2022年10月18日火曜日

2022.10.18 「人生でしたい100のことを書くノート」

● 東京駅地下のグランスタ丸の内にある「Neue」を覗いてみた。Twitterで東京駅の駅舎を箔押しした測量野帳がここにあるというツイートを見たので,まだあるんだったら買おうかなと思ってね。
 レギュラーの測量野帳はあるんだけれども,東京駅のやつは見あたらなかった。是が非でも欲しいというわけでもないから,なければないでよろしいのだが。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」というのがあった。ロバート・ハリス『人生の100のリスト』(講談社 2004年)という本を読んだことがある。それを実践するためのノートですかな。
 “したいことリスト” のページがある手帳もけっこうな数あるのだけど(たとえば,CITTA手帳。ジブン手帳),アホかと思ってましたよ。そんなリストを作ってる暇があるんだったら,サッサと動いた方がいいでしょう,と。リストは脳内に置いて,時々点検すればいい。

● が,毎日が日曜日の隠居生活を3年近く送ってみると,年寄りこそ,こういうリストを作ることを試みた方がいいのかもしれないと思えてきてね。若い人には要らないと思うんですよ,こんなものは。
 後先短くなったジジイやババアは,この種のリストを作るという作業を自分に課した方がいいかもしれない。作業をすること自体に意味がある。できあがったノートはどうでもよい。

● 年を取ってみると,年を取るとはこういうことかと感じることがいくつかある。若い頃に想像していたことと同じこともあるし,若い頃には気づかなかったこともあるのだが,年を取ったなと感じる一番目は,やりたいことがなくなることだ。
 今さら何をしてももう時間がない,手遅れだ,と思って,勝手に蓋をしてしまうというのではない。正真正銘,やりたいことがなくなる。

● まず,グルメ願望がない。卵かけご飯でいいし,味噌汁と納豆だけあればいい。旨い酒を飲みたいとも思わない。ウィスキーならトリスで充分。
 年を取ったら “いいものを少し” になるのだと思っていた。食欲は,若い頃と言わず,10年前と比べても落ちている。しかし,だからといって “いいもの” でなくても別にかまわないのだった。

● 海外旅行にも行きたいとは思わなくなった。国内だって北海道や沖縄はもういいや。金沢や京都も別に行かなくたっていいよな。
 何だったら一切出かけなくたっていい。月に何度か宇都宮に出る程度でいい。あとは家の近くを散歩するくらいで生きていける。
 ま,今は全国旅行支援もあるので,東京近辺に出ることが多いが,出れなくなったところで困ることは何もない。

● まして,一旗揚げたいとか,世間を驚かせたいとか,そんなことを思うわけがない。そんなのは若いときにも考えたことがない。老いたらなおさらだ。
 社会貢献願望もない。年寄りの社会貢献願望など社会の迷惑だと思っているからでもあるが,社会そのものへの関心が薄れている。

● 以上は,ひょっとすると,前頭葉が萎縮し始めて,汎用的に意欲が減退しつつある結果なのかもしれないが,このままであと10年なり20年なりを生きていいのかと思う程度には,正気を保っているのだ(それでいいのかもしれないんだけどね)。
 ので,とりあえず年齢のことは忘れて,本当にやりたいことがないのかどうか内省してみた方がいいのじゃないかと考えることがあるようになった。

● 内省すると言ったって,沈思黙考じゃダメだ。少なくともぼくの場合は,沈思黙考などしたところで,休むに似たりでしかない。
 無理やりにでもやりたいことを書き出してみるのがいい。なくても書く。したがって,けっこうな力業になる。無から有を生じさせるようにする。

● 乾いた雑巾を絞るような作業になると思うが,100個書きだす。でっち上げでもいいから書きだす。そうやってでっち上げて書きだして,でっち上げようがなくなった80個目あたり以降に出てきたものが,自分の深層にあった本当にやりたいことかもしれない。
 そうした作業をやってみた方がいいのじゃないかと思ったりする。やりたいことがないと感じている年寄りは。

● 大きなことである必要はないし,立派なことである必要もない。些細でいい。つまらなくていい。後ろ指を指されそうなことでもいい。
 それこそ,朝起きたら必ず顔を洗う,でもいいのだ。ちなみに,ぼくはそれを実行していない。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」は1,980円もするから,もっと安いノートを使ってもいいだろう。百円ショップのノートで充分だ。が,「人生でしたい100のことを書くノート」の構成はそのままパクった方がいいかもしれない。
 100個書くのだから,最低でも100行は必要だし,その後に,その100個を1個づつページの最初に転記して,なぜそれをしたいのか,取っ掛かりをどう作るか,などを書くようにする。その作業は一気にやるのは無理だから,とつおいつ,ゆっくり時間をかけてやっていくことになる。

● 「人生でしたい100のことを書くノート」はリストの頭にチェックボックスが印刷されていて,したいことを実行したらレ点を入れていくようになっているが,ここだけは採用しない。
 作業をすること自体に意味があるので,リストに上がったことを実行するかしないか,やるかやらないかは問題ではない。作業が終了した時点でノートは用済みだ。チェックボックスは不要。

● で,自分もこの作業をやってみようと思うんだけども,格好のノートがある。かなり前に数十冊ほど買ってしまって,手つかずになっているB6ダイスキンだ。
 16枚の折丁(4点糸綴じ)4つに8枚の折丁1つという変則的な製本で,中紙は72枚。144ページ。
 100円でこのノートが買えたとにあらためて驚くのだが,100円なら心おきなく処分できる。この作業にちょうどいい。

0 件のコメント:

コメントを投稿