2015年5月11日月曜日

2015.05.11 『究極のノート術』

書名 究極のノート術
編者 松井謙介
発行所 学研パブリッシング
発行年月日 2015.04.11
価格(税別) 690円

● まず,“プロに学ぶ! ビジネスに差がつく「仕事ノート」の極意”では9人の“プロ”が自分のノートを示して,何をどう書いているかを語る。
 ただし,9人のうちの4人は,ノート術についての著書を持っている人たちで,その4人は語るだけ。

● 次に,石井貴士,横田伊佐男,河野英太郎,工藤浩美,高橋政史の5人のノートコンサルタントが,蘊蓄を語る。
 これだけの蘊蓄が披露されるということが,「究極のノート術」など存在しないという充分な証拠になる。ないものを探しても仕方がない。それぞれが置かれた環境でそれぞれのやり方を探っていくより仕方がない。
 手応えを感じるようになるのは,棺桶に入る直前だったとしても,それはそれで仕方がない。

● 小西康陽さんが,「白い部分に未来への可能性が秘められている気がするんです。ノートもそこが魅力なのでしょう。白紙のページに何かを書きつけたいという衝動がイメージを生み出すのだと思います」(p13)と語っている。
 「白紙のページに何かを書きつけたいという衝動がイメージを生み出す」かぁ。つまるところ,そういうことなのかもしれないなと思った。

● 中村信仁さんが営業マンに推奨するのが「一冊一顧客ノート」。
 「売れない営業マンは,顧客を十把一絡げにしてしまいがちです。お客さん一人ひとりに目を向けることを忘れてしまうと,成績は上がりません」(p24)ということ。だから,だからお客さんごとにノートを作って,お客さんごとの個別性を追求せよってことなんだろう。
 もちろん,そうすれば売れる営業マンに変身できるといった荒っぽい話ではないんだろうけど。

● 神田昌典さんの「フューチャーマッピング」というのも紹介されている。「身近にいる主人公(第三者)が大喜びしている姿を想像することからスタート」し,次に「悩みや問題を抱えている現状の姿を想像する」。で,「その間をつなぐ物語を考える」(p30)というもの。
 「最後には,始める前にはまったく予測していなかった意外な結果に出会えるそうだ」(p31)。95%の人は成功します,ということ。
 どうも憎まれ口をきくようで申しわけないんだけど,残り5%に該当するのが全体の95%じゃないかと思ってしまうね。あるいは,こういうものでうまく行くことって,うまく行っても行かなくてもどっちでもいいことに限られるんじゃないのかね。
 斜に構えすぎですか。やりもしないで。

● 篠原菊紀さんが語っていること(p79)。
 ひとつは,「ルーティン化されるとノートを取ることが無意識な作業になり,脳のメモ帳にも余裕ができてくるので,俗に言う「頭が良くなる」という感覚が得られると思います」。
 もうひとつは,「気軽に使えることと,筆記時のストレスがないことは発想力を高めるには重要」。
 後者に関しては,必要条件ではあっても十分条件ではないよねぇ。あたりまえのことを言って,これまた申しわけないけれど。

● 今村暁さんが語っていること。
 「幸せとは,自分が笑顔でいられるか。まわりに笑顔の人がどのくらいいるか。つまり,笑顔の数で決まるのです」(p99)。幸せの定義としてひじょうにわかりやすい。
 収入の多寡だの,子どもの成績だの,乗ってる車がベンツかカローラかっていうのは,少しばかりは笑顔の数に影響するかもしれないけれども,メインストリームでないことは明らかだ。

● 中島孝志さんが紹介している「ドンブラート法」って,今泉浩晃氏のマンダラートとまったく同じもの。
 ほかにも自分が考えたのだと言ってる人がいたっけな。単純なものだから,同時多発的に複数の人が思いついたって,まったく不思議はないけど。

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