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2026年3月21日土曜日

2026.03.21 旅する◯◯

● トラベラーズノートという偉大な先駆者のあと,コクヨが “旅する野帳” を出し,デルフォニクスが “旅するロルバーン” を出したのは知ってたんだけども,MARK'S も “旅する EDit” を出してたのか。
 が,ここまで細かく書式を決めてしまうと,かえって使いづらいかもしれんな。

● トラベラーズノートは,旅するように日常を生きようという主題に沿ったものだから,旅行に持って行くためのノートというより,日常で使うためのノートだろう。
 “旅する◯◯” と一緒に並べてはいけないものかもしれない。

● 旅するように日常を生きる,というトラベラーズノートのテーゼを良しとし,それを実践しようとするならば,旅だからといって日常使っていないものを用意するのは,よくても次善。
 普段使ってるノートをそのまま “旅する◯◯” にすればいいんだと思いますよ。ぼくの場合だったら “旅する Campus”。

● もっと言うと,旅をあまり特別なものにしてはいけないのかもしれない。だって,毎日,旅するように生きているんだから。旅は日常の延長に過ぎないはずだものね。
 旅ノートも日常で使っているのをそのまま持参すればいいわけですよ。そういう理屈になる。

● しかし。旅するように日常を生きられる人なんて,実際にはいない。旅はやはり非日常のもの。
 その非日常にかこつけて “旅する◯◯” と銘打てば,そこそこ売れるんでしょうね。“旅” というのは,メーカーにとっても魅力的なワードなんでしょうねぇ。

2025年1月16日木曜日

2025.01.16 トラベラーズ手帳

● ダイソーで補強パッチを買おうと思ってね。補強パッチと言うのかどうかは知らないけど,A5 6穴バインダーに綴じているリーフ(コピー用紙)の穴が破けないように補強するやつね。
 いろんなものを両面に貼るので,コピー用紙に開けた穴はすぐに破けてしまう。補強が必要。

● なぜいろんなものを貼るのかと言うと,“旅するように日常を生きるため”。トラベラーズノートのテーゼを手帳でやろうと思ってるんですよ。
 旅するするように日常を生きるにはどうすればよいか。形から入る。普段はやらないけれども,旅行中はやることは何か。その “何か” を普段からやればいい。

● ぼくの場合は,チケットや御当地モノの包装紙などを保存して貼ることだった。
 昔は,チケットは写真と一緒にアルバムに貼っていた。が,デジカメが当たり前になると,写真はデジタルのままにしておくようになり,アルバムの出番は消えた。

● チケットも写真を撮ってデジタル保存でいいような気がするが,何もかもデジタルというわけにもいかない。
 デジアナ混在だが,その部分はノートよりも手帳で受けとめるのがいいような気がする。自動的に時系列で残すことになるからだ。

● それゆえ,ノートは綴じノート派だが,手帳はシステム手帳に限ると思っている。いくら厚くなっても困らない。
 ノートや手帳を太らせるという言い方があるが,綴じの場合は太らせると言っても限界がある。綴じてある手帳の中紙では足りなくなるかもしれない。

● 本当は何を残して何を捨てるかを,その都度,編集した方がいいし,無意識に取捨選択はしていると思うのだが,残すのを原則にすると,1年の終わりには相当な分厚さになる。
 いくらでも台紙を増やせるシステム手帳が,トラベラーズ手帳には向く。

● 「シールはがし液」なんてのもダイソーにはあったんですね。知りませんでした。ぼくは何でも手帳に貼るので,これは便利かもしれない。
 コンビニやスーパーで売っている総菜のラベルがうまく剥がれないことがあってね。そういうときに役に立ってくれそうですよ。

2022年7月27日水曜日

2022.07.27 手帳のこと

● 一昨日(25日),アマゾンに来年の能率手帳ゴールドの販売予告が出た。8月10日が販売開始日。来月の10日かぁ。
 どんどん早くなっているね。ほぼ日手帳は9月で,9月なのにもう来年の手帳が出るのかと思ったものだけど,8月の上旬に出ちゃうんだもんねぇ。
 早いものだなぁ。今年が2022年であることにやっと慣れてきたっていうのに。

● ぼくは来年もBindexのNo.031を継続使用の予定。バイブルサイズの薄めのシステム手帳が何かと都合がいい。前売りチケットを折らずに収納できるし,無地リフィルを追加して “貼る” に使うこともできる。手帳でトラベラーズノートをするにはバイブル薄型が最も好適。
 ダイソーの週間リフィルでもいいんだけどね。時刻メモリがないので,点を2つ打って,午前,午後,夜に区分する。ほぼ日weeksのようにして使うのがいいでしょうね。

● そしたら,今日はコクヨからこういう告知が。
 私どもの力及ばず、残念ながら、以下のダイアリーについては2023年版以降の発売はございません。
・野帳手帳など、trystramsシリーズのダイアリー
・キャンパスダイアリー ホリゾンタルレフト B6
・キャンパスダイアリー バーチカル B6
 コクヨだけじゃないんでしょ。手帳(特にビジネス手帳)の売行きがかなり厳しいらしい。Googleカレンダーに代表されるデジタル勢力に押された結果ではないことははっきりしている。もしそうなら,もっとはるか以前からこの問題は起きていなければいけない。

● コロナですかねぇ。リモートワークで出張もないとなれば,手帳を持つ必要がないってことですか。コロナが収束すれば元に戻るんだろうか。
 あるいは,コクヨに関していえば,ジブン手帳がキャンパスダイアリーを喰ってしまったということなんだろうか。素人感想だけど,ジブン手帳は燎原の火のように広まって,そこで止まるタイプの手帳だろう。そこからさらにジワジワとユーザーを増やしていくという手帳ではないんじゃないか。キャンパスダイアリーとバッティングするとは思えないんだが。

● よほどのお忙氏でなければ,予定管理というのは脳内メモリでやれると思うんだよね。だから昔から手帳を使わないビジネスマンはけっこういたと思うんですよ。昔は,女性は総務とか経理の仕事が多かったから,手帳は要らないという人がむしろ多数派だったと思う。
 何が言いたいのかというと,予定管理のために手帳を使うつもりなら,ひょっとしたらその手帳,要らないかもよ,ってことなんですよ。よく買ったはいいけど,手帳を上手く使えないという人がいるんだけれども,それって要らないものを使おうとしているから,上手く行かないだけなんじゃない?

● 予定がなくても手帳は使った方がいいと思うんですよ。自分の行動記録は手帳で残すのが最も便利。手帳はそのためにこそ使うべきものなので,就業の有無や年齢などに関係なく,使った方がいいと思うんですよ。
 ので,定年退職したぼくも現役時代と同じものを使ってますよ。書く量は退職しても変わらないから(むしろ増えている)。使い方の基本が退職前後で変わらないんだから,当然,そうなる。

● 上記のとおり,手帳はトラベラーズノート以上にトラベラーズノートに向いているんだよね。日常の何気ない一瞬を拾っていくのに,手帳って必須のアイテムじゃないですか。旅するように日常を生きるためには,トラベラーズノートはなくてもいいけど,手帳はなくてはいけないものだと思う。
 コロナで外出しないから手帳は要らないやってことなら,それはちょっと違うようなぁと思うんですよ。

2021年10月5日火曜日

2021.10.05 トラベラーズカンパニー 『TRAVELER'S notebook トラベラーズノート オフィシャルガイド』

書名 TRAVELER'S notebook トラベラーズノート オフィシャルガイド
著者 トラベラーズカンパニー
発行所 KADOKAWA
発行年月日 2021.09.25
価格(税別) 1,600円

● 「旅行をするように毎日を過ごすノート」ってかっこ良すぎ。が,トラベラーズノートは人を選ぶだろう。文具店で現物を手にとってみたが,これは自分には使いこなせないと思った。
 トラベラーズノートの志向するところには全面的に賛成だし,年に1回発行される「TRAVELER'S TIMES」も読ませてもらっている。ので,お礼と応援の気持ちをこめて(?)ブラスペンシルは買ったけれど,本体には手を出さず。

● そのトラベラーズノートの公式ガイドブックが出たらしい。読んでみたい。普通のノートでも使える技がいくつもありそうだしね。
 で,先月の28日に宇都宮市内の書店を3つ回ったけども(暇だからできる),そのいずれにもなかった。ちょっと早すぎたのか。が,SNSには入手したよと言う人がたくさんいるんだが。
 今月の3日にまた行ってみた。手帳売場に置いてあるか,ない。仕事術・ノート術のコーナーにあるか,ほぼ日手帳の公式ガイドはあるけど,トラベラーズノートの公式ガイドはない。

● やっぱりないのか。で,諦めて旅行ガイドのコーナーに行ってみたら。こんな感じで置いてありました。1冊だけ。
 そっか,ここに置くか。気づくべきだった。と,いったんは反省したんだけど,ここに置くか,普通。置かないだろ。いくら何でもこれはないだろ。

● ともあれ。速攻で買って読んだ。
 以下にいくつか転載。
 見た瞬間にかっこいい!って一目惚れ。さらに「日常を旅する」というオンセプトを聞いて,これだ!と思いました。僕の最愛の車で相棒のジムニーに通じる言葉だったから(p42)
 トラベラーズノートユーザーがユーザーになった動機って,こういうことなんだよなと思うんだよね。ぼくもそこは共感するんですよ。けど,こうして人が語っているのを聞くと,なんだか浅さを感じてしまうのはどうしてだろうか。
 トラベラーズノートが変わらずに大切にしていることのひとつに「自分たちがワクワクするかどうか」という軸がある。作る人が心から楽しんでいるからこそ,訪れた人にその熱量は伝わっていく。(p99)
 ちょっと風変わりで面倒なこのノートは,たぶん世の中のすべての人に好きになってもらえるようなプロダクトではないかもしれない。だけど,そんなノートを好きだと言ってくれる人がこの世界にいるんだということを知って,一気に仲間が増えたような気分になった。(p104)
 過去を振り返ればワクワクしたり,感動したりするだけでなく,悩むことだってあったし,生み出して作り上げるための身を削るような苦しみも,たくさんあった。(p105)
 トラベラーズファクトリーも遊びを本気でやったからこそ実現できた(p107)
 このノートの一番いいところは自由。その分,完璧ではないかもしれないけど,余白や手間を楽しんでもらえたら嬉しいです。そこに旅と同じ楽しさを感じます。(p107)
 言葉が通じなくても,トラベラーズノートを使っていることで友人のようにコミュニケーションをとっている方もいますよね。(中略)このノートが好きな人同士は,いいなと思うものが言葉がなくとも通じ合えるというか。(p107)
 受け入れてくれる人はひょっとしたら100人に1人くらいかも(中略)100人に1人という割合を無理に2人へと増やそうとするのではなく,海外にトラベラーズノートが広がっていくことで,僕たちに共感してくれる,まだ会ったことのない100分の1人に出会えるのだと,ワクワクとした希望が湧きました(p137)
● 自分には使いこなせないと思ってトラベラーズノートは見るだけにしているのだが,このあたりを多少掘りさげてみよう。なぜ手を出さないか。理由は3つある。
 第1。自分の手には負えないだろうと思っているからだ。あのノートを手なづけるのはけっこう厄介そうだ。たとえば表紙が皮でグニャグニャするから,立って書くのはできなくはないが,快適ではない。

● 第2。ノート本体の他に,周辺機器(?)が揃っている。各種リフィルは当然として,ブラス鉛筆,ボールペン,万年筆といった筆記具があるし,ペンケースや消しゴムのスリーブまである。素材は真鍮で統一してあって,なかなか以上にお洒落だ。
 使え終えたリフィルを保存しておくためのバインダーも用意されている。ページクリップもあり,付箋もある。そうした製品群に取り込まれそうなのがイヤだという気持ちがある。
 同じことを iPhone を使ったときに感じた。何とはなしの閉塞感。Apple が用意した世界にいれば安全で快適だけれども,その外に出られないもどかしさみたいなもの。
 トラベラーズノートのユーザーの多くは Apple 好きなんじゃないかという気がするのは,そうした共通性を感じるからだ。ぼくは Apple より Google を良しとする一派だ。iPhone ではなく Android。iPad より Chrome Book。

● 第3。どんなノートでも「旅行をするように毎日を過ごすノート」になり得る。製品が使い方を誘発するということはもちろんあるのだとしても,畢竟すれば使う人の問題だ。
 コクヨの Campus ノートでも百円ショップのノートでも,それを「トラベラーズノート」として使うことはできる。むしろ,そうした方がその人の個性が光るとしたものではないか。汎用性を備えたものを尖った用途に使うのがいい。


(追記 2022.03.06)

 最近,ミリペンに凝っている。この本の目次の前にある口絵の中に,トラベラーズノートに何かを書いている最中の写真がある。ミリペンタイプの極細サインペンを使っている写真が2枚あってね。
 そのペンが,ぼくがいくつか持っているミリペンタイプのペンのいずれでもない。ちょっと気になっている。いや,気になっているだけで,そのペンがどんなメーカーのどんな製品なのかを突きとめようとまで思ったわけではないけれど。

2021年6月23日水曜日

2021.06.23 丸善丸の内本店でトラベラーズノートを見る

● 東京駅に来てみた。格別,東京ステーションギャラリーで「“コレクター福富太郎の眼” 展」をやっているので,見に来てみたのだが,事前にローソンでチケットを買っておけということになっていた。
 空きがあれば当日券も出るらしかったが,出直すことにした。

● で,時間が空いてしまったので,それを丸善の丸の内本店で埋めることにした。こちらが勝手に埋めることにしたのだが,丸善にしてみれば埋めてもらわなくてもいいよ,おまえは来るなよ,と言いたいかもしれないな。
 というのも,まっすぐ文具売場(4階)に向かうわけだけども,欲しいものはないのでね。当然,何も買うつもりはない。そういう構えは店員にも通じてしまうものだろう。

● トラベラーズノートをあらためて眺めてみた。ユニーク度は数あるノートの中でもナンバーワン。“旅するように日々を過ごすために” というコンセプトも秀逸で,訴求度が高い。
 ユニークな分,広がるのは難しいかもしれないけれども,刺さる人には深く刺さるだろう。
 ユーザーにとっては中目黒のトラベラーズファクトリーは聖地だろう。その聖地に足を踏み込む勇気はさすがにない。ユーザーでもない者が立ち入ってはいけないと自制している。

● 本体の革カバーの他に,リフィル(こちらが本体か),保存用バインダー,ペン,ペンホルダー,ページクリップなど,ありとあらゆる付属品が純正で出ている。
 しっかり刺さったユーザーを完全に囲い込んで,しっかり吸いあげるぞという態で,まったく抜かりはない。そのいずれもがいいお値段だ。値段に見合った品質ではあるのだろうが。

● 特に惹かれるのは,万年筆用のカートリッジが使える,ブラス ローラーボールペンだ。ブラス,つまり真鍮ね。黄銅のこと。銅と亜鉛の合金で,亜鉛が20%以上のもの。
 無垢の真鍮は黄金色で持ち重りもするでしょ。それが経年変化で味わいを変えていく。

● トラベラーズノートの最大のライバルは,同じデザインフィルのシステム手帳プロッターだと思うのだが,そのプロッターが出しているボールペンを昨年8月に買った
 やはり真鍮製のカッコいいやつだ。まだ一度も使っていないが。

● それとブラスペンシルも魅力的な製品だ。2,000円。ファーバーカステルのパーフェクトペンシル(の伯爵コレクション)などよりずっと品がいいような気がする。
 まぁ,ぼくは買わないけどね。カッコいいなぁとは思うよね。

● そうした惹かれる製品はあるんだけれども,かつ,トラベラーズノートの自由な感じというのには憧れもするんだけれども,そうした製品群に囲い込まれるのがちょっとな,と。
 “旅するように日々を過ごす” というキャッチコピーには両手をあげて賛成するけれども,そのコンセプトを実行するのに,トラベラーズノートは必須ではない。

● スマホでいうとiPhoneなんだよね。iPhoneは安価版の5Cを使ってみたことがある。アップルに囲われている感がどうにも鬱陶しくて,我慢が効いたのは2ヶ月だった。閉塞感を感じるのだ。
 たしかに囲われた世界の中では快適だし,安心だし,アップルの言うとおりにしていればいいんだけども,その外に出ようとすると,とたんにベルリンの壁が出現する。Androidの方が世界が広いように感じる。危険(?)もあるけれども,自由度が高いというか。
 アナログのトラベラーズノートにはそこまでの壁はあるはずもない。が,水も漏らさぬ囲い込みの製品群に取り込まれるのは,少ぉし鬱陶しさを感じる。


(追記 2021.06.25)

 上野駅構内の「ANGERS」。路面に向けたトラベラーズノートのディスプレイ。
 トラベラーズノートに見事な水彩画。普通はスマホで写真を撮ってすませてしまうところだけど,こうやって絵を描くってのは人柄に奥行きと余裕を感じさせる。
 トラベラーズノートに絵を描くのは,文字どおり絵になる。絵を描くという手間をかけると,絵になるものができる。
 飯島と落款がある。㈱デザインフィルのトラベラーズ事業部長の飯島淳彦さんその人でしょうね。

2021年3月13日土曜日

2021.03.13 旅するように日常を生きるための方法論

● トラベラーズノートの言う,旅するように日常を生きるというとき,どうしたらそれができるか。
 松尾芭蕉『おくのほそ道』の冒頭,「月日は百代の過客にして,行きかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯をうかべ,馬の口とらへて老いをむかふるものは,日々旅にして,旅を栖とす」は,まったくもって滋味掬すべきものであろうけれども,この部分を毎朝,音読したとしても,旅するように日常を生きることはできないでしょ。

● 旅=トラベル≒トラブル,であって,旅するように日常を生きる≠楽しい,というのは基本テーゼとして頭に入れておいたうえで,ではどうすれば旅するように日常を生きることができるか。
 形から入るしかないよね。形というか,具体的な行為から入ってみること。つまり,旅行中にやっていること,旅行中にしかしないことを,日常に持ち込めばいいのだ。

● では,日常ではあまりやらないが旅行中にはやることとは何か,といえば,2つある。
 1つは写真を撮ることだ。今ではSNSがあるので,やたらに写真を撮るようになってはいる。一個人が撮る写真は,デジカメがあたりまえになる前の平成10年頃と比べれば,少なくとも100倍にはなっているのではないか。
 したがって,これはもう多くの人がやっていることだ。SNSを始めると旅するように日常を生きられるようになるかどうかはわからないが,SNSがその契機を作っているとは言ってもいいと思う。

● もう1つは,チケットや切符を捨てないで,ノートやアルバムに貼って保存しておくことだ。現地のショップカードや絵葉書,お菓子の包装紙なんかも「貼る」対象になる。
 だから,日常でもそうした「貼る」をやるようにするといい。日常のありふれた,何でもない光景を切り取る感覚だ。
 切り取る価値があるかないかは考えないでおく。スーパーで買ってきた調味料の商品シールを剥がしてノート(or手帳)に貼っておく。ラーメン屋の割り箸の袋や,今どきはめっきり少なくなったけれども,「純喫茶」のマッチの箱を広げて貼っておく。

● そういうことをやってみることだと思う。それをすれば,旅するように日常を生きられるのか。
 そうすれば必ずできるのだったら,生きるとはイージーな作業だということになる。だから,その質問に対する答えは Yes ではない。
 けれども,頭の中で思考して,決心するだけでは,100%上手くいかないだろう。頭ではなく身体を使ってみることが必要で,具体的な行為や作業を通すことが必要で,その行為なり作業として「貼る」というのは有力な方法になり得ると思う。

● InstagramやTwitterで,たとえば “ほぼ日手帳”や “測量野帳” で検索してみると,ほぼ日手帳や測量野帳をどう使っているかについての膨大な投稿やツイートをまとめて見ることができるが,「貼る」をやっている人はかなり多い。
 他に,「描く」をやっている人も多い。これも,旅するように日常を生きるための具体的方法論として,かなり有力なものだろう。自分の日常にあるものを描いてみるというのは,絵心があれば,自分もやってみたいことのひとつだ。

● こういうのを見ていると,旅するように日常を生きている人がこんなにいるのかと思わされる。その大半が女性であることにも注目すべきだろう。

2021年2月11日木曜日

2021.02.11 TRAVELER'S TIMES Vol.15

● 宇都宮の福田屋(竹林の方)3Fに入っている上野文具にあったので,ひとつもらってきましたよ。年1回発行のトラベラーズカンパニーのPR紙。
 PRには違いんだけども,内容も紙面の構成も洗練されてて都会的。かっこいい。


● だいたいね,表紙に踊るコピーが,Trip with Your Imagination and TRAVELER'S notebook! ですよ。想像力とトラベラーズノートを抱えて旅に出よ,ですよ。

 旅は,思考する。
 旅は,発見する。
 旅は,想像力を解放する。
 旅は,自らの内面をさらけ出す。
 そのすべてを受け入れ,
 ここに書き留めよ。


 刺さりますよね,このコピーは。「旅するように毎日を過ご」すことができれば,毎日が思考と発見と想像力の解放の日々になるわけですよ。理屈的にはそうなる。
 現実はそうじゃないことくらい誰でも知ってるけれども,この理屈にはすがってみたくなるでしょ。なりません?
 「一箇所に留まらずに,動き続ける精神のことを Free Spirit と言います。このノートがあなたの Free Spirit を呼び覚ますきっかけになってくれれば幸いです」ともある。Free Spirit かぁ。いよいよズンズンと刺さってくるじゃないですか。


● 日本人は,いつ頃からかは知らないけれど,一箇所にとどまるようになった。侍も農民も商人もひと所に居住し,動き続けることからは遠くなった。稀にそういう人がいると,漂白の詩人などと呼ばれて,カースト外に祭りあげられてきた。
 戦後は終身雇用という言葉ができた。若いときに入った会社で定年まで勤めあげるのが良しとされた。そうした方が生活も安定するから,人々はひと所で囲い込まれるように努力した。
 一方で,そうだからこそ,束の間の自由を求め続けるというね。自分でそれを選んでおきながら,ここにいる自分は仮の姿だと,訳のわからないことをつぶやきながら過ごしてきた。
 今となっては昔の話になったのかもしれない。いや,今でも基本は同じですか。


● そうしたいびつな自由を希求する人たちに,トラベラーズノートはグッと来る形状でもあったろう。いかにも自由を具現化したように見える。他のノートとは一線を画している。
 紙を束ねて皮カバーで包んで,紐で綴じただけという風情を醸している。実際には緻密に計算されているわけだが,ラフさの演出は見事と言うほかはない。


● トラベラーズノートはオンリーワンだ。ダイソーが300円でトラベラーズノート様のものを出しているけれど,あれはトラベラーズノートの代わりにはならない。あくまで別物。
 そこがダイスキンとは違う。ダイスキンはモレスキンと対比されることが,販売の推進力になっている。なぜそれが力になるかといえば,モレスキンが粗悪だからだ。だから,モレスキンの20分の1の価格でモレスキンと同等のものが作れるなんて凄いね,となる。
 が,トラベラーズノートの場合は,13分の1の価格で同じものを作れるなんて凄いね,とはならない。ぜんぜん違うものだから。


● コロナ禍で旅はしづらくなっている。編集子はこう語る。「どこかへ移動する旅はできなくても,家に居ながら想像の中で旅をすることはできる」「旅ができない時こそ,旅するように毎日を過ごしたい」。
 いや,旅するように毎日を過ごせているなら,わざわざ旅に出る必要もないわけですよ。こういうときこそ真価が問われるのでしょう。
 とはいえ,身体が物理的に動いてないとね。脳内だけでどうにかできる部分はそんなに大きくないでしょうねぇ。


● ユーザーインタビューは写真家のハービー・山口さん。トラベラーズノートなんだから,○○会社の△△部長なんてのが登場するはずもない。いわゆるクリエイティブ系から選ばれる。
 サラリーマンユーザーもかなりいるはず。そうでなければ商品として長く継続させていくのは難しいだろう。しかし,それはそれ,これはこれ。

● その山口さんが「心の中にある愛情や憎しみ,夢や憧れは言葉にすれば伝わるけれど,目には見えない。写真を撮る時には,そういう見えないものも表現したい。だからこそ,旅とか日常でふと耳にした宝石のような一言とか,その時の感情をノートに記しておくことが大事なんです」と語っているんだけど,これは語らせたと言った方が正確なのかねぇ。

● ところで。刺さってくるトラベラーズノートなんだけれども,意外にあれって立ったまま書くには適してないんですよね。皮だからグニャグニャして安定しないんで。デスクかテーブルか作業台に置いて使うものなんじゃないか。
 ので,旅のお供に連れていくのは,たとえば測量野帳やSYSTEMICに挟んだCampusノートの方がいいかもしれない。ダイスキンもいいかも。
 トラベラーズノートのコンセプトを載せる具体物はトラベラーズノートじゃない方がよくない? トラベラーズノートはむしろインドアに向くんじゃないかと思うんだけど。

2020年7月26日日曜日

2020.07.26 タッチアンドフロー日本橋高島屋S.C.店

● 高島屋の新館5階に行くと,ますズターバックスが目に入る。広くゆったりとした座席の配置だ。コロナ対策でそうしているのではなく,そんな対策など必要としないほどに,普段からゆったりと配しているとぼくは見たが。
 なので,さすがは日本橋,さすがは高島屋的な,セレブっぽい風情を醸しているわけですよ。

● ところが,ググッと近づいてみるとね,お客さんは普通のアンチャンやネーチャンでね。
 パソコンの画面を見せて,なにやら商談中の人もいましたが,一番多いのはスマホを眺めてボーッとしている人。良くも悪くも普通の人たちだ。
 遠景と近景はだいぶ違いますねぇ。何やらホッとしたっていうかさ。

● さて,このフロアに「TOUCH & FLOW」が入っているっていう情報を得ておりまして。情報源はどこかの雑誌の文具特集だったと記憶しているんだけども,この記憶はわれながらあてにならない。
 「TOUCH & FLOW」とはいかなるショップかというと,「デザインフィルが手掛ける大人向けな文房具店」ということ。デザインフィルといえばトラベラーズファクトリーも手がけている。東京駅にあるトラベラーズファクトリーには何度か足を運んだ(といって,ぼくはトラベラーズノートのユーザーではないのだが)。そのトラベラーズファクトリーとどう違うのか。

● トラベラーズファクトリーは丸太小屋的な感じ。対して,「TOUCH & FLOW」は小洒落た小さな別荘といったところか。
 トラベラーズファクトリーはトラベラーズノートがメイン。「TOUCH & FLOW」でも店内のいいところにトラベラーズノートが並べられているが,それが売場の過半を占めることはない。

● 「TOUCH & FLOW」のオリジナル(と思われる)商品もある。“TODAY”という商品名のダイアリー。単一ではなく,いくつかのフォーマットがある。手帳的なのと日記的なのと。
 しかし,トラベラーズノートのダイアリーとも競合するわけだ。PLOTTERもライバルになるわけだろう。この分野はレッドオーシャンなのかもしれないねぇ。

● 「TRAVELER'S TIMES」もあったので,1部もらってきた。フリーのPR紙といってはいけない。フリーだし,PRも含まれているんだけれども,読むに値する記事が満載なのだ。
 で,読み始めたんだけど,あれ,これすでに読んだな。2019年8月に出ている。待てよ,ということはもうこのPR紙の発行はやめてしまったのか。
 と思ったのは,ぼくの早とちりで,「TRAVELER'S TIMES」は年に一度の発行なのだった。もうすぐ最新号が出るのだろう。

● 藤沢にも店がある。その湘南店は蔦屋の湘南T-SITEに入居しているらしい。なるほど,デザインフィルと蔦屋は目指す方向が同じかもしれない。
 同じだから競合するのかとも思うのだが,蔦屋は自社でノートや文具は作っていなかったか。

2019年10月23日水曜日

2019.10.23 トラベラーズノートのイメージは?

● ダイソーで300円のダイソー版トラベラーズノートを手に取ってみる。機能に問題はないと思われる。トラベラーズノートと同じように使うことができるだろう。
 しかし,トラベラーズノートは買えないけれどこれならというわけで,この安価版として使う気になる人はそんなにいないのじゃないかと思う。

● モレスキンは100%,ダイスキンで代替できると思う。ゴッホやピカソも使っていたというデッチアゲの“伝説”やら何やらをそっくり含めて,ダイスキンで代替できる。
 モレスキンの場合,機能を除くとじつは何も残らないからだ。その機能もモレスキンならではの部分はない。

● しかし,トラベラーズノートはダイソー版で代替することはできない。機能は代替できるわけだが,トラベラーズノートは機能以外に何かがあるからだ。
 その何かを説明しろと言われても少し困るんだけども,数千円を出してトラベラーズノートそれ自体を買わなければしょうがないと思わせるところの何かだ。ダイソー版はトラベラーズノートではないと言い切れる何か。

● そこがトラベラーズノートの強味であるわけだ。製品化する前の段階で,製品に吹き込もうとしたものにかけた時間と手間が,製品を通して存在を主張している感じ。
 けっして使いやすいとは思えない。旅に持っていくのでも,測量野帳やダイスキンの方が取り回しが楽なはずだ。
 しかし,それを超えてトラベラーズノートを選ばせる,トラベラーズノートが持つ魅力。

● 原始回帰願望を刺激するのか。装飾を削ぎ落としてシンプルになりたいという願望を刺激するのか。
 トラベラーズノートの特徴をひと言で言ってみろといわれれば,ぼくはワイルドさと答える。変化球を投げられなくて申しわけないんだけど。
 じつはとんでもなく手をかけているはずなのだが,佇まいはワイルドだ。紙の束を革で挟んでいるだけなのだから。

● 普通のノートは1冊ごとに全取っ替えになる。トラベラーズノートはカバーとリフィルが分離しているから,カバーは長く使うことになる。
 長期間の使用はモノへの愛着を生む。愛着を持たせるノートはそんなにない(ペンにはあるが)。そこもトラベラーズノートの強味に数えていいと思う。

● トラベラーズノートというネーミングもいい。トラベラーはその地のしきたりや伝統に囚われない。移動していく人だから。友人もそこには存在しない。自分を縛るのは自分だけという立場を保持している。
 トラベラーズという言葉で自由を宣揚している。リベラルというのと,ノートの使途を制限しないという2つの意味で。

● カバーとリフィルの分離はシステム手帳も同じだ。ぼくもシステム手帳を長く使っているのだが,たぶん,システム手帳よりトラベラーズノートの方が愛着を生みやすいのではないか。
 機構がないからだ。挟むだけだからだ。リングがない分,人工感を感じさせない。自然に近い。

● さて,ここまで書いても,ぼくはトラベラーズノートは使わないと思う。すでに一生分のノートを持ってしまっているからだ。買ってしまったものは使わないと。
 細かく言うと,ほぼ日手帳のカバーに無印良品のA6ノートを挿して使うのも,コクヨのSYSTEMICに手帳とノートの両方をセットして使うのも体験してみたいのだ(前者は体験済みだけど,まだまだ体験したい)。

2019年9月18日水曜日

2019.09.18 ダイソー版トラベラーズノート,再び

● 宇都宮駅前のララスクエアの4Fに入っているダイソーに行ってみた。こんなコーナーができとりました。にこにこマークの製品はダイソーの重要なブランチですか?
 以前からけっこうあった。ポケットティッシュのケースとか,マグネット止めとか。まず,邪魔になることのないデザインだものね。

● ダイスキンにかつてはB6版があった。正規のB6ではなく,モレスキンのラージと同じだったか。その今はなきB6ダイスキンの代用になりそうなものがいくつかある。
 ハードカバーにゴムバンドが付いているB6サイズ。64枚。ただし,罫線はA罫だった。
 こちらも代用になるか。B6とA5の2種。どちらも48枚。となれば,よほどの理由がない限り,(B6に関しては)64枚の方を買うんじゃないかと思うんだけどね。

● A6ダイスキンはともかく健在。黒は80枚になってしまったけれども,黒以外は96枚を維持している。
 が,旧来型のダイスキンではない新型ダイスキンも出ていて,特徴は64枚であることとA罫であることだ。
 で,こうして黒もある。が,どう考えても旧来型の80枚黒ダイスキンを買うんじゃないかなぁ。

● もっと大きな発見(?)があった。ダイソー版トラベラーズノート,再び,登場していたのだ。
 以前のは250円の使い切りタイプ(ノートとカバーがセットになっていて,ノートのリフィルはなし)だったけど,今度はカバーとリフィルをセパレートしている。本家トラベラーズノートと同じ方式。
 カバー単体で300円(無地ノートが1冊付属)。ノートリフィルが100円で用意されている。方眼もあり。月間予定表もあり。
 となると,トラベラーズノートでできることは,全部,ダイソー版でもできるはずだ。しかも,マスキングテープやペンケースもCOORDIブランドで用意されている。何で用意したのかはわからないけど。
 COORDIとかKORORUとか,これってダイソー内ブランド? 競わせてるんですかねぇ。

● けれども,ダイソー版が本家の牙城を崩せるほど売れるかと言えば,少々疑問。自分が買おうという気にならなかったから。
 トラベラーズノートというのは,切っ先鋭い刃物のようなもので,これじゃなきゃっていう人が一定数いる。その一定数の人にとっては,トラベラーズノートは自分を乗せる乗り物だ。自己表現の道具だ(たぶん)。
 なのに,ダイソーの300円のモドキに自分を乗せる気になるか。なるわけがない。

● つまり,ダイソー版はトラベラーズノートにさほどに思い入れを持たない層に買ってもらうものだろう。トラベラーズノートって面白いかもと思っている程度の人たちのお試し版。けれども,その程度の人たちは,試してはい終わりとなるんじゃないかな。
 だって,普通に使う分には決して使いやすいものじゃないもんね。Campusのような普通のノートの方が普通に書く分には書きやすいでしょ。

● だいたい,本家トラベラーズノートを使っている人の前で,ダイソー版を出せるかというと,なかなか難しいのじゃないか。
 そこがダイスキンとの違いだ。ぼくはモレスキンユーザーの前でダイスキンを取りだすのに何の恥ずかしさも感じない。おまえのモレスキンより俺のダイスキンの方が生産性が高いよ,という程度のことは平気で言える。
 ダイスキンはモレスキンの“値段ほどではない”ところにかなり助けられているのだ。そこがトラベラーズノートとは違うというかな。どうしたって,価格の差が見た目の差になってしまう。

● それよりも,96枚ダイスキンが2冊あったので,こちらを買ってしまった。ノートは一生分の在庫をすでに抱えている。だけど,自分が思っている以上に長生きするかもしれない。ノートが足りなくなっては困る。
 ダイスキンとモレスキンは,価格の差が見た目の差にはならないし,ダイスキンはモレスキン以上かもしれないのでね。

● ダイソーでこんなのもあったので,買ってみた。メガネの上からかけられて,字が大きく見えるんだったらかなりいいぞ。
 仕事中はメガネを外すんですよね。書類を顔にくっつくほど近づけて,見るんですよ。遠近両用になってからずっとそう。そこを何とかできるかと思って。
 結果はどうもはっきりしない。これ,ルーペのほかに,老眼用の度が入っていないか。

2019年8月2日金曜日

2019.08.02 福田屋3階の上野文具-トラベラーズノート

● 福田屋3階の上野文具。トラベラーズノート様のノートがワゴンに入って半額になっていた。長さはトラベラーズノートと同じ。幅はちょっと広い。横罫と方眼があった。
 半額なら買ってもいいかと思ったんだけど,結局見送る。使い終えた後の保存をどうするかという問題。判型が揃わないのが混ざってしまう。

● MDノートのA6横罫はよっぽど買おうかと思った。書き味は抜群なのに違いない。
 しかし,分不相応というのもあるし,Plaisirで書く場合,あまり紙がいいと滑りすぎるのではないかと思ってみたり(試し書きをすればいいのだが,Plaisirを持ってきていない)。カリカリッという感じが残るダイスキンの安い紙の方が具合がいいとも感じる。

● トラベラーズノートのCMペーパーがあったのでもらってきた。トラベラーズノートのイメージ戦略がわかりやすく盛られている。このあたり,モレスキンを意識しているのだろうか。
 「このノートを携えて歩くことで,日常を旅するような気持ちで過ごしてみてください。毎日見ている景色の中に新しい顔を見つけられるかもしれません」「一箇所に留まらずに,動き続ける精神のことを Free Spirit と言います」

● ぼくがトラベラーズノートに行かない理由のひとつは価格だ。本体の革カバーは仕方がないとして,リフィルがね。
 Seriaにはリフィルに使えるノートがあったっけ。が,そういうことをしてまでトラベラーズノートを使うのはかえってかっこ悪い。
 ダイソー版のトラベラーズノートなら,トラベラーズノートのパクリとひと目でわかるから,むしろ潔いんだけどね。一発商品だったね。

● もうひとつ,顧客の「書く」にまつわるすべてを自社で囲い込もうという,どうもあまり好きになれないやり方を感じるせいもある。
 ペンやペンケースから定規,クリップに至るまで用意している。素材は無垢の真鍮で統一。たしかにいいもので長く使えるのだろう。「10年後の姿を想像」できる製品だし,その想像を楽しむこともできる。
 パソコンやスマホでいえば,Appleのやり方。文句を言うつもりはないんだけど,それに絡め取られることには抵抗がある。

● 同じことをモレスキンもやっているが,モレスキンの場合は本体ノート(の特に紙質)に問題を抱えているためか,ペンはボールペンのみだし,あとはバッグくらいのものだ。
 トラベラーズノートはこのあたりの品揃えがずっと多い。ペンには万年筆もある。万年筆で書いても裏に抜けたりしないからで,このあたりがモレスキンと違うところだと勝手に思っている。
 しかし,囲い込まれるのはイヤだ。そういう戦略を採っているメーカーからは距離を置きたい。

● モレスキン以上にトラベラーズノートは尖った製品だ。刺さる人には刺さるが,万人受けするものではない。
 そういう製品は囲い込みに行きやすいのだろう。ユーザーも嬉々として囲まれる。というか,囲まれたがっている。

● コクヨだってノートのほかに筆記具も作っていて,たぶん作っていないのは万年筆くらいではないか。では,コクヨがユーザーの囲い込みに走るかというと,それはできない相談だ。やってもいいが,効果がない。
 コクヨほどユーザー幅が広いメーカーだと,囲い込む核になるものがない。Free Spirit などと言うわけにもいかない。事務用品も多く出しているのだし,法人顧客も多いはずだからだ。

● それゆえ,ぼくはコクヨを支持する。測量野帳を使えばいいのだ。
 合わせる筆記具はゼブラのSARASAでもいいし,パイロットのキャップレスでもいいし,ぺんてるのプラマンでもいいわけだ。もちろん,三菱鉛筆の9800でもいい。

● ぼくはそのようにノートとペンを使っていきたい。あまりにできあがりすぎた(つまり,誰かが作った)既成の製品世界にドップリ浸かるよりは,尖らずに一般性を保っている製品を適当に組み合わせて使っていきたい。
 どっちでもいいんだと思うんですよ。どっちを選ぶにしても,そもそも誤差の範囲内という感じだとは思うんです。

2019年2月27日水曜日

2019.02.27 トラベラーズノートと測量野帳の面白さ

● 依然として見てて面白い文具サイトは,トラベラーズノートと測量野帳のものだ。コクヨの測量野帳ユーザー座談会の記事は,もう何度も見ているのだけど,今日また見てしまった。
 この2つがなぜ面白いかといえば,商品が面白いからであり,ユーザーが面白いからだ。究極は商品の面白さだ。商品が面白いからこそ,面白いユーザーが集まるわけだから。

● しかし,その商品の面白さは,メーカーがそれとわかったうえで市場に出したものではない。メーカーが想定していなかった使い方をするユーザーが現れたのだ。ユーザーが発見した面白さなのだ。
 特に,測量野帳はそうだ。コクヨは測量業務の現場で使ってもらうために世に出したに違いないからだ。今使われているような多様な使い方は,ユーザーが編みだしていったものだ。
 面白い商品とはそういうものだろう。メーカーが想定しなかった使い方をされている商品が面白いのだ。

● それはユーザーが創造性に富むということではない。ごく普通の人がさり気なく始めた使い方が,メーカーが想定していなかったものだったというに過ぎない。
 そこを誘発する商品が面白い商品になるのだが,それは狙ってできるものではない。

● トラベラーズノートにしても測量野帳にしても,他のメーカーがよく似せた商品を出してくることは考えにくい。
 そんなことをしても,すでにできあがっているトラベラーズノートや測量野帳の牙城を崩すことは難しいだろうし,逆に,もの真似企業の汚名を着ることになるリスクは,リスクというのが不自然なほどに,ほぼ確実だからだ。

● ダイソーが250円のトラベラーズノートを出したことがあったけれども,ダイソー自身,それがダイソーの定番商品になるとは思っていなかったろうし,ダイソー版測量野帳を出してくる可能性はほぼない。
 測量野帳じたいが安いからだ。Amazonでまとめ買いすれば,1冊150円。たとえダイソーが100円でもっとページ数が多いものを出したとしても,ぼくですらそれは買わないだろう。

● 面白い商品は唯一無二になりやすいのだ。狙ってそれを達成できるなら,どんなにいいだろう。

2019年1月15日火曜日

2019.01.15 「トラベラーズノート」というコンセプト

● 東京のホテルに2泊したのだけど,今回初めて持っていったものがある。両面テープだ。
 ホテルや出先で入手した記念品(?)をホテルにいる間に手帳に貼って整理できる。このやり方はありだなと思う。

● ぼくは手帳しか持たない(手帳とは別にノートを携行することをしない)時期が長かったので,そうした記念品は手帳に貼っているんだけど(後から見返すときには便利),それをノートに貼れば,つまり「トラベラーズノート」になるわけだ。
 システム手帳を使っているので,後になってから作業しても何とかなる。ノートでやる場合には即時処理が必要になるだろう。両面テープとハサミを持っていくのは必須になりそうだ。

● トラベラーズノートのコンセプトは,旅するように毎日を過ごす,というものだと承知している。秀逸だと思う。普段の生活も旅の一部。
 であれば,毎日が旅。その日その日の旅ノートを作っていくことになる。実際にそう心がけている人もいるだろう。そういう人は,両面テープ(じゃなくても,何らかの接着剤)とハサミはいつも持ち歩いているのだろうな。

 ぼくは高校や大学の卒業証書はとっくの昔にゴミに出してしまった。そういうものをあえてとっておく必要はないと思っているからだ。
 話は逆で,普通はとっておかないものを残していくのがいいのだ。普段はあまり食べないお菓子の包み紙とか,駅のスタンプとか,映画の半券とか,各種チケットとか。

 それをするのにトラベラーズノートを使わなければならないわけではない。B6ダイスキンはそういう使い方をするのに向いていると思うし,測量野帳もピッタリだろう。
 他のノートでもなんら問題ない。どんなノートでも「トラベラーズノート」になる。

● まとまった「トラベル」はブログに書く人が多いかもしれない。ぼくもそうだが,その場合はブログに画像を上げるから,現物は捨ててしまっている。ブログが「トラベラーズノート」だ。
 ノートで残すかデジタルで残すかは,どっちでもいいと思う。わざわざブログにするほどではない小さな「トラベル」もある。それはTwitterに上げることになるだろう。

● だとすると,捨てないで残しておくものは,そんなにはないことになりそうだ。
 が,それでもデジタルにしきれないものがある。「トラベラーズノート」は持っていた方がよいと思う。

2018年10月9日火曜日

2018.10.09 ダイソー版トラベラーズノートは一発で終わったのか

● トラベラーズノート絡みで思いだすのは,昨年の秋にダイソーから出たトラベラーズノートもどきだ。わずか250円で,ノート2冊とジッパー付きのクリアケースとカードを6枚収納できるリフィルが装着されていた。
 ぼくが定点にしているダイソーは宇都宮駅前のララスクエアに入っているダイソーなんだけど,そのララスクエア店では完売したようだった。

● が,その後がない。一発花火で終わったんだろうか。
 この250円のセットは餌捲きで,そのあと,補充用のノートを売って利益を取ろうという作戦だったかと推測していたんだけど,その補充ノートも販売されることはなかった。

● ダイソーは機を見るに敏というか,ダメとなったらさっさと撤退するだろうから,この250円トラベラーズノートはダイソーを満足させるほどには売れなかったんだろうかなぁ。
 それ以外に理由があるんだろうか。どうせやるなら,本家本元のトラベラーズノートを徹底的にパクって,縦幅もトラベラーズノートと同じにして,補充品もそろえればいいのにと思ったんだけど,トラベラーズノート自体のマーケットがそれほど大きくはなかったんだろうか。

● あるいは,モレスキンと違って,トラベラーズノートには価格だけのバリューがあって,百円ショップの価格では顧客を創出するのは無理と判断したんだろうか。
 現在のトラベラーズノートのユーザーは,製品に対するリスペクトがハンパないように見受けられる。Seriaはトラベラーズノートの替えノートを100円で売っているけれども,あまり売れているようには見えない。そこに切り込んでいくのはやめておくのが吉と思ったんだろうか。

● もしそうなら(たぶん,違うと思うんだけど),トラベラーズノートの強みは盤石だよね。ダイソーに付け入る隙を与えないというのは,すごいことだよ。

2018年8月15日水曜日

2018.08.15 トラベラーズノートの公式サイトは楽しい

● ダイスキン以外に気になるのは,トラベラーズノートだ。ずっと気になっている。でも,やはりぼくには扱いが難しいだろう。

● そのトラベラーズノートの公式サイトが楽しい。トラベラーズファクトリー オンラインのサイト。トップページの14の写真のスライドショーを見ているだけでワクワクしてくる。よく作ってあるなぁと感心する。
 メーカーのサイトなんだから,販促が目的に決まっているのだが,その販促を感じさせない。メーカーサイドの人たちがトラベラーズノートを楽しんでいるというか,遊んでいるというか,バンドマンがライブを前にして高揚している感じというか。

● 買わないけどね。この楽しさを味わわせてもらうだけで。早い話がぼくにはダイスキンがあるので。
 トラベラーズノートでできることはダイスキンでもできるはずだから。どんな使い方をするにせよ,ダイスキンなり測量野帳で充分以上に代替できる。むしろトラベラーズノートは重いし,カバーがフニャフニャしているので,立った状態では使いづらそうだ。

● バーチャルの楽しさをリアルと混同してはいけないよ。つまらない性格だとわれながら思うけどさ。跳べない性格っていうかね。

● トラベラーズノートのような製品は,万人に使いやすさをアピールするものではない。とんがったところが持ち味で,そのトンガリを良しとする少数の人に使ってもらえればそれでいい,という割り切りがあるのだろう。

2018年2月6日火曜日

2018.02.06 トラベラーズノートから自分の来し方を振り返る

● トラベラーズノートでググると,いろんなカスタマイズの実例を見ることができる。皆さん,楽しそうに使っている。
 紙とカッターとホチキスがあれば,トラベラーズノートのリフィルは自作することができるから,トラベラーズノートはカスタマイズしやすいのだろう。
 ひょっとすると,システム手帳以上に自由度が高いのかもしれない。

● ぼくはトラベラーズノートの独自規格のゆえに,TRAVELER'S COMPANY の世界に取り込まれるのがイヤだと思っていたけれども,そうではない使い方が普通にあるのだった。
 カスタマイズするとか独自の使い方を工夫するというのは,トラベラーズノートに限らず,ほぼ日手帳,測量野帳,モレスキンなどでも語られている。

● ぼくはどうもこのカスタマイズを苦手とする。デフォルトのままで使おうと考える。その製品に自分をあてはめようとしてしまうのだ。
 自分では不器用だからだと思っているのだが,ひょっとすると頭が悪いのかもしれない。

● だからこそ,トラベラーズノートを使うと,TRAVELER'S COMPANY の世界に取り込まれてしまうと思うのだろう。
 で,そういう人間は,つまらない使い方しかできないんだよね。デフォルトでしか使えないんだから。

● ちなみに,そういう人間は多機能型に弱いものだ。それ1台で何でもできるというのに惹かれてしまう。デフォルトのままでアレもできる,コレもできる,と。
 で,それを買って,その機能のすべてを使おうとする。典型的にはスマホだ。以前は日本仕様にこだわっていた。スマホでテレビも見れるぞっていう。ハイレゾで音楽も聴けるなら,なおけっこうだ。

● 一事が万事で,そういう人間はつまらない人生しか送れないのかもしれないと思ってみる。というか,自分の来し方を考えると,そう思わざるを得ない。
 その時々の社会の体制や制度,仕組みを所与の前提として,それに自分をあてはめようとする発想しかできないわけだ。
 ところが,制度や仕組みは不動ではない。しばしば変わる。時代全体の色彩も変わる。

● 現在と30年前は同じ社会とは思えないほどに変わっている。IT,インターネット,男女共同参画といった言葉で代表される事がらによって,枢軸が大きく変わった。
 デフォルトに合わせるという発想しかないと,しばしば時代に取り残される。狭い世間をさらに狭くして生きるようなものだ。自分の来し方を振り返ると,そういう結論。

● それゆえ,自在にカスタマイズしてトラベラーズノートを使っている人たちのブログを見ると,その柔軟性が眩しく思えるのだ。

2018.02.06 モレスキンの良さを誰か教えてくれないか

● 依然として,文具店に行くとトラベラーズノートを覗いている。でも,はやりこれは買えないね,高くて。
 コンセプトには非常に共感するんだけど,コンセプトに惚れこんで財布を開くわけにはいかない。ダイスキンで充分に代替可能だから。
 立って書くときはダイスキンの方が扱いやすいし,常時持ち歩くことを考えれば,ダイスキンの軽さは魅力的だ。

● が,商品として見た場合,トラベラーズノートは大変な成功例だ。同じ狙いで他社が何をやろうと,トラベラーズノートの二番煎じにしかならない。
 コンセプトをとんがらせるって大事だね。質がいいというのは当然の話で,そこから先は作り手のメッセージがよく見えることが重要だ。さすれば,そのメッセージに共感する人が,商品を買ってくれる。

● で,不思議なのがモレスキンだ。ノート界では化け物的な存在。けど,モレスキンは質を確保しているとは言いがたい。
 にもかかわらずこれだけ売れているということは,日本を除く国々ではノートの質があまり良くないんだろうか。紙質の良いノートを求めるユーザー層が存在しないということか。

● が,日本のメーカーも海外展開している。日本メーカーのノートは世界で売られているはずだ。
 だとすればモレスキンがこれだけ売れている理由がわからない。ユーザーがノートに求めるものが,日本とは違うんだろか。
 それも考えづらい。ノートの使い方に,国や地域や民族によって固有性があるなんてはのはねぇ。不思議だねぇ,モレスキン。

● モレスキンのここがいいっていうのを,誰が教えてくれないだろうか。ヘミングウェイもゴッホも使っていたという,モレスキンとは無関係な“伝説”絡みじゃなくて,具体的にここがいいのだっていうのを。
 いわゆるモレ本はすべて読んでいるつもりなのだが,実際にモレスキンを使ってみたこともあるのだが,どうもモレスキンの良さがわからないのだ。

2018年2月5日月曜日

2018.02.05 ダイソー版トラベラーズノートのその後

● ダイソー版トラベラーズノート,完売している。が,その後だいぶ経つのに,次の入荷がない。もう作らないのか,かつてのダイスキンのように供給不安定なのか。

● ダイソー版は本家トラベラーズノートより長さが2㎝ほど短かった。リフィルも併せて販売しないと,使い切りになってしまう。
 250円なんだから,使い切りでもいいようなものだが,それだと少々環境によろしくない。実際にはどうなのかわからないけど,イメージとしてはそうなる。
 とすれば,リフィルも販売するか,サイズも本家に合わせるか。

● 後者の方向で検討しているのじゃないか,と妄想。価格は300円になるだろうか。といって,生産ラインを簡単に変えられるんですかね。小回りが利くものなんだろうか。

● 300円のダイソー版が出たら,では買うかというと,たぶん買わない。ぼく的にはダイスキン命。
 本家に比べるとダイソー版は軽いから,持ち歩くには難がないと思うんだけど,立って書くにはダイスキンが使いやすい。
 使用後の保存も同様。トラベラーズノートのリフィルは立てて保存できない。立てて保存しなきゃダメなのかと言われると,別にダメでもないと思うんだが。

2018年2月2日金曜日

2018.02.02 旅するように毎日を過ごす 2

● 自分では使わないんだけど,気になる文具がある。トラベラーズノートはそのひとつ。文具店に行くたびに見ている(が,自分が使うことはないとわかっている)。

● 惹かれる理由は2つあって,ひとつは革素材の放りだしたような感のあるカバーと,同じくラフな作りに見えるノート中紙。
 もうひとつは,「日常を旅するような気持ちで過ごしてみてください」という,トラベラーズノートのキャッチコピー。

● 旅行中は気づきの連続だ。ノートを持っていれば,書いておきたいことが次々に出てくる。あるいは,チケットやチラシなど,ノートに貼って保存しておきたいブツが溜まる。マメな人なら,1週間の旅行でノート1冊を使い切るのではないか。

● 旅は必ず終わる。人生もまた。いずれ終わるものなら,旅するように生きられれば,発見もあるしワクワクもできるだろう。
 どうすれば旅するように日常を生きることができるのかという,その肝心なところを方法論としてまとめることは,もちろんぼくにはできない。“日々新た”という心構えで生きなさい,というのは,微妙に違うように思うんだけど。

● けれども,旅するように日常を生きろ,というこの言い方に妙に惹かれるんですよね。ここに大事な何かがある,と思うんですよ。
 この言い方に惹かれるようになったのは,自分の持ち時間の残りが少なくなっていることを知らざるを得ない年齢になったからだ,ということも。
 若い頃は,時間は無限にあるものだった。自分は何者にもなり得ると思うことができた。

● が,何ほどのこともしないで(できないで),年を取ってしまった。その思いが,“人生=旅”という,すでに言い古された常用句に自分をなびかせる。
 少し,悲しい。ほんの少し。

● 旅するように日常を生きるための方法論に戻るんだけど,日常に“移動”を盛りこむことは必須だと思う。
 どこにも出かけないで過ごすのではなく,近場でいいからどこかに行ってみること。家の中にいないこと。こもらないこと。
 たとえば散歩でもいい。できるだけ“小さな旅”を日常に散りばめること。それが旅するように日常を生きるための出発点になる。

● 旅するように生きるためには,“小さな旅”を続けていないといけないってことだね。想像力だけで旅をする,“揺り椅子の旅人”にはならない方がいい。
 いや,なってもいいんだけど,それだけではダメだと思う。

● では,なぜそのトラベラーズノートを自分は使わないのかといえば,高いからなんだな。ダイソーの百円ノートで充分じゃないかと思ってしまうんですよ。度し難い貧乏性。
 もうひとつ。トラベラーズノートはとにかく独自の世界なんだよね。コンセプトもそうなんだろうけど,何より規格が。
 使用済みのリフィルを保存するにも,TRAVELER'S COMPANY が用意している保存用バインダーを使わざるを得ない。でなければ,横に積んでおくしかなくなる。

● つまり,TRAVELER'S COMPANY に絡め取られそうなのがなぁ。TRAVELER'S COMPANY が拵えた世界の外に出られなくなりそうなのがイヤなんですよ。
 生意気を言わせてもらうと,AppleのiPhoneやiPadを使って違和感を感じない人は,トラベラーズノートとの相性もいいんじゃないかと思うんですけどね。

2018年1月17日水曜日

2018.01.17 旅するように毎日を過ごす

● 旅するように毎日を過ごしてほしい,というトラベラーズノートのキャッチコピーが,なんか頭を離れなくて。旅先は発見の宝庫だ。誰であっても,その人なりの水準に合った発見が必ずある。
 人によっては1週間でトラベラーズノートのリフィル1冊を使い終えるかもしれない。絵を描いたり,チケットやリーフレットを貼ったりして。

● 同じだけの発券を日常で行うことは難しい。そこにあるものが前提になるからだ。それを踏んだうえで生活している。踏んでいるんだから,それが風景として目に入ることはない。
 が,10年20年単位で見れば,まず自分が変化する。街の風景や風俗も変わる。10年前,20年前の自分や風景や風俗を見るときには,たぶん,旅人の視点になる。
 ならば,10年後20年後の自分という旅人に,時空の旅をしてきた証を残しておいてやるといい。

● 発見されるのを待っている事がらは,あるはずなのだ。10年後には面白くなっているはずのものが,面白くもない表情をして,そこにたたずんでいるはずなのだ。
 数からいえば,旅をしているときと同じ頻度で,あるはずだろう。だから,旅行中にトラベラーズノートを1冊使いつぶす人ならば,日常においてもやはり1冊使いつぶせるはずなのだ。
 といって,日常でそれをやったら,それ以外のことをする時間がなくなってしまうだろうけど。

● トラベラーズノートではない別の方法で,それと自覚せずにやっている人は,昔に比べれば今は増えていると思われる。SNSだ。自分のツイートや投稿を10年後20年後に読み返してみると,10年前20年前の自分の旅の様子がわかるのではないか。
 問題は,10年後や20年後にTwitterやFacebookが残っているという保証は必ずしもないということだけだ。ので,安全を期すならばノートを使った方がいいだろう。トラベラーズノートである必要はないけれど。

● が,旅するように生きている気分を味わうには,あえてトラベラーズノートを使ってみるのはアリだと思う。そう思わせるだけのたたずまいをトラベラーズノートは持っているような気がする。
 ぼくはダイスキンでいいと思っているが,負け惜しみかもしれない。トラベラーズノートは高くて買えないがゆえに,ダイスキンでいいや,と思っているのかも。

● 現在のモレスキンは,フランスはトゥールの製本業者が作っていたノートをパクったものだ(復活させたといっても,その製本業者の了承を得たという話はついぞ聞いたことがないから,パクったと言っていいのだろう)。ダイスキンはそのモレスキンをさらにパクッたものだけれども,オリジナルは元々旅行用というか,外で使うことを想定していたもの。ブルース・チャトウィンが,「この手帳をなくことは,パスポートをなくすのと同じくらい私にとっては災難だ」と語ったという。
 というわけで,旅するように毎日を過ごしていく人に,ダイスキンもまたふさわしいノートなのだと思って,ダイスキンを使っていこう。