2024年4月27日土曜日

2024.04.27 普及品と高級品の価格差が小さいのが鉛筆

● 他の筆記具にない鉛筆の特徴は,普及品と高級品の価格差が小さいことだ。ボールペンでも万年筆でも,ガワの材質を木にしたり金属にすることで,価格を釣り上げる理由にすることができる。宝石で装飾することだってできる。本来の機能以外で差別化できる。
 鉛筆は本来の機能で勝負するしかない。

● 木軸の塗装や原木の選択,工法で付加価値を付ける余地はあるが,その割合は限定的だ。基本,黒鉛芯の質が鉛筆の価格を決める。高いと言っても知れた話になる。
 しかも,日本生産の黒鉛芯の品質は世界のトップレベルだ。自社で黒鉛芯まで賄っているのは三菱とトンボだけで,他はオリエンタル産業㈱の芯を使っているのだと聞いたことがある。とすれば,現在の国産鉛筆の高品質を支えているのはオリエンタル産業だと言っていいんだろうか。

● かの BLACKWING が MADE IN JAPAN なのは必然と言っていいのだろう。BLACKWING もオリエンタル産業の芯を使っているはずだ。ぼくの推測によれば,だけど。
 が,まさにその理由で BLACKWING は日本では売れない。3分の1の価格で BLACKWING と同等の品質を備えている鉛筆が複数あるのだから。かくして,BLACKWING は日本の文具店からは全面撤退となった(ネット販売のみ)。

● 普及品と高級品の価格差が小さいならば,鉛筆は高級品を買った方がコスト比較では有利になるのだろう。メーカーにしたって,たとえば三菱鉛筆だったら,9800 よりも uni を売りたいだろう。できれば Hi-uni を売りたいだろう。
 店舗によっては 9800 を置いていないところもある。売る手間が同じなら,そりゃ販売店だってHi-uni を売りたいでしょ。
 が,普及品でも充分な品質を備えているからね,さてさて。

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