笛吹けど踊らずの数年間があったのかもしれない。今は,商戦をしかける側が笛を吹こうとしなくなっている。
● なぜこうなったか。ハロウィンが定着したことでを理由に挙げる識者がいた。
ハロウィンは若者の祭典で,しかもハロウィンとクリスマスの間が短い。
● 若者がクリスマスに参入しなくなった。その結果,クリスマスは爺と婆,乳幼児のいる家庭だけしか参加しなくなった。
若者が参加しない祭典など盛りあがるわけがない。購買力の問題ではない。彼らは勢いをもたらす。
● 今でもクリスマスイブのホテルは満室になり,料金もグッと上がるのだろうけど,以前のような乱痴気はないだろう。
ぼっちケーキなんていう言葉も影を潜めたのではないか。
● 以上の傾向を,ぼくは良いことだと思っている。同一時に皆で同じことをするというのが,そもそも異常じゃないか。
年越しそばなんてのも,どうなのかね。正月のおせち料理も同じ。ぼくは昔からそういうものにはかなり冷淡だった。
● それが日本の伝統,習俗だ,というのも胡散臭い。日本の伝統というのも,近年になってデッチあげられたものじゃないか。
少なくとも,皇室の伝統として知られているもののほとんどは明治維新後にできたものだ。稲刈りをする天皇なんて,明治以前には1人もいなかった。
● というわけなので,クリスマスの衰退はいいことだと思っている。社会の進歩とはこういうことを言うのではないか。
願わくば,ハロウィンなんてのも雲散霧消して欲しいものだ。仮装なんか,やりたければ今やればいいじゃないか。
習俗行事を先取りしてディスプレイするのが,最も早いのが文具店だ。
● 文具店からクリスマスが消えることはないのではないかと思う。赤,白,緑と,インパクトのあるディスプレイをしやすい。
逆に言うと,クリスマスなんて文具店の中にあれば充分だ。クリスマスに限らない。












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