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2026年8月7日金曜日

2026.08.07 オリエンタル産業の「カーボン鉛筆」について

● 右の写真はオリエンタル産業のカーボン鉛筆なんだけれども,オリエンタル産業は企画と販売だけで,製造しているのは太陽鉛筆だったっぽい(芯はオリエンタル産業だろうけど)。MADE BY T.P.C.とある
 オリエンタル産業の名前がどこにも出て来ない。Toyoと印字されているのが,東洋→オリエンタル を連想させるだけだ。

● ここまで自社の名前を消すのは何でなのかね。太陽鉛筆は自社の顧客でもあるから,太陽鉛筆に忖度した? 芯製造のみに特化しつつある時期で,自社名を表に出すメリットもなかった? OEM の供給元の名は表に出さないのが今は常識だけれども,昔は・・・・・・
 ともあれ,鉛筆としては非常に優秀。そりゃそうだよ。芯メーカーが出してる鉛筆なんだよ。

● こちらもオリエンタル産業のカーボン鉛筆だが,ダース箱にはオリエンタル産業とわかりやすい大きさの文字がある。
 中身は ELITEⅡ。これも T.P.C.つまり太陽鉛筆が製造している。ダースで買えばオリエンタル産業が販売しているものだとわかるのだが,バラで購入すると,鉛筆本体にはオリエンタル産業を匂わせる記載は何もないから,太陽鉛筆の製品なんだなと思って終わる。

● 実際,ぼくも先にバラで入手したから,ELITEⅡ は太陽鉛筆の製品なのだと信じ込んでいた。その後,ダースで入手したときには,中身が ELITEⅡ だったので,中身を入れ替えたのかと思ったくらいだ。
 ダース箱には逆に太陽鉛筆は出て来ない。この齟齬が妙に落ち着かない気分にさせる。

● ただし,このマークだけは鉛筆本体とダース箱のどちらにもある。T.P.C.を図案化したものだと思い込んでいたのだが,Tには意味がなく,カーボンペンシルのCPを図案化したものなのだろうか。
 そう考えると辻褄が合ってくる。太陽鉛筆の製品にこのマークはないんだし。このマークがあるものはオリエンタル産業が販売しているカーボン鉛筆なんだよ,と。

● カーボン鉛筆と言いながら,これらの鉛筆の芯に木炭粉が使われている形跡はない。普通の黒鉛鉛筆だ。
 カーボンペンシルは,一般名詞ではなく,オリエンタル産業の製品ブランド名なのだと理解するほかない。というか,これはブランド名だ。

● いずれにしても,太陽鉛筆はすでにないのだし,カーボン鉛筆も過去のものだ。
 今となってはこれを云々すること自体に意味はない。意味はないんだけれども,妙に気になったものでね。

2025年12月20日土曜日

2025.12.20 オリエンタル産業の TWELVE BLACK PENCILS

● 先日,北千住の神谷商店で購入したオリエンタル産業の TWELVE BLACK PENCILS。F〜10Bの12硬度のアートセットのようなもの。用途も基本は描画用になると思う。価格は3,300円。
 軸の太さは普通の鉛筆と同じ。芯は普通の鉛筆の約2倍。そのせいだろうが,普通の鉛筆より重さがある。

● 箱は紙製だが,樹脂より丈夫なんじゃないか。筆箱にしたい。
 上箱が外れないように輪ゴムをかける必要があるけどね。

● これで文字を書きたい。3.9㎜芯を手なずけたい。
 HBを使ってみたのだが,三菱鉛筆に当てはめるとBに近い。書き味は,何というのか,化粧していない上質さ,とでも言うか。これで3,300円なら高くない。

● 硬度別の販売もしてもらいたいが,それは難しいのだろう。大人の事情というやつもあるかもしれない。

● が,諸君。BLACKWING なんか使っているのなら(あれも芯はオリエンタル産業のものだが),こちらを買え。控えめに言ってもコスパは倍以上になる。控えめに言ってもだぞ。
 ANGERS に行けば買える。Amazon にもあるけどね。


(追記 2025.12.24)

● 本文の記述はやや舞いあがったものになっているかもしれない。他の鉛筆に比べて際立っているかといえば,そういうわけのものでもない。
 1本275円もするわけだから,BLACKWING の半額だとはいっても,Hi-uni のより百円高いわけだ。

● 文字しか書かない人が,あえてこの鉛筆を使う理由はたぶんないだろう。北星鉛筆のクラフツマンでいいんじゃないかと思う。
 問題は,クラフツマンも12硬度セットは買えるけれども,高度別な販売は事実上されていないことだが,TWELVE BLACK PENCILS もそこは同じ。

● 3.9㎜芯を手なずけるところまでは行っていない。まだちょこっとしか書いていないので,芯がまだそこまで丸まっていない。全然,使い込みが足りない。
 これは長い目で見ていかなきゃしょうがないという感じね。手なずける気力が萎えてしまう可能性もかなりあるな。

2025年12月17日水曜日

2025.12.17 北千住の神谷商店

● 昨日,ANGERS Ecute上野店を覗いてみたんですけどね。ANGERS に来るたびに買うかと迷うのがオリエンタル産業の TWELVE BLACK PENCILS だ。
 芯の太さが3.9㎜もあるんだから,この鉛筆は画材だと考えるしかないが,どうにか手なづけて文字を書くのに使ってみたい。そう思わせるオーラを放ってますよ。

● けど,そうできる自信がない。人には分相応ということもある。今回も指をくわえて見送り。
 自分には縁のない,遠いところにある鉛筆だなと思う他ないな。

● ところが,今日,北千住の駅前通りと旧日光街道の角にある神谷商店という文具店に行ってみた。
 入ってはみたものの,問題は買うものがないことでね。だってね,ぼくは字を書くだけだから,ノートと鉛筆があればすんじゃうわけですよ。そのノートと鉛筆はすでに売るほどある。

● しかし,買うとすれば鉛筆しかないなと思ってね。STAEDTLER と Faber-Castell があったので,Mars Lumograph や Tradition の4Bをピックアップしてレジに行こうとした。
 ら。オリエンタル産業の TWELVE BLACK PENCILS が1つだけあるじゃありませんか。ので,それを買うことにしました。
 というわけで,ひょんなことから TWELVE BLACK PENCILS を入手することになった。入手してしまうと,熱が退いていく感があるのはいつものごとし。

● あと,0.7㎜の替芯。「鉛筆屋のシャープペン」には,替芯はパイロットのナンタラを使えと書いてあるじゃないですか。
 何を使おうとこっちの勝手だろってことながら,パイロットのはオリエンタル産業が製造してるんでしょ。ならば,ついでにということね。

● この店は知ってはいたんだけれども,敷居が高いというか,自分のような者が入っていいんだろうかと思うわけですよ。だいぶ昔から店を張ってそうだからさ。
 が,今日は入ってみたよ,と。一家言ありそうな店主だったらどうしようとか思うわけだけど,たいてい,そんなことはないんですよね。
 いたって気さくで腰の低いことが多いんですよ。だって商売人なんだから。

● 狭い店内に製品がぎっしり詰め込まれていて,通路は狭い。すれ違うことはできない。倉庫のようだ。
 弘前の平山萬年堂もそうだったけれども,売りたいのは万年筆のようだ。セーラーの長刀研ぎがあった。

● 学用品も扱っている。町の文具店は学用品を欠かすことはない。それはできないんでしょ。売りたいものだけ売ってればいいなんてことは許されない。学童に勉強道具を提供することは,まず期待される文具店の役割だろうから。
 同様に売筋のボールペンなんかもある。利幅は小さくても欠かすわけには行かないんでしょう。

● 測量野帳も置いてある。SKETCH だけではなく,LEVEL も。この狭さで測量野帳を置いているところを,他に知らない。
 文具店の求められる役割を果たしながら,特長も作ろうとしているように見える。業界で評判の店も見に行ってるのはもちろん,日々研究なのだろうな。
 その根底にあるのは危機感であろうけれども,この言い方は失礼極まりないのだが,危機感を持ててるうちは安泰なのではあるまいか。

2025年8月16日土曜日

2025.08.16 Hi-uni,ELITEⅡ,MONO100

● これがメルカリに300円で出ていたのでポチってもうた。そりゃ,ポチるでしょ。国産の高級鉛筆を拾えるようなものですよ。持ってけ,ドロボー,ですよ。
 使えるかどうか。この鉛筆まで辿り着けるかどうか。そういうことは考えずに,脊髄反射でポチりましたよ。

● 太陽の ELITEⅡは両切りだったはず。後に頭を丸めたんですな。
 この鉛筆の描き味は相当いいですよ。アイボールの Hi-new と同等品になるんだろうけど,ぼくは Hi-new よりこちらが好み。

● これらが現行品なのかどうか,ぼくは知らない。現行品であろうとなかろうと,入手の方法はメルカリくらいしかないと思うんだけども(メルカリにはけっこう出てくる感じ),すべてノベルティ。ノベルティじゃないのは1本も持っていない。
 逆に,Hi-new は樹脂製のダース箱に入ったものばかりで,ノベルティになったのは持ってない。

● 芯はオリエンタル産業だと思う。オリエンタル産業の芯がどれほど使われているのか。
 文具店には三菱とトンボしかないんだから,国内ではそんなには使われていないはずだが,BLACKWING は間違いなくオリエンタル産業だからね。世界で使われていることは間違いない。
 BLACKWING がどれほど売れているのかは知らないけどさ。

● MONO100 の書き味についてはここでは云々しない。ひとつだけ文句(?)を言うと,金属リングをもう少し端に寄せてくれんか,こっちはギリギリまで使いたいんだから,と思っていた。
 だけども,要はカツラが Hi-uni より長いだけだったんですか。どうも,そうっぽい。

● uni,Hi-uni の衝撃は同業他社に対しても大きかったようで,各社が追随する。色も似せている。
 が,さすがに全く同じではなく,赤味を強めているもの,茶に寄せたものなど色々だが,トンボだけは黒。
 この黒もよろしいな。MONO にもユニ色のがあって,マニア垂涎。とまでは行ってないけど,MONO は黒でよろしかろう。

● 唯一,黒にすると,印字がゴチャゴチャと煩いと感じてしまうところがなくもないんだが。
 しかし,MONO100 の黒は深みがあって素敵じゃないですか。ジッと見ていたくなる黒ですよ。

2025年4月30日水曜日

2025.04.30 Hi-uni パワー

● リアルの女児が使いかけにした鉛筆をメルカリで入手して使っているわけですが。かなりいい鉛筆で,Hi-uni と比べても遜色ないじゃん,とか思うんですよ。
 が,短くなって,ハンドル式の鉛筆削りでは削れなくなると,携帯用の鉛筆削りを使うようになり,それも使えなくなると手削りするようになる。

● すると,Hi-uni パワーを実感することになるんですね。Hi-uni の芯が折れにくいことがわかる。
 芯は硬いのにタッチが軟らかい。おぉぉっと思うわけです。芯の減りも少ないわけで,やっぱ,Hi-uni,ダテじゃねーなぁ,と思うんですよ。
 が,そこに到るまでは,さほどに差を感じることはない。

● ただし,その機序は素人にはわからない。黒鉛を増やすと芯は軟らかくなるんでしょ。
 Hi-uni の黒鉛含有量の多さは匂いを嗅いでみればわかる。なのに硬い。

● 上の2本の鉛筆の芯は,おそらく,オリエンタル産業のものだと思う。芯の製造・開発に特化したオリエンタル産業の技術は三菱やトンボのそれをすでに凌駕している,と思ってたんですけどね。
 ちょっとお待ちなせぇ,そーじゃねーんですよ,ってことか。

● オリエンタル産業の最上品は BLACKWING に使われている芯だと思うのだが,Hi-uni や MONO100 の芯と比べて,さてどうですかね。
 高品位になるとどれも似てくるから,同じように感じてしまうんだけどね。

● ちなみに,BLACKWING と北星クラフツマンの芯は,まったく同じか非常に近いもの。
 なので,BLACKWING の幻惑商法にいちいち踊っていないで,黙ってクラフツマン使っとけ,と憎まれ口をききたくなる。BLACKWING の消しゴムなんてどうせ使わんでしょ。

2024年11月10日日曜日

2024.11.10 三菱やトンボは自社製品のすべてに自社製芯を使っているんだろうか

● 国内にはいくつかの鉛筆メーカーがあるわけだが,芯の専業メーカーも存在する。オリエンタル産業がそれだ。
 大手の三菱やトンボは芯も自分の工場で作っているのだろうけれども,鉛筆芯の製造能力は専業メーカーであるオリエンタル産業が三菱やトンボを凌駕しているのではないか。

● 現在でも三菱やトンボは自社製品のすべてに自社製芯を使っているんだろうか。自社の中核的な製品にもじつはオリエンタル産業の芯を使ってるんじゃないかと,密かに疑っている。

● オリエンタル産業からは離れるんだけど,たとえば,「超微粒子が凝縮した高密度構造により,なめらかで折れにくく,濃く鮮明な筆跡を実現しました」というトンボのMONO鉛筆。この技術は,しかし,ポリマー芯の登場によって陳腐化したと考えていいのだろうか。
 ポリマー芯はぺんてるが開発し,シャープペンの芯として製品化しているが,クツワのホクサインやオレンピツはポリマー芯を使用しているのだろう。2Bや4Bでも細くて折れない芯。書き味も滑らか。

● となれば,超微粒子だの高密度構造だのはどうでもいいものになった?
 トンボは芯を内製していたメーカーでしょ。今も内製してるんだろうかと思ってね。ポリマー芯の登場を見て,ヤメっちたとかはないんだろうか。
 ひょっとしてひょっとすると,MONO100の芯も自社製芯ではなく,オリエンタル産業製に切り替えてるなんてことはないんだろうか。

● ちなみに,BLACKWING を下請け生産しているのは日本の鉛筆メーカーのどこかなんだけども,BLACKWING の芯はオリエンタル産業のものだよね。
 いや,BLACKWING の鉛筆本体を製造しているのはトンボだと,ほぼほぼ確信するに至っているのだが,BLACKWING の芯はオリエンタル産業製だというのも,ほぼほぼ確信。

● じつは,MONO100の芯もとっくにそうなっていたのかもしれないという,これは疑いのレベル。
 ぼくが気にしても始まらないのだが,鉛筆の最も重要なパーツが芯であることは間違いない。その最重要パーツがオリエンタル産業の牛耳るところとなっているならば,鉛筆メーカーってどういう存在なんだ?


(追記 2024.11.24)

● 三菱やトンボが,Hi-uni や MONO100 にオリエンタル産業の芯を使っていることはないらしい。自社製芯を使っているようだ。そりゃそうか。
 しかし,将来もそうであり続ける保証はないよな。いや,プライドにかけてそういうことはしない?

2024年10月3日木曜日

2024.10.03 高橋真琴鉛筆

● 左の写真はコーリンのかきかた鉛筆。高橋真琴さんの挿絵はいいですなぁ。当時の女の子が夢中になったのも当然だと思いますわ。
 550円の値札が付いとります。頭も丸めてあるし,それなりの鉛筆だったんでしょ。この鉛筆を買ってもらえたのは,いいところのお嬢ちゃん?

● 狙ってそうしてるんだろうけど,2Bでも少しザラつきがある。
 Bと2Bの違いってけっこう微妙で,濃さはさほど違わないが,軟らかさが違う。軟らかさを求める人が2Bを買うんだろうな,と。
 その意味では,この鉛筆は間違いなく2Bだ。

● というような回りくどい言い方をしているのは,コーリンって同時代の三菱やトンボに比べると,若干,品質が落ちるんじゃないかと思っているからだ。HBの普及品で顕著だと思っている。
 この2Bはそうしたことを意識せずに,快適に使えるけどね。

● 今は芯製造専業メーカー(オリエンタル産業)も育って,ぶっちゃけ,鉛筆メーカー間の違いなんて無視していいレベルだと思う。三菱やトンボにしても,自社製品のすべてに自社製芯を使っているんだろうか。
 といっても,B2B の取引だから,専業メーカーが鉛筆メーカーに販売する芯に既製品はないはずだが。そこは両者で合作するという形になるのだろう。そのレシピは他社には漏らさない。

● そうなったのはいつ頃か。コーリンのこの鉛筆が出た頃には,すでにそうなりつつあったんじゃないかと思うんだけども。

● ま,そういう話はどうでも,筆箱代わりにするダース箱はこれで決まりかなという感じッス。
 挿絵の色褪せを防がなくちゃな。カラーコピーも取っておくかな。

2024年9月17日火曜日

2024.09.17 BLACKWING の鉛筆本体を製造している日本のメーカーは?

● BLACKWING は MADE IN JAPAN を表看板にして,日本で製造していることを公表している(最終工程はアメリカでやっているのだろうから,MADE IN USA と表記してもいいわけだろう)。
 BLACKWING の鉛筆本体を製造しているのは日本の鉛筆メーカーのどこかなのだが,さて,それはどこなのか。

● 三菱はさすがにやらないだろう。一方で,従業員数が10人程度のところに BLACKWING 側が委託することもないだろう。
 とすると,トンボか北星に絞られる。ここまでは紛れがない。一直線だ。

● 気になるのはトンボで,自社製品のすべての生産拠点をベトナムに移転した。では,国内の生産ラインは廃したのか。
 製品開発もベトナムでやるつもりならそれもありだけれども,製品開発までベトナムでやるのは無茶というものだ。優秀な競合他社が存在し,厳しい要求を突きつける消費者がいる日本でやるしかないものだろう。

● そのためには稼働している生産ラインの存在は必須のはず。BLACKWING の下請けをしていれば,国内の生産ラインを止めずに稼働させておける。そう考えると平仄が合う。BLACKWING の製造を引き受けられるだけの余力があるのはトンボだけなのでは。
 だから,BLACKWING の鉛筆本体を製造しているのはトンボである・・・・・・のかどうかはわかりませんがね。

● ただ,もしそうだとすると,トンボ鉛筆はそんなことのために自社のフラッグシップまでベトナムに追いやったのか,と考える消費者が出てしまうでしょうねぇ。
 実際はそういうことではないと思うんですよ。しかし,メーカーの生産戦略など消費者の知ったことではない。消費者は自分が理解しやすいように理解する。

● BLACKWING の BLACKWING たる所以は鉛筆本体にあるのではない。白木の BLACKWING を想像してみるがいい。それを BLACKWING だと思えるだろうか。
 トンボかどうかはわからないけれども,日本のメーカーが作った白木の鉛筆がアメリカに運ばれて,アメリカで木軸に塗装が施され,あの形状の消しゴムが装着されることによって,初めて BLACKWING になるのだ。ぼく一個は MADE IN USA を名乗るのが,BLACKWING には相応しいと思う。


(追記 2024.10.24)

● BLACKWING をトンボが生産しているとしても,トンボMONO100 と BLACKWING は同じものではない。BLACKWING の芯はオリエンタル産業のものではないかと思える。
 ぼくは BLACKWING55 しか使ったことはないのだけれども,たぶん芯はオリエンタル産業のものじゃないかな,と思う。トンボ内製のものではないんじゃないか。

● 自社製品のほぼすべての生産拠点をベトナムに移したのに,芯だけは日本で製造しているとは考えにくい。芯だけ日本で作ってベトナムに運ぶのは,非効率にもほどがあると言うものだ。
 むしろ,MONO100 の芯までベトナムで作れる目処が立ったから,MONO100 の生産もベトナムに移したと考えるのが理に叶っているだろう。

● だとすると,トンボ製の芯はベトナム製になる。ところが,BLACKWING は日本製の芯を使っていると自社サイトで明言している。
 もし,トンボ製の芯を使っているなら,BLACKWING は虚偽を述べていることになるが,BLACKWING の経営陣にもゴリゴリのユダヤ系がいるんだろうから,この種の初歩的なミスはしないだろう。

● 一方で,芯の製造能力は専業メーカーのオリエンタル産業が三菱やトンボを凌駕しているのではないかと思われる。
 現在でも三菱やトンボは自社製品のすべてに自社製芯を使っているんだろうか。密かに疑っているのだが。


(追記 2025.02.06)

● BLACKWING を製造しているのは,どうやらトンボではないらしい。
 しかし,そのメーカーがどこであれ,BLACKWING を作っているのはオリエンタル産業だとするのが間違いないんじゃないか。鉛筆の核心は芯だろうから。その芯はオリエンタル産業が製造したものだろう。

● BLACKWING を好む人は,デザインと消しゴム,書き味を理由にあげるに違いない。デザインと消しゴムの形状はエバーハード・ファーバー社の元祖 BLACKWING から続いているものだから,日本とは関係ない。
 日本製の所以は芯にあると言ってよろしいだろう。イコール,オリエンタル産業にある。

2024年7月2日火曜日

2024.07.02 自分にピッタリの1本の鉛筆を選びだすことはできるのか

● こうして鉛筆を使っている。使いかけになっているBの鉛筆から使い切っていこうとしているのだが,途中で使いかけが新たに見つかったりして,なかなか使い切るところまで行かない。


● 今使っている鉛筆は,学童が使うかきかた鉛筆を始め,安い鉛筆ばかりなのだが,総じて三菱がいい感じ。

 好きか嫌いかではなく,「いい」鉛筆。黒鉛の使用量も多いのかも。ただし,比較対象はトンボの ippo! と三菱の9800だから,公平ではないかもしれない。


● 多くの鉛筆を使っていく過程でお気に入りの1本ができるか。書くメーカーがしのぎを削っている中で,自分にピッタリの1本というのが出るのか。

 無理だと思っている。多くの鉛筆を使ってしまうと,1本を選び出すのは至難の技になりそうだ。


● 遠藤周作は Hi-uni の2Bしか使わなかったそうだが,それは次々に使ってみて選んだのではなくて,何度目かにたまたま Hi-uni を使って,これでいいと思い,以後の探索をやめた結果ではないかと想像する。

 そうでなければ  “この1本” は生まれて来にくそうな気がする。


● 結婚相手を選ぶのと同じ。世界中の女性を広く比較できる神様的な立場にあったら,相手を1人に絞るなどという芸当はできるはずがない。

 リアルに出逢える人はごく限られた数になるという制約があって,選択肢がごくごく限られるから,何とかなっているのだ。

 こちらも寿命や生殖可能期間が限られているのだから,選択肢も限られないと困った事態になる。


● そのうえで,自分のお気に入りの鉛筆が三菱の9800やトンボの8900に収まってくれるといいなと思っている。

 なぜ9800や8900かというと,価格の問題ではない。こちらのダンディズムにハマるというかね。「道具じゃないですよね。その道具をどう使うか,道具を使って何を生みだしているかが問題ですよ」と嘯くのにちょうどいいのが9800や8900だという気がするだけ。

 厭味ったらしい理由だ。


● 先に,トンボの ippo! より三菱の9800の方がいい鉛筆だと言ったけれども,では ippo! は使わずに9800を使っていくのかというと,“いい” というのが選択理由になるとは限らない。それも結婚手を選ぶのに似ている。

 たとえば,昔のコーリン鉛筆は粒子が粗くてザラザラする擦過音(筆記音)もなかなか大きい。これを評するに粗悪としてよいと思うのだが,粗悪だからダメかというと,必ずしもそうではない。

 自分の小学生時代をヴィヴィッドに甦らせてくれる。昔はこうだったんだよ,こんな感じだったよ,と。それは,大げさに言えば,ひとつの歓びをもたらすものだ。


● そういうこともあるので,鉛筆の場合は鉛筆単体の完成度,仕上がり具合もさることながら,使っているこちら側との関係性が意味を持ってくる。その度合いが万年筆やボールペンよりも大きいように思える。

 鉛筆を評価する際にこの関係性はどうにか排除できると思うが,それでも1本を選びだすことはできないと思う理由がほかにもある。


● シャープペンや万年筆など他の筆記具に比べて,鉛筆は円陣を組んでいる感がある。この例え方は適切ではないかもしれない。メーカーは互いに競争しており,円陣を組むどころではないわけだから。

 ただ,大人になってからも鉛筆を使っている人はそんない多くない。本業か趣味かで絵を描く人たちくらいのものじゃないか(だから,メーカーは絵を描く人を増やそうと努力をしている)。ぼくも3ヶ月前までは万年筆派だったのだ。

 その少ないユーザーのためにメーカーが肩を寄せ合っているというイメージを作りがちなんだな(もちろん,そのイメージは間違っている。メーカーはどこもそんなにヤワじゃないんでね)。


● 徒し事はさておき,各メーカーが世に出す製品を見ていると,個体間にビックリするような品質差はないと思えるわけですよ。

 わずかな違いをことさら大きく話題にするのが,鉛筆党員の性というものだ。Hi-uni と9800の違いは確かにあるのだけれども,騒ぎ立てるほどのことでもない気がする。


● ぼくが文字しか書かないからそう感じるのだろうが,9800で充分だと言える。Hi-uni では過剰品質だ。

 1本あれば少なくともひと月は使えるのが鉛筆だ。過剰品質に走ることに罪悪感を覚える必要はない。月に66円ですむものに165円を投じたからといって,誰に叱られるわけでもない。ただ,66円で充分だというだけだ。


● 鉛筆があまりに安いためか,鉛筆という種の中で個物の境界線がクッキリと浮き立ってくることがない。いや,個物の個性はもちろんあるのだが,その違いは点線的というか。

 鉛筆の他の筆記具に対する特徴が強烈すぎるので,鉛筆の内部では個物の個性が目立たないという言い方でも良い。


● それもあって,この1本というのはけっこう決めづらいかなと思っている。何だっていいよ,ってことになりそうだ。

 現に,こうして使っている ippo! でぜんぜんいいと思っているので。


● 鉛筆の芯を自社生産しているのは三菱とトンボだけらしい。他のメーカーはオリエンタル産業㈱の芯を使っているのだろうが,三菱とトンボにしても自社製品のすべてに自社製芯を使っているのかどうか。

 他のメーカーもオリエンタル産業の既製品を買うのではなくて,オーダーメイドしているのだろうが(そもそも,既製品があるとは考えづらい),鉛筆の核心をオリエンタル産業に頼っている以上,キーマンはオリエンタル産業と言っていいのだろう。


● 以前のパソコンが,NECであれDELLであれhpであれ,どれもがインテルのCPUを積んでいたのと同じと言っていいのかどうかはわからないけれども,メーカーによる違いというのは,業界の構造上,さほどには出にくいのではないか。

 このことも  “この1本” を選びだすのを難しくしている理由だろうと思う。


● 以下は余談。BLACKWING もオリエンタル産業の芯を使っていると睨んでいるのだが,それと同じか非常に近い芯を使っているのが北星のクラフツマン。

 してみると,BLACKWING の BLACKWING たる所以は,芯ではなく,消しゴムをはじめとするデザインと色使いにあることになるのだろうか。


● 製品の価値を作るのは,実ではなく虚の部分。製品として成熟している鉛筆の場合は,特にそうなるのかもしれないが,ま,素人の想像に過ぎない。

 そこで,ぼくらは虚で儲けられるなんてボロくていいなと思ってしまいがちなのだが,どっこい,虚はとんでもない金食い虫なのだろうな。実で勝負できる方が,はるかに安上がりですむのだろう。

2024年4月27日土曜日

2024.04.27 普及品と高級品の価格差が小さいのが鉛筆

● 他の筆記具にない鉛筆の特徴は,普及品と高級品の価格差が小さいことだ。ボールペンでも万年筆でも,ガワの材質を木にしたり金属にすることで,価格を釣り上げる理由にすることができる。宝石で装飾することだってできる。本来の機能以外で差別化できる。
 鉛筆は本来の機能で勝負するしかない。

● 木軸の塗装や原木の選択,工法で付加価値を付ける余地はあるが,その割合は限定的だ。基本,黒鉛芯の質が鉛筆の価格を決める。高いと言っても知れた話になる。
 しかも,日本生産の黒鉛芯の品質は世界のトップレベルだ。自社で黒鉛芯まで賄っているのは三菱とトンボだけで,他はオリエンタル産業㈱の芯を使っているのだと聞いたことがある。とすれば,現在の国産鉛筆の高品質を支えているのはオリエンタル産業だと言っていいんだろうか。

● かの BLACKWING が MADE IN JAPAN なのは必然と言っていいのだろう。BLACKWING もオリエンタル産業の芯を使っているはずだ。ぼくの推測によれば,だけど。
 が,まさにその理由で BLACKWING は日本では売れない。3分の1の価格で BLACKWING と同等の品質を備えている鉛筆が複数あるのだから。かくして,BLACKWING は日本の文具店からは全面撤退となった(ネット販売のみ)。

● 普及品と高級品の価格差が小さいならば,鉛筆は高級品を買った方がコスト比較では有利になるのだろう。メーカーにしたって,たとえば三菱鉛筆だったら,9800 よりも uni を売りたいだろう。できれば Hi-uni を売りたいだろう。
 店舗によっては 9800 を置いていないところもある。売る手間が同じなら,そりゃ販売店だってHi-uni を売りたいでしょ。
 が,普及品でも充分な品質を備えているからね,さてさて。