2024年7月4日木曜日

2024.07.04 コレクターの真似事はすまいと思えども

● メルカリやヤフオクを見ていると,よくこの時代の鉛筆がこんなにまとまって,しかもこの状態で残っていたものだな,と思うことがしばしばある。

 文具店を廃業した人がデッドストックになっていたものを出しているのかもしれないし,中には倒産品もあるのかもしれない。


● それらを見て,コレクターの真似事をしてしまうことがあるのが問題だ。そういうものは,その価値がわかっているか,わかっていると錯覚している人のためにある。

 手出し無用と自分に言い聞かせている。ぼくは,基本,使うだけの人でありたい。


● 人には好奇心というものがあるから,放っておくとコレクターの側に行きやすい。文具が好きだとなると,その好きなものを集めてみたくなる。見たことがないものを手に取って眺めてみたくなる。使ったことがないものを使ってみたくなる(使い続けることはない)。

 そうではなく,手元にあるのを使うことに専心するのは,ひょっとすると不可能かもしれないと思うほどだ。少なくとも,意思の力を必要とする(凡百のコレクターになるのに意思は必要ない)。


● だから,コレクターの真似事をしがちになる。少なくともぼくはそうで,その結果,3回生まれ変わっても使い切れないほどの筆記具を抱えることになってしまった。

 手元に届いた瞬間に気がすんでしまうこともあったし,一度使ってみて,はい,わかりました,となったこともあった。というか,ほとんどの場合,そういうことになる。


● 鉛筆は典型的にそうだが,文具というのは何だかんだ言って安いものなので,経済的な参入障壁が極めて低い。コレクターの真似事をしやすい。

 コレクションの愉悦を手軽に味わいたければ,文具収集は格好のものではないか。加えて,文具は知的生産の道具と認知されているから,自分に対しても大義名分を立てやすい。


● ところで,それらの出物(鉛筆)を見ていると,2Hや3Hなど硬いものが多いようだ。どうしても残りますかね,こういうのが。

 もう一つ,ファンシーというか,ディズニーやサンリオ,マリオなどのキャラクター鉛筆が多いこと。児童は好きなんだな,やっぱりね。色々欲しがって買う。買った時点で満足。使わないで終わる。それを親がメルカリに出す。


● けど,これって,基本,大人も同じだよね。子供を叱っちゃいけないよ。アンタも同じことやってるよ。化粧品とか洋服とかさ。

 しかも,その額たるや,キャラクター鉛筆の比ではない。


● まぁ,しかし。ムダとわかってやっているムダは知れている。ムダと思わないでやっているムダが膨大にあるんですよね。

 その最たるものが自己啓発ってやつ。言葉を選ばないで言ってしまうと,バカを啓発してどうなるってんだよ。自分を見切れないととんでもないムダを生む。自分の来し方を反省中。



(追記 2024.07.07)


● コレクターの真似事をしてはいけないと思いながら,ヤフオクでこんなのに応札してしまった。してから,後悔。   
 が,そんな後悔を嘲笑うがごとく,ぼくが想定していた価格の2倍の価格で落札された。

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