2023年6月20日火曜日

2023.06.20 趣味の文具箱特別編集 『ラミー パーフェクトブック』

書名 ラミー パーフェクトブック
編者 趣味の文具箱
発行所 枻出版社
発行年月日 2019.05.30
価格(税別) 1,600円

● 池袋の東武百貨店7Fにある伊東屋池袋店に目の保養に来た。買う気はないけど,文具を色々見せてもらいましょう,と。
 銀座の本店よりも居心地がいい。ワンフロアだからだ。本店はちょっと窮屈さを感じるんですよ。

● 高級万年筆のショーケースを除いて,わりと丁寧に売場を見ていった。といっても,どこかで足を止めるというわけでもない。
 たとえば,かつては惹かれたシステム手帳にも興味がなくなった。現在でもシステム手帳のユーザーだし,今後もそうだと思うのだが,良くも悪くも使い方が固定(安定とも言う)しているので,商品自体に気を向けることはない。

● ところが,このムックを発見。サファリの今年の新色発売に合わせたものだろうか。前からあったのに気づかなかっただけ?
 1年前なら気にもとめなかったと思うのだが,今はサファリを6本所有するラミーユーザーになった。しかも,万年筆,ローラーボール,ボールペンとも,サファリは気に入っている(シャープペンは持っていない)。
 となれば,ラミーについて知りたくなるのが道理というもの。サファリ以外にどんな製品があるのかについては,You Tube の「えもちゃんねる」で大雑把には教えてもらっているが,あらためてじっくり確認しよう。
 というわけで,速攻で購入。いつも覗くだけの通行人では申しわけない。買う人になれてよかった。

● ラミーを知ったのは,ご多分にもれずラミー2000によってだった。はるかな昔の話。しかし,手を出すことはしなかった。愚かだった若い頃に(今でも愚かだけども)モンブランの万年筆やボールペン,シャープペンは買った。パーカーにもシェーファーにも手を出した。
 が,ラミーは視界を通り過ぎていっただけだった。そうこうするうちに,ワープロというものが登場し,ぼくはそちらに夢中になってゆき,手書きから離れてしまった。文具全般への興味も消えた。

● それからン十年。ロートルになってから,どういうわけだか手書きに復帰。パソコンに飽きたわけではまったくないけれども,どういうキッカケだったか。そもそもキッカケなんてあったのかどうか。
 ともあれ。そこからノートやペンを色々と買い漁る下品さに染まってしまって,現在に至る。

● ラミーについて言うと,上記のとおり,サファリをここ1年でいくつか手に入れた。万年筆を2本,ローラーボールを3本,ボルペンを1本。サファリ以外のラミーは持っていないし,サファリもこれ以上増やすつもりはない。
 万年筆のインクはプラチナのブルーブラックだし,ローラーボールのリフィルはジェットストリームやサラサに入れ替えているし,ボールペンもアクロインキに替えているから,それでラミーを使っていると言えるのかという疑問がなくもないが,インクをラミー純正のままにしている人はあまりいないだろうとも思う。

● ラミーに限らないのかもしれないのだが,欧州のメーカーはデザイナーの招聘にお金をかけているようだ。「形態は機能に従う」がラミーのデザイン哲学であるとか,バウハウスの影響とかが,解説されている。
 このあたりは研究書も出ている分野だろう。つまり,素人がこのこの気の利いた言葉を聞いてわかった気になっちゃいけないよ,と。

● 日本のメーカーは技術者の採用には熱心でも,製品デザインは社内のチームですませているところが多いのだろうか。和を以て貴しとなす,を標榜する結果,波紋を起こす存在を社に入れることに抵抗がある?
 たぶん,そういった薄っぺら理由からではないんだろうけれども,品質には秀でているのにブランドとして認知されないのが日本メーカーの弱みとは言えるかもしれない。薄利多売の激甚な競争には強くても,利幅の大きい高級品を作れない。
 高価格を納得させる形を生みだすのは,ぼくらが考えるほど簡単ではないんだろうけどね。

● 過去にラミーに注目したことがもう一回あった。リチャード・サッパーがデザインした dialog 1。買っときゃよかったよねぇ。フリマサイトに出ることがあるんだろうけど,けっこうな価格でね。さすがにそこまで出して買う気にはならないもんね,今さら。
 リチャード・サッパーといえば Think Pad のデザインも担当した。ぼくも長年 Think Pad のユーザーを続けているので,彼のデザインのどこかに惹かれているんだと思うんですよ。現行の Think Pad は彼のデザインからははみ出しているというか逸れているけれども。

● サファリについて,「なによりもニュートラルなモダンデザインが気に入っています。使っている姿を見た人に,何か違った印象を与えない安心感がとてもいい」と語っている人がいて,なるほどなぁと思った。
 この境地,見習いたい。これ見よがしにモンブランを取り出すバカにはなりたくないものね。

● 本書が刊行されたのは2019年。その年のサファリの限定カラーは,今年と同じピンク,ブルー,グリーン。
 色合いはもちろん同じではないけど。今年のは明るいパステル。2019年のはもう少しくすんだ感じ。イエローとマンゴーくらいの違いですかねぇ。

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