9500は外出用の筆箱に入れている。旅行先でも自宅にいるときと同じことしかしないので,ホテルや街なかのデスクやテーブルに座って,取りだす。
これなら家にいた方がいいんじゃないか,と思いながらね。家にいるときにやってることを,場所を変えてやることの楽しさってのも,あるにはあるんだけど。
● クラフツマンは和製 BLACKWING の趣がある。特に,クラフツマンの2Bは BLACKWING の Balanced とどこが違うのかわからないほどだ。
BLACKWING 自体が,鉛筆本体は,芯も含めて,和製なので(ぼくは北星が製造しているんじゃないかと睨んでいる),この言い方はちょっとおかしいのだけど。
クラフツマンだけは Amazon でも扱っていない。高級ダイソーである Standard Products の専売なのだが,HB〜2Bが入手不可能な状態にあるのは残念だ。
● 初回入荷分を売り切ったら再入荷はしないという方針のようだ。店舗によってはHB〜2B以外でも入手できないことがあるが,売れ筋のHB〜2Bはどの店に行ってもない。
ぼくの知る限り,ひとつもない。銀座にも川崎にも青森にも宇都宮にもない。
● 6B〜4Hの12硬度セットはあるので,そちらを買えばいいのだが,硬度別のバラ売り,半ダース箱売りは,初回入荷分のみらしい。
12硬度セットは絵を描かない人には不要なものだし,絵を描く人でも12硬度を均等に使うことなどあるまいから,ここはぜひとも改善してもらいたいところだが,Standard Products としては,使わなくてもセットで買ってもらわないと手間に見合わないのかもしれない。
● けれども,上記の3本柱の中で,ぼくの推しは9606だ。HBしかないが,北星ならHBが一般筆記にも最善。北星のHBは,他社よりだいぶ濃いし,軟らかだ。
B罫のノートに文字を書いていくなら,北星であればHBが最適。トンボならB,三菱なら2Bと続けたくなるのだが,そこまで言ってしまうと筆が走りすぎの感があるな。
● ノートに文字を載せていくときの滑らかさ,紙と協働で奏でる筆記音,指先に受ける快感。今まで使ったことのある鉛筆の中で(と言っても,そんなにたくさんは使っていないのだが),使っていて最も楽しいのは9606。
正直に言うと,コスパもある。今なら Amazon でダース657円で買える。1本55円はお買い得どころではないレベルだと思う(ただし,Amazon はもっと安いことがある。1本46円のときがあった)。
● 消しゴム付き鉛筆の消しゴムを使うことはまずない。字を消すには普通の消しゴムを使う方がストレスがない。
あれは単なる装飾品だと心得ているので,消しゴム付きであることのメリットは享受していない。鉛筆としてすこぶる優秀ということだ。
● その意匠からして,9606は社会人に宛てているのだと思うのだが,こういう鉛筆は小学生にこそ使ってもらいたいものだ。
低学年の児童は,カラフルな絵柄が印刷された鉛筆を使いたがるかもしれないが,大人になろうと背伸びを始める4年生くらいになっていれば,受け入れるんじゃないかと思うのだが。
● いいものは子供にこそ使わせるべきなのだ。大人なら多少は粗悪であっても,騙し騙し使うこともできるし,上手く手なずけることもできるかもしれないが,子供はそうはいかない。
だから,子供にこそいいものを。子供なのだから安物でいいというのは間違っている。大人には安物でもまぁまぁいいけれども,子供に与えるものを安物ですませてはいけない。
子供だから雑に使うし,飽きるのも早いかもしれない。何より,しばしば失くす。そうであっても,子供にはいものを与えるべきだ。
● その伝でさらに言い募ってしまうと,いい齢をした大人が,AよりBがいい,Cはここがちょっと,などと雨夜の品定めに興じているのは,少々以上に浅ましい気がする。
ぼくもまた,ここでこうして同じことをしているわけなので,浅ましい連中のひとりなのだが,大人になっていれば与えられたものを使いこなして見せろ,とは思う。
目利きは自分より子供のために使え。
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