2018年12月27日木曜日

2018.12.27 三省堂書店の文具売場で

● 三省堂書店の神保町本店に行ってみた。若い頃は,ぼくはわりと本を買う人間だった。ので,宇都宮の書店では見つからなかったものは,東京まで探しに行った。
 当時は売場面積が最も広いのは八重洲ブックセンターだったけれども,東京駅に行くという発想はなくて,お茶の水に直行するのが常だった。
 という昔話はさておき,すっかり本を買わなくなって久しいので,ここに来るのも本当に久しぶりだ。隣の書泉グランデがなくなったのは知っていたから,四半世紀にはならないだろうけど。

● で,今回も書籍売場ではなく,まっすぐ3階の文具売場をめざした。エスカレーターを降りると,モレスキンがお出迎え。一番いい場所にモレスキンが置かれているということか。
 時期がら,手帳・ダイアリーが前面に出ている。ほぼ日タイプの1日1ページのダイアリーがあるんだが,これを1年使ったら,必ず背が割れるのではないか。

● ペンとセットになったものもある。ボールペンでリフィルはゼブラの油性。ゼブラの純正でよければ100円で買えると思うが,モレスキンの刻印があるだけで,さていくらになるのだろう。
 ペンとセットで売れればそれに越したことはない。万年筆を使われて,裏に抜けるじゃないか,ここまで劣悪な紙質でこの価格はボッタクリもいいところじゃないか,とうるさく言わせないためにも。
 要するに,商売上手なのだとも言える。ま,何はともあれ,頑張ってモレスキン社に貢いでください,モレスキンユーザー諸君。

● 文具店を大きく2つに区分するとき(しなくてもいいのだが),能率手帳ゴールドを置いているかいないかを,メルクマールにしてもいいような気がする。
 伊東屋にはある。LoFtにはない。書店の文具売場・手帳売場でゴールドを置いてあるところは少ない。が,三省堂書店にはある。

● ゴールドを使うのは企業や役所のお偉いさんというイメージがある。環境に上手く適応してきた人というか,仕事に必死に食らいついてきた人。そういう人が使う手帳というイメージ。
 だから,ゴールドを置いてあるところは,そういう人たち,保守派・伝統重視派,がやってくるお店なのだろう。その代表は丸善でしょ。

● ところが。インスタを見ていると,その辺のアンチャンやネーチャンが普通にゴールドを使っているようでもある。
 たぶん,お偉いさんはインスタには手を出していないんだろうけど,“ゴールド=エグゼクティブ”というわけでもないのかもしれない。

● ではあっても,ゴールドを置いてあると格式が高いという感じを受けてしまうのは,ぼくがミーハーだからか。
 ぼくも30年来の能率手帳ユーザーだけれど,ゴールドを使ったことはない。これからも使うことはない。自分にはあまりに分不相応。
 が,そう思ってしまうこと自体が旧守派的というか,アンシャンレジームの体現者というか。その辺のアンチャンやネーチャンの方が,フットワークが軽くて,知的水準も上位ということになるかもしれない。

● 手帳探しにうつつを抜かしているバカよりは,能率手帳(でなくてもいいのだが)1本という人を信用してみたい。手帳本をいろいろ読んで手帳探しの参考にしようとしている時点で,何というか,オトトイおいでと言われても仕方がない気がする。
 ちなみに,ぼくは手帳本をいろいろと読む方だが。

● もっか流行っているかに見えるバレット・ジャーナルもそうで,あれは勧めている側が儲けているだけではないか。勧められてどのノートがいいかなとウロウロしているのは,しょせんカモ的大衆。大衆はいつだってカモにされる。そろそろ気づけよと言いたくなる。
 他方で,バレット・ジャーナル本に乗って,あれこれホザいている文化人(?)は信用しないことにしている。モレスキンを推奨する連中も同様だ。自分の口に糊するために,バカな大衆をダシにして恥じないやつらだ。
 ま,やつらもモレスキンを扱っている文具店も,喰っていくために大変なんだと思うけど。

● モレスキンを扱っている店では何も買わないことにするか,と心の狭いことをチラッと思った。来年から実行するか。まず,モレスキンを扱っているかいないかを確認し,扱っている場合にはそこでは何も買わないことにする,と。
 といって,そもそもぼくは買わない人なんだけど。ダイスキンと千円万年筆で充分で,他は要らんと思っているんだから。

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