが,それもぼくの任ではないような気がする。
 実際に仕事をしていない者が仕事道具について語るな,ってことね。

● ただ,この本で紹介されている文具のけっこうな部分が,コロナ禍のリモートワークがきっかけで登場したもの(だと思う)。コロナ禍で働き方が大きく変わり,文具に求められるものも変わった。
 というより,メーカーが一生懸命に考えて,こんなのはどうですかと市場に提案したのだろう。すぐに消えたものもあれば残ったものもある。

● コロナが収束して,働き方も下に戻ってしまったように映る。となると,これらの文具の行く末も気になるところだ。
 いや,そうでもないのかね。リモートワークを選択肢に残している企業もけっこうな数,あるんだろうか。そのあたりのこともよくわからない。

2024年3月13日水曜日

2024.03.13 シャープペンは使ってない

● この「有隣堂しか知らない世界」の説明によると,ガイドパイプが3㎜以上あるものを製図用シャープペンというらしい。
 右の写真のやつははるか昔のものだが(物持ちがいい),上のは文句なく3㎜以上あり,下のもギリギリ3㎜ありそうだ。が,このシャープペンは普通に見て製図用ではなく,一般筆記用のシャープペンだ。

● そもそもが製図用シャープペンが製図に使われる例は稀だろう。測量野帳が測量現場で使われるよりも,たぶん稀なのではないか。
 現場では CAD が主体だろう。製図用シャープペンで製図してるのは,大学の工学部建築学科の学生か専門学校の生徒くらいのものじゃないか。

● 上の動画でも言われているが,製図用シャープペンを買うのは中高生の男子。彼らが勉強に使っている。
 彼らの玩具だよね。玩具にしてはちょっと値が張るかもしれないが,勉強に使うんだからといえば親もお金を出してくれるだろう。

● ぼくも早く鉛筆からシャープペンに移りたいと思っていた普通の小学生だったと思うのだが,40年近くシャープペンからは遠ざかっていた(芯ホルダーは使うことがあった)。
 製図用シャープペンのようなメカメカしいものには縁がなかったと思う。探せば1本や2本は出てくるかもしれないけど。シャープペンといえば,コクヨの鉛筆シャープかプラチナの PRESS MAN がまず頭に浮かぶ,レトロな文系人間でありますよ。

● 写真の一般筆記用のシャープペンをちょこっと使ってみたが,鉛筆の方がいいですかねぇ。当然,鉛筆の方が軽い。
 筆記具は軽さが命。筆記具自身の重さで筆記具が書いてくれるというのは,嘘じゃないかと思っている。万年筆でよく言われるけどねぇ。

● あっ,間違えた。15年くらい前まで,シャープペンを使ってましたわ。手帳はシャープペンで書いていたから。
 どうも,記憶をバッサリ整理しすぎているなぁ。いけませんわ。