何度もお邪魔しているけど,まだ何も買ったことがない。そもそもトラベラーズノートのユーザーではない。
駅スタンプと同じように,片っ端から自分のノートに押していこうかと思った。が,このスタンプはあなたのトラベラーズノートに押してねってことでありましょうな。トラベラーズノートのユーザーが,自分のトラベラーズノートをカスタマイズするというか,飾りつけるためのものでしょう。
● トラベラーズノートのユーザーでない人間が,トラベラーズノートではないノートにペタペタ押してはいけないものだろう。ぼくのダイスキンに押してはいけないものでありましょう。ので,グッとこらえました。
というか,ここでダイスキンを取りだすのは,けっこう以上に気が引けたというのが正直なところ。
● トラベラーズノートはそのコンセプトも形も秀逸というか,唯一無二というか,とんがり具合が独特だ。ので,このノートは人を選ぶ。逆にいえば,万人受けするノートではない。
普通の優等生(だった人)はトラベラーズノートを選ぶことはないような気がする。ヘタすると,その存在に気づくこともないかもしれない。トラベラーズノートの方がそういう人を選ばないと言ってもいい。
で,ぼくもその選ばれない方に入る。だからどうということではない。それでけっこうです,ということだ。負け惜しみ半分でそう思っている。
● 万人受けしない製品であることは,供給側もよくわかっているだろう。ので,ユーザーをいい気持ちにさせる言い方を練ってきていると思う。
トラベラーズノートはクリエイティビティに似合うという言い方をズバリではなくても,それとなく多用しているようだし,自由を希求する人,体制に組み込まれることを潔しとしない人,常識に埋没することに抵抗したい人が,トラベラーズノートに相応しい,という持っていき方をしているふうにも見える。
● 自分はそういう人間だと勝手に思って,トラベラーズノートを使い始めてみたものの,やはり使いこなすことができなくて,普通の綴じノートに戻ってきた人が,けっこうな数いるのではないかとも思っている。けっこう,トラベラーズノートは敷居が高そうなのだ。
他に,メーカー側が予め用意した製品群に絡め取られそうで,それも面白くない。
● けれども,トラベラーズノートは色々と妄想を刺激してくれるし,年1回発行の「TRAVELER'S TIMES」がPR誌ながら格調があってしかも面白く,楽しく読ませてもらっている。つまり,色々とトラベラーズカンパニーからもらっている。もらいっぱなしはいけない。
東京駅地下にあるこの店に対しても,毎度毎度,店内を通行するだけの人であっては肩身が狭いというものだ。
しかし,自分が鉛筆を使うことはないだろう。あるにしても,鉛筆もあれやこれやとだいぶ買ってしまっている。これ以上増やすことはないだろう。
● ので,いったんは立ち去ったんだけど,どうも気になって,というよりやはり何か買わないと申しわけないんじゃないかと思って,売場に舞い戻った。買いましたよ,はい。
2,000円(+税)の鉛筆ということになる。チビた鉛筆に消しゴムと真鍮製の補助軸&キャップを付けて,クリップを取り付けただけのものといえば,そのとおりなんだよね。質感とデザインが付加価値なんだろうけどね。
鉛筆と消しゴムは,リフィルと称して,純正品が用意されているが,他社の鉛筆も使える。ただし,長さが7.5cm以下であることが条件。
● ファーバーカステルのパーフェクトペンシルを基準にすると,“削る” がない。ので,パーフェクトではないわけだが,あんなボッタクリ商品の餌食になるくらいなら,こちらのブラスペンシルの方がずっと気が利いている。
ただ,真鍮製の補助軸は250円くらいで売ってるし,真鍮製のキャップもあるんだろうから,それらをチビた鉛筆に装着すればいいだけのことかもねぇ。
それではブラスペンシルほどの質感は出ないのだろうけれども,かといってブラスペンシルを1本だけ持っていてもしょうがないなとも思うしね。
が,価格はどうあれガンガン使えば元は取れる。使わなければ半額だろうと何だろうと,金をドブに捨てたも同然。
で,ぼくは使わないんですよ,ブラスペンシル。たぶん,使わないと思うんだよね。
しようがないな。なぜ買ったのかといえば,トラベラーズカンパニーに対するお礼の気持ちから,ってことだから。
トラベラーズカンパニーにすれば,そんな気持ちで買ってもらっても嬉しくないだろうけどね。使ってくれよってことだろうけどさ。
(追記 2021.08.02)
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