2015年2月4日水曜日

2015.02.04 ダイソー的換骨奪胎

● ネットを見ていたら,ダイソーにはロディア風のメモブロックもあるらしい。っていうか,そう言われれば,そういうものをダイソーで見たことがあるような気がする。
 ぼくはダイスキンオンリーだから,メモブロックには食指が動かない。それで気にも留めなかったんだけど(ただし,別のメモブロックを買って伝言メモに使っている)。
 ぼくがダイスキンに群がるがごとく,ダイソーのこの商品を珍重する人がいるだろうことは,当然のこと想像できる。

● モレスキン,ロディア,ロルバーンと,ダイソーがパクリのターゲットにしている商品は多い。コクヨのCampusもそうか。
 その中で,パクリの対象にされたものとの価格差が最も大きいのは,たぶん,モレスキン-ダイスキンだと思う。その価格差がダイスキンの話題性にもなる。

● モレスキンもロディアも好事家(?)の間では人気がある。その人気の理由のひとつに,価格の高さがあるに違いないと思っている(ロディアはそんなに高くもないか)。使いやすいからという合理的な理由に収まりきれないものがあるんじゃないかなぁ,と。
 高価な商品のユーザーである自分。微量だろうけれども,そこに陶酔の気分が入っているのではないか。

● それを,ダイソーが,100円で作るとこうなるよと実例を見せてくれているわけだけど,機能的にはまずまずの製品ができあがる。
 目が粗かったり,仕上げが雑だったり,チープ感が漂ったりはするわけだけど。
 神は細部に宿るのだと言われれば,返す言葉はないんだけどね。

● じつは,世の中の多くのものは,このダイソー的換骨奪胎が可能なのではないか。千円カットの理髪店がそうだし,LCCもそうだろう。
 で,ぼくのように,その方がいいと考える消費者も多いのではないか。

● ただし,それで皆が幸せになれるかどうかはわからない。世にある仕事の多くは,仕事を作るための仕事だったりするわけで,それはそれで意味がないとはいえない。
 たとえば,税金の計算方法や会計処理でわずかなどんぶり勘定を認めてくれれば,企業の多くは大幅に経費を節減できるだろう。税理士や会計士が不要になる。自社の社員だけで処理できる。
 が,不要になった税理士や会計士はどうすればいいのか。

● しかし。さほどに意味があるとも思えない瑣末な厳密性を維持するために,社会全体が負担しているコストは,天文学的な額にのぼるのではないか。
 文具でも,おそらく機能にはあまり関係のない,いうなら余計なことをするのに膨大なコストをかけているものもあるに違いない。それはエンドユーザーの負担になる。
 文具ならば,そんな負担は御免被りたいと思う人は,そうじゃないのを選択できるけれども,税や会計となると,他に選択の余地がない。そこが困る。

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