2024年7月30日火曜日

2024.07.30 鉛筆のプラスチック製ダース箱

● 昔のMONOのプラ製ダース箱。中に入ってるのは8900の2Bだけど。
 蓋の表面が凹んでいるので,中の鉛筆と消しゴムを取り出して使っている最中はペン皿になる。メーカーもペン皿として使ってもらえるように,この形状にしたのだろう。

● ぼくは中の鉛筆を取り出さずに,そっくりそのままペン皿(鉛筆皿)として使っている。便利なものだ。
 その代わり,このダース箱ごとカバンに入れて持ち歩くと,簡単に蓋が外れてしまう。輪ゴムでとめる必要あり。自宅の卓上に置きっ放しにして使うものでしょうね。

● ぼくが子供の頃は,旧石器時代の話をして申しわけないのだが,ユニやハイユニのケースを筆箱代わりにするのが憧れだった。しかし,記憶をたぐってもしんなことをしていたクラスメートはいなかったような気がする。
 買ってもらえるものじゃなかったからね。第一,田舎のよろず屋ではそんなハイカラなものは売っていなかった。

● ユニやハイユニを手に入れるには町に行かなきゃいけなかった。町に行くと,文房具だけを扱っている専門店があるんだよ。えっ,本当か,すげえなぁ。
 そういうものだった。加えて,町に出ても手を出せるようなシロモノではなかったのだ。

● ぼくが長年の夢を実現できたのは,社会人になってからだった。この頃になると,さすがにユニもハイユニも相対的にだいぶ安くなっていて,パンピーでも買えるようになっていた。
 問題は,こちらが鉛筆からすっかり離れてしまっていたことで,ハイユニのプラケースを筆箱代わりにはできたけれども,それを鞄に入れて持ち歩くことはなかったと思う。

● 今の小学生はどうなんだろうか。ミッキーやキティちゃんをあしらった筆箱に飽きる4年生くらいになると,ハイユニのプラケースをランドセルにしのばすようになるんだろうか。
 何となくだが,そういうことはやっていないような気がする。プラケースは単なる鉛筆のダース箱であって,筆箱の代わりにするなんてことは考えもしないんじゃなかろうか。

● 諸行は無常。ユニもハイユニも,もはや特別なものではなくなっている。
 彼らの興味はクルトガダイブや,下手するとモンブランやペリカンに向かうのでは。ませるのが早くなっているような気がするね。

● そうして,人生は楽より苦に満ちているものであることを悟り,もはややり直しはできないと知らされる年齢になってから,彼らの一部は鉛筆に舞い戻るのだろう。
 そのときにユニやハイユニがあれば,そのプラケースをそっと筆箱の代わりに使う人も出てくるのだろう


(追記 2024.08.14)

● MONOのダース箱に代えて,帝国劇場サブレ(もらいもの)の蓋をペン皿に。
 ペン皿からしてカオスであります。整理整頓の神は,ぼくのところには降臨しない。

2024年7月28日日曜日

2024.07.28 伊東屋池袋店で

● 伊東屋池袋店。池袋に来たのでね,寄ってみた。ぼくが寄ることのできる店というと,文具店とか書店とか,口を開かないですむところになりますんでね。
 ところが,近頃は学童用品しか見なくなっているから,伊東屋はぼくにはオーバースペックということね。

● 仮に買うとすると,やはり鉛筆くらいしかない。学童用品の売場には,三角定規とかコンパスとか筆箱とかもあるけれども,さすがにそういうものは使わないのでね。
 鉛筆も再来世分まであるけれど,買ってしまうのをやめられない。ひとつには,財布があまり痛まないこと。鉛筆って安いから。

● もうひとつは,とにかく毎日使っていること。毎日使っているのだから,とにかく少しずつ減ってはいく。いずれは全部が消えるのではないかとどこかで思ってしまう。
 自分がいつまでも生きていると思ってしまうんですね。寿命をヴィヴィッドに感じることがまだできないんだな。

● 現在の伊東屋ブランド鉛筆は次の3種になるんだろうか。以前には「ROMEO-No.3」の鉛筆もあったが,現在は見かけることがなくなった(メルカリで買って,何本かは持っている)。
 ①紙のダース箱にはいったやつ
 ②プラケースのユニスターべースのもの
 ③Helvetica に変わったイートンペンシル

● ①は買ってある。②を買うくらいなら,ユニスター買っとけよ。③は先代のが50本ほどある。
 ので,何も買わず。ただし,③の質感にはちょっと気持ちが動いた。特に赤。

2024年7月27日土曜日

2024.07.27 いくつかの鉛筆

● 三菱9800。Matured の上2本と下の2本では印字が違う。下の2本は〄が別の側面に印字されている。
 Patented もそうだから,上の方が新しいのだろうけど,詳しい人はもっとたくさん見えるものがあるんでしょうな。

● 三菱5406。FOR SCHOOL,簡明直截でいいですなぁ。惚れちゃいそうですよ。

● これは何だ? 墨付け鉛筆のTajimaとトンボの共同開発製品ということですか。

● 三菱の2800。“かつらぎ町内小学校陸上競技大会”。昔はありましたねぇ,こういうの。今は田舎だと小学校の統廃合が進んで,小学校は町内に1つしかなくなったから,こういう行事も消滅したんだと思うんだけどね。
 ちなみに申すと,ぼくはこの種の行事が大嫌いな子供でしたね。

● 素人写真では分かりづらいんだけども,HBは金文字,Fは銀文字。
 硬度によって色を変えてたのか,そうじゃなくて一斉に変えたのか,それはいつか。そういうのはメーカーもわざわざ記録は残していないだろうから,素人探偵が暗躍できる分野だね。

● この鉛筆は野村證券のノベルティ。かすかにトンボのロゴが残っている。
 元になった鉛筆は,当時の8900か8800だと思うんだけども,こういうふうになると風格を帯びて来ますな。人間だと,齢をとっても風格を帯びることは極めて稀だけど。

● こちらはトンボの8900。〄があるので前世紀に生産されたものだけれども,H.O.P.(Harunosuke Ogawa Pencil)をずいぶんあとまで使っていたんだな。
 現在でも創業者の子孫が経営のトップにいる。正直,創業者一族からずっと人を得続けるのは無理だよね。
 今の兵庫県じゃないけど,大バカを撒き散らすトップと,社員の間に挟まれて,自殺したくなるほど苦悩した幹部も過去にはいたのではないかと拝察つかまつる。

2024年7月25日木曜日

2024.07.25 個体間差異の少ない鉛筆にもこだわりは生じる

● 鉛筆で文字を書いていると,鉛筆にこだわるのは無益なことだなという気がする。現在使っているのは,自分が昔使いかけにしたものだ。三菱の 9800EW,トンボの ippo! など。安い普及品だ。
 巷には BLACKWING や Hi-uni など,もっと高品質の鉛筆があまたある。鉛筆だから価格はしれているのだが,一方でダイソーで4本組で110円で売られているものであっても,安かろう悪かろうという時代ではとっくにない。

● 安くても不満を感じることはない。高級鉛筆をと呼ばれるものは何種類か持っていて,いずれ使うことになるはずだが,早く使ってみたいとはまったく思わない。
 9800EW や ippo! で何も不足を感じないからだ。ippo! は児童向けのかきかた鉛筆だが,今の児童はいい鉛筆を使っているなと思う。

● ぼくが子供の頃に使っていた鉛筆はもっとザラザラした書き味だった。その頃の鉛筆も大量に抱えているので,時々,引っぱりだして使ってみるのだが,あえてわざわざ使ってみるほどのものでもない。
 ただし,人には好みという摩訶不思議なものがあって,硬質でザラザラした書き味を良しとする人もいるだろう。ぼく自身,それはそれでいいものだくらいには思っている。ノスタルジアも与っているだろうけど。

● 万年筆は,メーカーによって,というよりも同じメーカーでもシリーズによって,持った感じや書き味がかなり違うものだが,鉛筆は万年筆ほどの差はない。
 第一,軸の太さはどれも同じだ。国産と海外産では若干違うし,国産鉛筆でも70年前のものは今よりわずかに太いものがあったようだが(経年劣化で軸が浮いてしまったのかもしれない),基本,メーカーを超えて軸の太さと長さは同じだ。
 芯の成分や製法も基本は大昔に完成している。大きくは変わりようがないわけだし,仮に変わることがあれば,それは鉛筆とは別の筆記具になっているだろう。

● しかし,その枠の中で,メーカーは研究開発と創意工夫を重ねてきた。その結果ゆえか別の理由によるのかはわかりかねるが,世の中には三菱の9800しか使わない人や,uni(Hi-uni ではダメ。ノーマルの uni)しか使わない人,トンボの MONO100 オンリーの人もいると聞く。あるいは,ケロさんのようなコーリン鉛筆フリークもいる。
 ぼくのような凡俗の徒には,彼らがなぜそうなったのか見当がつかないのだが(正直に言うと,大した理由があってのことでもあるまい,と思っているのだが),特定のメーカーや特定の鉛筆にこだわる人がいるという事実が存在するのは面白い。

● どの鉛筆もまったく同じということはないわけなので,“この1本” に拘ることも,そりゃあるんだろう。現行製品に限れば,万年筆ほどメーカーも種類も多くはないから,とりあえず全種を試すこともできるだろう。
 過去の製品も比較的入手しやすいから,よほどの暇人はそれらも試してみればよろしかろう。

● 要するに何が言いたいのかというと,鉛筆のような個体間の差異が少ないものでも,こだわりを持とうと思えば持ててしまうということだ。どれだけ微細な差異にこだわれるかを競争しているように見えることもある。
 愚かにも見えるが,人間はこだわりたい生き物なのだろう。ホモ・コダワリンス。それあるゆえに,芸術や分類学も成立するのであるから,あまり揶揄してはいかんのだが。

2024年7月24日水曜日

2024.07.24 Campus Junior Pencil で良し

● この10日間,使い続けたコクヨの Campus Junior Pencil。途中,鉛筆を買ったが,結局,こちらを使っていた。
 本格的に使ったのは今回が初めて。けっこう以上に使いやすかった。
 芯は0.9㎜。長めに出しても芯が折れる気遣いは無用。字を書くだけなら,シャープペンは安くて軽い鉛筆シャープでよろしい。

● が,帰ってからも使うかと問われれば,答えはNo!
 これは鉛筆が使えないときの緊急避難用。筆記時の安定感で鉛筆が勝る。

● ただし,鉛筆は鉛筆単体では完結しない。環境が整っていなければならない。キャップやら補助軸やら鉛筆削りやらの補装具が揃ってないとね。
 現地で鉛筆を買ってもほぼ使わずじまいだったのも,それが理由。

● 特に鉛筆削りが重要で,携帯用ではどうもシックリ来ない。単純に慣れの問題かもしれないけどね。
 あるいは,好みの問題。つまり,角度の好みね。角度を調整できる携帯用削り器もあるが(100円ショップにもある),どうしても大型になるので携帯にそぐわない。
 鉛筆削りなど使わないでナイフで削れば問題解決なのだが,猿より不器用だと自認しているのでね。まぁ,削り器を使うのが無難でしょう。

● ゆえに,鉛筆は主には自宅で使うことになるが,環境ごとペンケースに入れることはできるはずなので,試行錯誤してみるかと思案中。
 肝心の削り器だけは携帯用で妥協することになりますけどね。


(追記 2024.07.24)

● はい,こういう感じで,筆記環境は自宅が一番。あり得ないほどカオスではありますが。

2024年7月23日火曜日

2024.07.23 ホテル備付けの筆記用具

● ホテル備付けのメモパッドとボールペン。持って帰りたいと思わせるのは,そんなにないよね。
 “書く” という行為に関してはかなりのところまでカスタマイズされたスタイルを各個人が持っているだろうから,ちょっとでも合わなければ気が動かない。タダでやると言われても,いや要らんよ,となるでしょ。

● 那覇で3つのホテルに泊まってみたんだけど,これは「リーガロイヤルグラン沖縄」のもの。
 細身のボールペンと小さめのメモ紙。文字どおり,ちょっとメモしておくためのもの。本格的に書くためのレターセットのようなものもあったのかもしれないが。


● 「沖縄かりゆしリゾートEXES那覇」の客室にあったメモパッド。このタイプが一番多いですかね。
 当然ながら,卓上に置いて使うもの。持って帰りたくはならないやつ。

● この種の備品って,どんどん重厚さをなくす方向で来てますよね。盗難被害を少なくするため?
 ホテルに泊まっててどうにかならんのかと思う第一は,髭剃り用のカミソリなんだけど(どうにかなってるところもある),二番目がこれかな。自宅で使ってるのより安っぽいものを何でホテルで使わなくちゃなんないんだよ,って。

● デスクのないところも増えた。ホテルでは “書く” なんて無粋なことはしないで,ゆっくりお寛ぎ下さい,と言われてる気分になる。
 無粋で悪かったな,と拗ねてやるぞ。寛ぐための手段が書くことだって人間もいるんだよ,ってさ。
 まぁ,しかし。その方向は間違っていないとは思いますよ。

● 「Southwest Grand Hotel」のメモパッド。ボールペンは三菱鉛筆の BOXY100。メモ紙は8cm四方の画用紙並みの厚さのが4枚。
 やはり,欲しくなるものではない。

● ということで,この種のホテルの備品は緊急避難的に使うもの。普段使ってるものを持ちこむのが吉。
 筆記具も然り。というか,筆記具はメモパッド以上に然り。

2024.07.23 沖縄県立博物館・美術館

● 沖縄県立博物館に来た。地元の県立博物館には一度も行ったことがないのだけど,沖縄県立博物館はこれが二度目。
 つっても,展示は観ないんだよね。目的はミュージアムショップ。
 で,前回も買った測量野帳を買いましたよ。入国スタンプも押してくれる。日付はないけど。

● あと,こんなのも。『高等学校 琉球・沖縄の歴史と文化』。沖縄ではこういう授業が選択科目の中にあるんですか。
 沖縄の高校生がどれほど熱心に学んでいるかといえば,失礼ながら,あまり興味を持たないんじゃないかと推測する。爺たちが笛を吹いても若者は踊らん。

● 人間が歴史を振り返る以上,必ず偏向が生じる。客観的とされる事実を解説するだけでも,説明文の長さ,単語の選び方に解説者の主観は現れる。
 ゆえに,こういうのをあまり真に受けてはいかんと思っている。距離を置かないとね。
 その上で,沖縄の高校生と同じ程度の熱心さで読んでみようと思うよ。

● 沖縄ではこういう催事が行われてるんですねぇ。今年で18回目というから,だいぶ続いている。
 大昔から琉球列島と朝鮮半島の独自の交流があったんでしょうかなぁ。中国や台湾,奄美諸島ならわかるんだが,古代の海洋交流は相当広域に及んでいたんですかな。

● こちらは博物館の敷地にある沖縄の伝統家屋。畳の部屋と板敷きの縁側。
 瓦の色や屋根の勾配以外に,日本家屋との違いが那辺にあるのか。日本家屋も基本的に夏対応だから。
 沖縄でも本土でも,こういう家に住めたのは庄屋さんとか大店の旦那さんですかね。ぼくの祖先は住めなかったと思うな。