2013年12月22日日曜日

2013.12.22 『文具自慢』

編者 秋葉俊二
発行所 扶桑社
発行年月日 2014.01.01
価格(税別) 790円

● 文具を対象にする雑誌が増えたし,普通の雑誌でも文具特集をしばしば組んでいる印象がある。けれども,ぼく一個に関しては,文具への関心は薄れる一方だった。

● 理由ははっきりしていて,ワープロ,パソコンの普及にある。ペンでノートに何かを書くっていうそれ自体が生活から消えてしまった。
 文章はパソコンで書く。メールとかLINEも使っているけれど,それはスマホで書く。手紙なんかまったく書かなくなっちゃった。

● ところが,今年の6月からノート+ペンを復活させた。パソコンから少し離れてみることにした。こうしてブログなんか書いているんで,まったくアナログに戻ったってことではないんだけど。
 そうすると再び,文具への関心が少し湧いてきたような。

● 若い頃の文具ってのは,恥ずかしながら,ステータスシンボル的なものでしたね。モンブランやクロスの万年筆とかボールペンとか,とにかく飾るために持つ的な。アクセサリーとしての文具っていうか。
 その姿勢って,完全には葬り去れないと思うんだけど,只今現在は実用で選んでいる。

● といっても,ノートとボールペンだけなんですけどね。ノートは無印良品の「開きやすいノート A6・横罫・96枚」。300円。それにコレクトの1,100円のノートカバーを被せて使用。表紙が厚いのと96枚の厚さが気に入っている。つまらぬことをウダウダと書くので,ある程度のボリュームがあった方がいい。
 ボールペンは三菱のジェットストリーム。0.7㎜の黒。100円ちょっとの品ですよね。ペンはいくつか買ってためしてみたんだけど,ジェットストリームに落ち着いた。
 これだけ。あとは本を読むのに付箋を使うんで,百円ショップで購入。

● 高級品の実物をいろいろ見たければ,とりあえず伊東屋に行けばいいですな。文具好きなら豊かな時間が過ごせますよね。夢も見れるしね。
 女性が(たとえば)ティファニーを好む理由が実感できたりもする。

● 以下にいくつか転載。
 思考が残らないほうが良いものはパソコンでって考え方ですね。(中略)悩んだ軌跡が残せるのは手書きの良いところだと思っています。(宇田丸 p17)
 スクラップしても,いらないと思った時点でそのページは破って捨ててしまい,だいたい1~2週間で一冊使い切ります。その間に具体化しないということは,もうその企画は死んでいるということ。そのくらいのスピード感でやらないと,おもしろいものは生まれてこないんです。(テリー植田 p64)
 顔もファッションも完璧な男性がいても,文具がノベルティだったら何にもひっかかりません。別にモンブランのペンを揃えてほしいということじゃないんです。ほんのちょっとのこだわりが,その人の奥行きを感じさせるんです。(菅未里 p71)
 彼女は文具ソムリエと紹介されている人。職業がらそう言いたくなるのはわかるんだけど,ついでにいうとそういうことを言いたがる女の人ってけっこういるんじゃないかと思うんだけど,実用に徹すると,ノベルティを排除する理由はないことになる。
 ぼくの場合も,いくつか試してみて,最終的に残ったジェットストリームの0.7㎜はノベルティだったんですよ。最後に試せたノベルティ製品がとても良かったんですね。自分で買った0.5㎜と芯を入れ替えて使っているけどね。

● 文具が好きすぎてつくっちゃいました,っていう紹介記事もある。
 宮坂弥さんの「伊葉ノート」は面白いと思った。開くと四角ではなく扇形になる。人間工学的には合理的なんだろうね。でも売れないだろうな。保存に不便だから。
 佐川博樹さんの「スライド手帳」も工夫の一品。ページをめくるのが煩わしい,だったらスライドさせればいいじゃないか,と。でも,やはり売れないだろうな。これ,システム手帳なんだけど,スライドさえるためには,その都度リングを開かなくちゃいけない。ページをめくった方が早くないですか。

2013.12.22 別冊宝島2105号-成果を出している人がやっている超手帳術2014

編者 井野良介
発行所 宝島社
発行年月日 2014.01.12
価格(税別) 933円

● 43人の手帳とその使い方をインタビューして掲載。かなりの力作だと思う。

● どんな手帳を使うか。どう使うか。人の数だけ答えがある。
 忙しい人と暇な人(正確にいうと,自分は暇だと思っている人はいないもので,忙しいと思っている暇な人,ということになる),男性と女性,営業職と事務職,学生と社長さん,その他,その他。それぞれ,違って当然だもんね。

● しかし,なんですね,手帳を使いこなすっていうのは,幻想ですかねぇ。ここに登場する人たちも,まだまだ工夫の余地があると思っているんだろうなぁ。
 完成形はないものでしょうね。むしろ完成を目指してはいけないものですか。ほどほどのところで良しとしておかないと,労力が効果に見合わないものになる。完全指向はストレスを産むだけでしょうかね。

● ぼくは,ずっと「Bindex」のウィークリーを使用している。管理を要するほどのスケジュールは抱えていない。いわゆるログを記録している感じ。
 いまどきだと,たいていのところでは,ネット上に自社用のグループウェアを用意しているだろうから,基本,それを使うことになるし。

● 手帳とは別にノートも携帯している。だったら,手帳は要らないかなと思うことはある。スマホも使ってるんだから,デジタル化しちゃってもいいよな。
 ところが,そうはいかない。紙の一覧性,取り回しのしやすさ,機動性は,たぶんデジタルをしのぐだろう(デジタル化したことがないから,比較はできないんだけど)。

● 紙の手帳で唯一心配なのは,生前に処分できるかってことだけだ。手帳,ノート,蔵書。そういうものは遺族に残しても迷惑なだけだと思っているので,生きてるうちに処分しなきゃいけないんだけど,どうもできる自信がない。