2022年3月20日日曜日

2022.03.20 「STATIONERY STATION」を初訪問

● 日本橋三越の本館5階。「STATIONERY STATION」にやってきた。オープンしたのは2月26日だから,北関東の在から出かけることができたわけだ。
 だいたい,三越本店の内部に単身で乗り込むこと自体,イレギュラーというか。近くのホテルに泊まったとき,部屋飲みするための肴を探しに,地階の食品売場を相方に連れられて徘徊したことは何度かあるけれども,せいぜいがそんなところだ。
 三越に限らず,百貨店というところは若い頃からアウェイだった。何となく馴染めない感じがあったし,今もある。

● さて,「STATIONERY STATION」だが,サイトには “南青山の筆記具専門店「Pen Boutique 書斎館」によるディレクションが実現した” とある。「Pen Boutique 書斎館」にも行ったことはない。言わずもがなだな。
 南青山じたい,ぼくが足を踏み入れたのは一度だけだ。岡本太郎記念館に行ったとき。

● 品揃えのメインは万年筆。ザッと見たところでは,イタリア産の万年筆が多いようだ。イタリア産が欲しいならここに来ればいいんじゃないか。
 もちろん,ペリカンもクロスもパーカーもある。
 ファーバーカステルのパーフェクトペンシルの伯爵コレクションも,ここでなら現物のいくつかを見ることができる。

● パイロットのキャップレスの一部も並んでいたし,プラチナの♯3776センチュリーもあった。いや,カクノもありましたよ。つまり,日用品もあることはある。
 が,売りたいのはこれじゃないよってのは歴然。結論からいえば,文具に実用性しか求めない,ぼくのような人間が来るところじゃなかった。一度で気がすみました。
 でもね,万年筆で一番高いのが484,000円でしたからね。全然たいしたことありませんよ,皆さん。サクッと買っちゃってくださいよ。

● この店に最も近いのは,ぼくの知る限り,銀座(G-SIX)の蔦屋書店の文具売場だ。蔦屋書店の方が妥協がないような気がするが。
 結局,うん,ぼくが来てはいけないところのような気がする。ぼくが行っていいのは LoFt がいいところ。かつ,ここにいるより LoFt の方が楽しめる。

● ただ,いかに日本橋とはいえ,そういうもの(高額商品)しか置かないのでは客足が細るのだろう。サクラクレパス「ボールサイン iD プラス」,パイロットのジュースアップ,ゼブラの SARASA も並んでいる。
 このあたりが業界の苦悩の現れでもあるのだろう。ジュースアップや SARASA は女子中高生か,せいぜい20代のOLさんあたりまでがユーザー層として想定されるところ。ぼくのような隠居暮らしの年寄りの中にも,ごく稀に買う人がいるかもしれないが。
 で,この年代層は「STATIONERY STATION」が売りたいと思う万年筆は買えない層でもある。

● 経済的に購入可能な年齢層の人たちは,そもそも文具を使わない。どうもそういう図式ではないかねぇ。結局,文具というのはニッチ向けに留まっているんだろうか。
 コロナによるリモートワークの影響か,法人が購入する文具,紙製品が減少しているらしい。これまたリモートワークがもたらしたものか,手帳の売行きも芳しくないようだ。

● 今の日本はバブルの頃とは様変わりしている。札びらを切る的な使い方がデキる人は,いてもごくごく少数だろうし,会社のお金も渋くなっているだろう。高額商品が飛ぶように売れた金満日本ははるか彼方に去った。
 ブティック的な店はなかなか難しい状況に置かれている。傍目にはそう見えた。

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