両者の間に差異はほとんどないとの印象を受ける。同じ硬さ,同じ濃さ。2Bと3Bははっきり違うのだが。
● 国産鉛筆と比べると,硬度で2段階は違うというのが常識だが,Faber-Castell 9000番の4Bでも,国産鉛筆のBよりも硬いんじゃないかと言う気がする。
3段階の差があるかもしれない。
● 価格は Hi-uni より高いのだが,品質は Hi-uni が勝る。しかも,明らかに。決して悪い鉛筆ではないのだが,日本製と比べてしまうとかなり分が悪い。
日本に住んでいる人が,輸送コストや諸々の手数料,税金を上乗せされているドイツ製の鉛筆を使うことはない。Hi-uni を使われよ。
いや,ノーマル uni でも Faber-Castell 9000番より良質だと思う。
● 北星のクラフツマンも然り。クラフツマンと比べると,Faber-Castell 9000番のザラつきがはっきりと感知できる。
それがいいのだと言う人もいると思う。しかし、ザラつき好みの人にとっては,Faber-Castell 9000番程度のザラつきでは不満かもしれない。Hi-uni と9800の中間的な感じだからね。
● こう書くと,Faber-Castell をことさらに貶めているように思われるかもしれないけれども,そうではない。9800よりは Hi-uni に近い位置にいるかもしれないが。
かつては Faber-Castell が世界の範だった。が,その時代ははるか昔となった。悪いことは言わない。国産鉛筆をお使いなさい。
しかし,再度言うけれども,悪い鉛筆ではない。価格に見合っていないだけだ。国産鉛筆が良すぎるのかもしれない。
● 同じ4Bでも,Jumbo の方は普通サイズの9000番より濃くて、滑らかさも上のように感じる。Jumbo だと Hi-uni クラスという感じがする。芯が太いと書き味も変わってくるんだろうか。
しかし,一般筆記に Jumbo を使うのは,それこそ一般的ではない。芯径が5.3㎜もある太い芯の,あらかたを削り取ってしまうことになる。
Jumbo は描画用であって,一般筆記に使うのはもったいない。
● STABILO の Opera HB。STABILO もドイツのメーカーだったと思うのだが,このHBは国産鉛筆と2段階も硬度が違うということはない。
が,三菱鉛筆の9800より粗悪だ。これなら,百均にある中華製鉛筆を買った方が気が利いているかもしれない。
● 欧州人はこの書き味でOKなんだろうか。アルファベットしか書かないのなら,こんなもんでいいんだろうか。
ま,このあたりの事情はわからない。ぼくらが気にしすぎなのかもしれないし。
ドイツ製と日本製の鉛筆には,硬度の他に,もうひとつ違いがある。軸の太さだ。ドイツ製の方が細い。あいつらの方が手も大きいし,指も太いと思うのだが,鉛筆は日本製より細いのだ。
バレットキャップはドイツのメーカーが製造しているものだから,ドイツ製の鉛筆にピタリと収まる。日本製でも使えなくはないが,軸の角の塗装は削り取られることを覚悟しないといけない。
● 問題は,このバレットキャップがすこぶるカッコいいことだ。日本製の鉛筆キャップに比べると、はるかに小ぶり。それでいて,ガールのエンゼル5で削った鉛筆でも,芯の先端に当たることもなく,芯を完全に保護してくれる。
ルックスが良くて,機能に優れる。耐性はわからないが,とにかくカッコいい。こういうキャップは,残念ながら,日本にはない。
● このキャップを使うために,鉛筆の品質には目を瞑って,ドイツ製の鉛筆を使うのはありかもしれない。
バレットキャップは,それくらい魅力のある鉛筆キャップだ。
● ちなみに,同じドイツ製でも,Faber-Castell より STAEDTLER の方が軸が細めだ。バレットキャップの抜き差しも STAEDTLER の方が楽だ。
どうせ鉛筆の品質には目を瞑るんだから,Faber-Castell より STAEDTLER の鉛筆を使った方がよい。
● ぼくらにはいまだに舶来信仰の尾ひれが残っているような気がする。万年筆は特にそうだ。モンブラン帝国やペリカン帝国の忠実なる臣民が最も濃く分布するのは日本ではあるまいか。
文具に限らない。音楽や文学,演劇でも,外国のものは高尚で日本のものは大衆的,と区分けする。明治の開国以来の対外劣等感が日本人の通奏低音のひとつになっているのかもしれない。
● もはや,Faber-Castell や STAEDTLER の鉛筆に過去の幻影を見ているのは昭和原人の成れの果てだけだと思いきや,どうも幻想が再生産されている気配も感じる。
一方で,大衆筆記具ともいえる鉛筆,ボールペン,シャープペンでは,日本製は他を制して圧倒的な存在感を放つ。国内の大型文具店は,著名な観光資源のひとつでもある。
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