2020年12月28日月曜日

2020.12.28 ラゾーナ川崎プラザの丸善とLoFt-高級手帳とノート

● 能率手帳には4タイプがある。月間予定表の様式と鉄道路線表の掲載の有無による区別なのだが,宇都宮では「能率手帳3」を見かけることがない。ないと言ってしまうと言いすぎかもしれないが,ぼくは見かけたことがない。
 「3」は月間予定表がブロックタイプのやつですね。丸善のラゾーナ川崎店にはさすがに揃っておりました。1から4まで揃っていると,何だか気分がいい。

● といっても,「3」はあまり出ていないんでしょうね。その理由を推測するに,スケジュール管理は週間ページで完結させている人が多いんでしょうね。月間予定表に記載してから,週間ページに転記してさらに詳しく書いておくということはしていない。
 だったら,月間ブロックは無用の長物。おそらく,月間予定表はまったく使っていないか,レコーディング・ダイエット用に使うとか,週間ページとは独立した使い方をしている人が大半なのだろう。

● ちなみに,ぼくはBindexの011を使っている。その理由のひとつは月間予定表がないからだ。ついでにいうと,メモページもないからだ。
 使わないものは付いてない方がスッキリしてて気分がいいものだ。

● 手帳やノートをどう使っているか,どう楽しんでいるか。それを知るのにInstagramは便利だ。見てて楽しい。のだが,Instagramのログイン画面が表示されるようになった。Facebookと同様に,ユーザーとしてログインしないと閲覧できないようになったのか。Google検索をはじく仕様になった?
 仕方がない。Twitterで眺めている。見てて面白いのは,トラベラーズノート,測量野帳,能率手帳ゴールドの3つだ。面白いユーザーを掴んでいるのだろう。

● その能率手帳ゴールドを宇都宮で見かけることもあまりない。一度だけ,JOYFUL2で見たことがあるが。能率手帳ゴールドも地方ではあまり売れないのだろうと思っている。
 ゴールドというとエグゼクティブが使っているものと思ってしまうが(メーカーもそのように誘導している),実際にはエグゼクティブにあやかりたいノン・エグゼクティブがユーザーの大半かと思う。要するに,その辺のチンピラが使っている。そういう人に使わせることでメーカーも立ち行くのだ。

● けれども,そうした何を考えているのかわからないチンピラが,地方にはまばらにしかいない。地方にいるのは,分を弁えてしまっているチンピラばかりだ。
 何を考えているのかわからないチンピラが集まっているから大都市圏は面白い。そうした中から化けるチンピラが出るかもしれないものなぁ。

● 次に川崎LoFtに行ってみる。年寄りの丸善に対して若者のLoFt。日本では年寄りの方が多いのだから,丸善が有利かというと,そんなことはないように見える。年寄りがタムロっているところに若者は近づかないが,若者がタムロっているところには年寄りも近づくからだ。
 ここでの発見はハードカバーの「紳士なノート」。たぶん前からあるものだと思うが,ぼくは初めて実物を拝見した。

● サイズはいくつかあるようなのだが,ここで見たのはA6サイズ。96枚で2,100円。ノートが開かないように閉じるためのバンドが附属する。
 モレスキンと同価格ということね。が,紙質がモレスキンとは全く違うでしょ。にもかかわらず,モレスキンは売れ続けるんでしょうねぇ。理屈では説明できない現象はたくさんありますよね。

● というより,NOLTY notebook もそうだけども,微細な書き味にこだわって商品を開発しているメーカーと,それに応えるユーザーがいるのが,何だか不思議なことのように思えてもくる。
 コクヨのCampusノートじゃダメなのかね。無印良品にも良いノートがたくさんあるでしょうに。そこに行かずに1冊2千円もするノートを使う君たちはいったい?

2020年12月19日土曜日

2020.12.19 手帳は秘書?

● 能率手帳の合言葉,「ポケットに秘書!」。けっこう長いこと,このコピーを使っているんじゃなかろうか。刺さるんだよね,この「秘書」という言葉が。

● 昭和の60年頃,ワープロというものがお目見えしたとき。これは秘書を3人雇ったようなものだと言われた。文書を作って,「憶えといてね」とフロッピーに保存すれば,間違いなくいつまでも憶えていてくれる。
 必要なときに「持ってきて」と言えば,いつでも引っぱりだして編集できる。その結果もまた,保存しておいてくれる。絶対にミスをしない。

● ワープロによって書くという行為が楽になった。文筆を業としている人の中にも,ワープロがなければ自分は書くことを業とすることはなかったと思っている人は,けっこうな数いるのではないか。
 後からいくらでも並べ替えができるので,順不同で書けるようになった。思いついたところから,書けるところから,書いていけばいい。
 そこからのことは秘書がよろしく処理しておいてくれる。こうしたことは,生身の秘書には頼みづらいが,電子秘書なら文句も言わずやってくれる。

● パソコンの普及期にも同じことが言われた。スケジュール管理ソフトが現れたときには,まさしくそのものズバリという感じだった。
 前世紀の終わり頃,Sidekick95 の使い勝手の良さに惚れ惚れしたものだが,今ならGoogleカレンダーが痒いところに手が届く,よくできた秘書になってくれそうだ。
 さらにいえば,音声入力が可能になっているのだから,口述筆記までやってくれる秘書を誰もが持つことができるようになったわけだ。

● これから,AIが人間の仕事を奪うと言われているが,すでに,たとえば司書はコンピュータに取って代わられたと言っていいだろう。
 経理事務もコンピュータがやってくれるようになった。税理士や会計士は余るようになった。ああいう後ろ向きの仕事に優秀な人材を充てなくてもすむようになったのは,素晴らしいことだとぼくは思う。
 秘書という仕事もコンピュータがだいぶ肩代わりするようになっているだろう。大企業の社長や会長に秘書が付くのはステイタス以外の意味はなくなるのではないか。生身の秘書は個人の召使い,御用承り,無聊を慰めるための存在となり(もう半ばなっているのかもしれないが),秘書など抱えているのは暇人だというのが世間の見方になるかもしれない。
 ただし,雑用を処理してくれる人は必要だ。じつは,昔から秘書の仕事はそれだったのかもしれないのだが。

● たしかにIT技術は個人ができることを拡大してくれた。PCやスマートフォンは能力を拡大してくれる装置だと言える。ということは,能力格差が大きく広がったことを意味するのでもある。
 もともと能力がある人はそれを何倍にも拡張できたが,もとがゼロならいくら拡張してもゼロのままということだ。最初の数値が高いほど,乗数効果は大きくなる。

● ということとは別に,男性誌が秘書を特集すれば,必ず売れる。男性にとって,秘書を持つのは最大のステイタスなのだ。
 その場合の秘書とは,いわゆる美人秘書のことなのだよね。アホだね。
 いいかね,その種の秘書を持つのは,自らを不幸にするということだよ。決定的に大きいのは行方不明になる自由を失うことだ。とりわけ,結婚して奥さんがいる男性が秘書を持ちたがるのは,じつに全く理解に苦しむ。

● 結局,手帳を上着の内ポケットに忍ばせておくくらいがいいのじゃないか。能率手帳じゃなくてもいいけれども,手帳にスケジュールや備忘録を書いておいて,これが自分の秘書だと思えるくらいの方が,生身の秘書を持つよりも(そういう境遇や立場になってしまうよりも)ずっと幸せだと思うよ。

2020年12月6日日曜日

2020.12.06 タスク管理とかToDoリストとか

● NOLTYにタスク管理優先というシールがかけられた商品群がありますよね。メーカーがタスク管理優先型とメモ充実型に分けているだけなのだけど。
 でもさ,「タスク管理優先」という言葉を見ると,ぼくはもう退職してる身の上なのに,胸が苦しくなってきてさ。

● 細かいところまでゆるがせにしないでタスクをこなしていくって,胃が痛くなるような作業だよね。自分オンリーですむんだったらまだいいんだけど,たいていは相手がいることだから,早々上手くいくわけもなし。
 仕事を部活みたいに捉えてゲームとして没頭できる人はいいんだけどさ,そんなヤツはごく一部だよ。多くの人にとっては,仕事は苦痛。
 タスクとかToDoっていう言葉は,その苦痛の代名詞になっちゃってるんだよね。ぼくの場合はだけどさ。

● 今どきの手帳ってA5とかB6とか,A4,B5まであるし,大型化してるっていうか,たくさん書けるようになってるじゃないですか。システム手帳がブームになったのは前世紀のことだから,大型化はだいぶ以前から進行しているんだけど。
 最近では(って,これもずいぶん前からだけど)1日1頁タイプが完全に市民権を獲得している。

● 野口晴巳『能率手帳の流儀』によると,能率手帳が一般販売された1958年頃は,能率手帳の大きさでも「大きい」と受けとめられたらしい。そんなに何を書くのって思ったわけでしょ。
 小津安二郎が映画に残しているのが,その頃の世相だ。小津映画に登場するサラリーマンたちはかなり優雅に暮らしている。やたら,会社仲間と高級そうな割烹に行き,のべつ煙草を吸っている。サラリーマンがエリートだった時代かもしれないが,のんびりしているよね。時間の流れがゆっくりしている。

● 当時と今とでは,仕事で許されるアバウトさが大きく変わっているんだろうね。つまり,アバウトが許されなくなっている。ゆえに,手帳に求められるものも変わってきたのだろうし,手帳「術」も多く語られるようになった。
 予定調和はあり得ないんだから(一寸先は闇),アバウトさを許容しないと,世界はストレスで飽和してしまうんだけどねぇ。
 昔のサラリーマンが小津映画のペースでやれていたのだったら,今だってそれでいいじゃないかと思いたくなる。大判の手帳を使って細かくタスク管理をしなきゃ仕事を回せないなんて,そもそもがおかしいでしょ。仕事ってそれほどのものじゃないでしょ。

● と言っても,そうはいかない。こういうことじゃないかと思っている。小津映画の頃は日本は貧しかった。あそこに描かれているサラリーマンは都会限定で,地方の風景はまるで違った。
 地方では農業が主要産業で,日給で日雇いに出たり,日給月給制で仕事に出ている貧しい層が膨大にあった。言うなら,彼らに支えられていたから,サラリーマンはのんびりと仕事をすることができた。
 今は中央と地方の経済的な二重構造は解消され,サラリーマンが最も分厚い層になった。要するに,大衆が豊かになった。豊かになった大衆を支えてくれる貧困層はもはや存在しない。自分たちで何とかするしかない。
 それが手帳の大型化,使い方の精緻化となって現れているのじゃなかろうか。

● すると,この細密な仕事管理という憂鬱な作業を,未来永劫続けなくてはいけないのだろうか。たぶん,そうではないと思う。
 人間がやっている仕事の多くを,AIとAIが制御するロボットがやるようになるだろうからだ。そうなった暁には,人は手帳から解放されるのじゃあるまいか。
 ただし,一定以上にいい暮らしをしたいと考える人は,今と同じように働かなければならない。また,収入や暮らしに関係なく,自分にストレスをかけるのが好きな人が,必ず一定数存在する。そういう人から手帳を取りあげたら病気になる。

2020年12月5日土曜日

2020.12.05 Bun2 12月号

● 宇都宮の東武百貨店5階の文具売場でゲット。今月号の特集はBun2大賞。読者投票によって決まる。
 第2位になったユニボールワン(三菱鉛筆)はぼくも買った。ブルーブラックを。発色が鮮やかという。生徒・学生のノート録りに使ってもらうことを想定して開発したもののようだ。生徒・学生にとっていいものは,社会人や隠居人にとってもいいに決まっている。

● 第3位も三菱鉛筆で,ジェットストリームエッジ。0.28mmの超極細。同じ0.28mmでも,油性はゲルよりも細い。ので,これは相当に細いのだろう。
 使うとすれば手帳を書くときだろうけれども,ぼくは手帳にはハイテックC(ゲル)の0.3mmを使っている。不満もないから替えるつもりはないので,たぶん,このジェットストリームエッジは使わないまま終わってしまうな。

● この投票結果について,高畑文具王・きだてたく・他故壁氏の3氏が解説鼎談をしているのだが,きだて氏が “3mm方眼が人気になっているから,より細いペンに対する需要が増えている” と分析している。
 3mm方眼のマス目に1文字書くということか。書けないことはないけれどもねぇ。

● 広告で気になったのは学研ステイフルのホワイトボードノート。B6サイズが800円とは価格も手頃。
 ホワイトボードノートって,いくつかのメーカーがすでに販売していると思うのだが,昔からあるダイソーので充分じゃないかと思っていた。100円で買えるんだから。

● のだが,そのダイソーノートはほとんど使わずじまい。めくりづらいからなんだよね。そこさえ改善してくれればな。
 なかなか使い途が見つからず,とりあえずカバンに入れて持ち歩いてみることにしたのだが,結局,それでも常用するというところには至らなかった。で,どうしたかといえば捨ててしまった。
 捨ててしまってから使い途を思いついた。買物メモだ。スーパーで食材を買うときに,必要なものをメモして持ち歩くのにちょうどよかった。
 もう一度買うか。いや,学研のめくりやすそうなのを,Amazonでポチッとするかな。

● ちなみに,ダイソーではノートじゃない普通のホワイトボードを3枚ほど購入してる。それぞれに活用中。家庭内連絡板として。ネットの料理動画を見てレシピをメモするために(スマホのカメラで撮って,スマホに溜めておく)。システム手帳のリフィルを外して書くときの下敷きとして。
 本来の使い方からは逸脱しているのもあるんだけど,ホワイトバードってなかなか便利に使えますよね。

2020年11月29日日曜日

2020.11.29 小西利行 『すごいメモ。』

書名 すごいメモ。
著者 小西利行
発行所 かんき出版
発行年月日 2016.01.18
価格(税別) 1,400円

● 読み始めはあまり面白くないかもしれない。類書の上澄みを集めたものかと思うかも。そこを我慢して読み進めていくと,スイスイ読んで行けるようになる。
 自身の体験から導き出した,ひょっとすると適用範囲は狭いかもしれないけれども,手間ひまのかかった方法論が説かれていることがわかってくる。
 だからそれが何なのだ,自分の役に立つのか,と言われると困るのだが。

● メモの録り方を説いた本であれ,金儲けについて書いた本であれ,読みものとして面白ければそれでいいのだし,読みものとしてつまらなければ,それはダメな本なのだ。
 数時間を面白いと思って読んでいける本ならばそれでいいのだ。読書にそれ以上の効用を求めるべきではないような気がする。

● 以下に転載。
 メモには鮮度があり,フルーツや魚のように,時間がたつと腐るのです。(中略)だからこそ,記憶力に頼らず,時間がたっても腐らないメモを書く技術が必要です。(p11)
 メモの本当の効用とは何か? それは「考えるきっかけ」をつくることです。(中略)そのためにも,まずはメモを見返している自分を想像し,「未来の自分」に教えるようにメモを取ってください。(p28)
 情報はまとまると「武器」。まとめないと「ゴミ」(p46)
 人は,順番通りだとホッとします。(中略)それは,順序が秩序を生み,頭が整理されるから。(p65)
 メモに記号を書き込み,そのときの自分の気持ちを残しておくと,未来の自分がアイデアを生むときにとても大切なチカラになります。(p73)
 タグ付けで大切なのはとにかく「細かい言葉だけでタグ付けしない」ことです。タグ付けし始めると,より細かい言葉で,より正確にタグ付けしたくなりますが,それはご法度。細かいタグ付けだとミライオ自分は確実に忘れているので,タグの意味がなくなります。(p97)
 タイトルが決まると,中身がすごく書きやすくなる。それは,小説や書籍の世界でよく言われていることです。(中略)ルールがあると,人は考えやすくなります。(p103)
 脳には,単体の情報は忘れやすくストーリーは覚えやすいというクセがあります。(中略)その理由は,脳が楽しんでいるから。(p122)
 いっぱいアイデアを生み出してから,初めてそこで,「実現できるか・実現できないか」を探るのです。最初から実現できる範疇でしか考えないと,小さくまとまった,ありきたりなアイデアしか生まれません。(p156)
 そもそも「アイデアを考えること」は楽しくなくちゃいけない。しかめっ面でウンウンと悩んでいても,いいアイデアは出ません。考えるのは苦しいけれど,とにかく楽しむ。そういう気持ちこそが,画期的なブレイクスルーを生むからです。(p163)
 いま流行っているものは,もうすぐ流行りではなくなる。(中略)だから「後乗り」をしても,そんなに流行もしないわけです。そこで必要なのが「あまのじゃく」な発想。(p179)
 みなさんは普段から,まっすぐ考えるクセがついているので,頭の中だけではなかなか「あまのじゃく」になれません。だからこそ,メモを見ながら,少しずつ「あまのじゃく」になるわけです。(p185)
 「伝える」という姿勢だと,話し手や書き手の一方的な「情報の押し付け」になることが多いのです。(中略)それに対し,相手のことを知り,その人たちがどうすればよく理解できるかを考え,言葉を選び,図や絵を使い,丁寧に届けた情報は「伝わる」のです。(p188)
 「見出し」を付けるだけでも,メモが楽しくなるし,いろんなことが思い出せるようになり,仕事のアイデアもグンと考えやすくなります。(p197)
 9割くらいのアイデアが歩いているときにいろいろつながっているんですよ。音楽を聴いて歩いているときに,あぁこれ,この場面はこうしようって閃くんです。(中略)大事なのは,メモを取ったうえで歩いていることなんですよ(伊坂幸太郎 p242)
 手を動かすことは考えるためには大事なんですよね。パソコンでもよさそうだけど,メモするんだったら,手書きじゃないとダメって思ってます。(中略)脳がどう働くのかはわからないですけど,手で書いてるときは書いてるリズムで,歩いているときは歩いているリズムで思い浮かぶ。(伊坂 p242)
 僕はタイトルが思いつかないと書けないんで。(中略)基本的には書き始めのときにないと,書く気が起きないです。(伊坂 p244)
 僕は覚えているためにメモするわけじゃなくて,アイデアを生むためだから,そのときに何かイメージできればいい。だから言葉で「エレベーター」って書くよりは,こうして「エレベーターがさあ」と言いながら絵を描いたほうがどんどんイメージを進めていけるんです。(伊坂 p246)
 たとえどんなときも,結局は逃げられない。なんとかして,結果を残さなければいけない。そんな辛い思いをしながら日々暮らしていくわけです。プロとはそういうもので,ビジネスとはそういうもの。お金をもらうとは,きっとそういうもの。(中略)でも私はいつも,本当に思っているんです。メモが仕事を救ってくれると。(p250)

2020年11月9日月曜日

2020.11.09 佐久間英彰 『速攻で仕事をする人の手帳のワザ』

書名 速攻で仕事をする人の手帳のワザ
著者 佐久間英彰
発行所 明日香出版社
発行年月日 2014.11.29
価格(税別) 1,400円

● 再読。「ジブン手帳」の考案者の意見を再確認したくなって。
 といって,ぼくは「ジブン手帳」のユーザーではない。社会人として物心ついてからずっと能率手帳ひと筋で来ている。バーチカルなんてのにも眼を向けたことはない。フランクリン? 何だそれ,ってなものだ。
 しかし,手帳の世界もぼくが物心ついた頃からすると,だいぶ変わってきている。「ジブン手帳」もその変化を象徴する1冊だと思う。


● 自分が能率手帳で昔からやってきたことも,推奨されている。あ,俺,間違ってなかったんだな,と思って嬉しくなる。
 第1に「年間スケジュールにオススメなのが,ひとつのテーマに絞って書くということ」(p58)。
 第2が色分け。「私は「青=ビジネス」「赤=プライベート」で掻き分けています」「自分はこの1週間,どこに時間を使ったかが一目瞭然になるのでたいへん便利です」(p74)ということ。ぼくは仕事関係(義務としてやらなければいけないこと)は黒で,プライベートは緑で書いていた。手帳の紙面が黒っぽくなると色彩的にもウンザリしてくる。
 第3が予定の他に結果も記録しておくこと。「手帳には2つの書くタイミングがあります。それは「予定」と「結果」です。多くの人は予定しか書かないようですが,それはもったいないです。(中略)終わった作業に関して,実際の始まりと終わりの時間を枠で囲みましょう」(p70)。


● では,以下にいくつか転載。
 言うなれば,目を覚まし,ご飯を食べて,どこかに出かけて,誰かと会って,会話して,いろいろ思って,そして寝る。どんな人にも当てはまるその部分を,まず丁寧に設計することが,手帳術の土台として必要だと感じました。つまり仕事のためだけではなく,ひとつ上のレイヤーである人生のための手帳とはどうあるべきかについてです。(p4)
 有能な秘書も,デジタルでのスケジュール管理とは別に,手帳を持ち歩いて的確に記憶を引き出しています。(p26)
 結果的に情報が増え,本当に大切なものが目に入りにくくなっては本末転倒です。手書きだと,書くエリアが限定されているので,何が大切な情報なのかを意識しながら,手短に書かざるを得ないので,素早く簡潔な情報を書くことができるのです。「情報を捨てながら書ける」というのは手書きのメリットです。(p28)
 あくまでも手帳の役割は,検索されるためのキーワードや思い出しやすい簡単な内容を,素早く書き込むことです。そうすれば,付随する膨大なデータまでは記録する必要はなく,あとはググったり,自分のクラウドデータから検索すればいいだけの話です。(p32)
 アナログの手帳でも,見つけられないデータは死んだも同然です。(中略)しかし情報の置き場所をルール化することで,手書きでも検索性は格段にアップします。(p34)
 スケジュール欄の中には,ToDoを組み込まないほうがいいです。その時間に絶対にやらなければならない,という記号になり,柔軟ではなくなってしまいます。(p90)
 ToDo管理がうまくいっていない人は,本当にあなたに合ってないのだと思います。(中略)まずはシンプルなところから書いてみて,求めるものに合わせてレベルを上げてください。目的は効率的に処理をすることが大切なのですから,それをかなえるやり方であれば何でもいいと思います。(p92)
 そうして1か所に溜めたノートは,かなり分厚くなっていることでしょう。(中略)そこで最終的に情報の密度を濃くする「濃縮ノート」を作ります。ここに,今後の人生でも必要であろう情報やいつか役に立つだろう情報だけを書きまとめていきましょう。(p102)
 嶋浩一郎さんの「一軍ノート」にあたるものでしょうね。こういう作業をすることを,ぼくは軽視というか蔑視に近い目で見ていたけれども,浅はかだったですかねぇ。
 できれば1テーマ1ページ単位と割り切って書くのがオススメです。検索するときも日付をタイトルのある上部を見るだけで,視線を動かさなくていいので効率的です。ただし,私は貧乏性でそれができません。(中略)そこで苦肉の策として思いついたのが,ノート左寄りに1本縦の線を引き,その左側に日付とタイトルのみを書き,メモを書き終わったら下に境界線を引くというルールです。(p104)
 私は思い出せないメモは,意味がないと思っています。そのあと得られる可能性を破棄したも同然ですから。そこで(中略)「人」(もしくは情報源)と「場所」もできれば書くことです。(中略)あとで見返したときに格段に思い出しやすいメモ情報に変化します。(p106)
 夢を実現するために,ちょっとした意識の変換をするだけで十分です。簡単な方法です。それは「夢」と言わずに「目標」と言い換えるだけです。目標と書いたとたん,あとはその目標に向かってどういう行動をすればいいか,ブレイクダウンしやすくなるのです。(中略)現実的な目標にブレイクダウンすることで,実現が可能になります。(p146)
 あなたの1週間,行き当りばったりではありませんか? もしそうならば,理想の時間割を作ることをオススメします。(中略)理想が一度可視化されることで,実際の行動も少しずつ修正されるはずです。(p150)
 ページ番号の振られたノートは,便利ですが高くてオススメしません。ノートやメモ帳は安いもので十分。コストを気にせず,ガシガシ使うのが一番です。そこでオススメなのがシヤチハタの「ページナンバースタンプ」。(p170)

2020年11月4日水曜日

2020.11.04 松山真之助 『メモ取り・手帳術が面白いほど身につく本』

書名 メモ取り・手帳術が面白いほど身につく本
著者 松山真之助
発行所 中経出版
発行年月日 2006.12.26
価格(税別) 1,100円

● つまらぬモノを斬ってしまった。いや,つまらぬ本を読んでしまった。
 既存のノート本,手帳本を読み漁って,そこに書かれていることをまとめただけの本。優等生が作ったサブノートを読んでいるようだ。
 ここで説かれているいろんな “術” について,思い入れもなければツッコミもない。ただ,既刊本が書いているものをそのまんま転載しているだけ。

● だから,バカバカしいものも大真面目に紹介しちゃてる。たとえば・・・・・・
 たとえば,メモ用紙に楽しいデザインのものを使う,自分の「オリジナルメモ用紙」を作っておく,ひとこと感謝のメッセージを付け加える,など様々な工夫ができそうです。(p30)
 この種の工夫はしちゃいけないってのは,常識として定着していると思う。やってもいいけど,奇異の目で見られるか,仕事のできないヤツと思われるかだけのことだ。まぁ,やめておけ。こういうところで目立っていいことなど何もないぞ。
 生まれてから死ぬまで(仮に一〇〇歳)の人生計画を作るのです。(中略)毎年,なんども書き直すとよいでしょう。さらに配偶者や子供,親の年代や歴史も加えれば人生を俯瞰しながら,いつもと違う思考回路が動き出します。(p64)
 出ちゃったよ。昼間から幽霊が。まさか真面目にこれを受け取る人はいないでしょうね。サラリーマンでも10年後がどうなってるかなんてわからないでしょ。そんな妄想の世界に生きていないで,今に向き合いなさいよってことだよねぇ。
 自己PRのパンフレットを手帳の中に入れておくと便利です。(中略)名刺と一緒にそれを渡すと,『その他大勢,あの方どんな人だっけ? 状態』から抜け出せる格好の個人ブランド向上ツールになります。(p76)
 アッチャー。イタ過ぎる。せせら笑われているでしょうね。アンタが何者かなんぞに誰も興味なんかねぇよ,と言われているでしょ。ダメだよ,いい大人がこんなことやってちゃね。

● まともなことも言っている。「情報をためてから何かを考えようというスタイルではなく,何かをしたいから情報収集しようというほうが,量的にも質的にもよいものが集まります」(p112)というのは,そのとおりだよね。
 ただ,誰でも知っていることだろうけど。ま,こういう感じの本。

2020年10月27日火曜日

2020.10.27 手帳をネタにした貧困ビジネス

● 某書店の手帳売場。

 夢をカタチにする 未来手帳
 書けば自然にみがかれる いい女Diary
 週末野心手帳 やりたいことが叶って,毎日ときめく
 願いを叶える手帳
 お金が貯まる 金の手帳
 魔法の手帳
 愛と感謝が幸せを呼び込む 引き寄せスケジュールブック

 といった手帳がまとめられた売場がある。女性に囁きかけている。女は男より欲が深い。売る方もよくわかっている。

● 書くという行為自体に魔術的な意味を籠めやすいのかもしれないね。書くという行為には呪の力がある,といった方向に傾かせるものがある。
 そちらに傾きがちな人は,たとえば安倍晴明の陰陽道の話なんかが大好きだったりするんだろうかね。

● 佐久間英彰『速攻で仕事をする人の手帳のワザ』に次のような文章がある。
 手帳評論家の館神龍彦さんが,有名人の名前を冠する手帳を「神社系」と定義しました。ありがたがって拝む姿から神社系とはうまく名づけたものです。しかしその手の手帳は,有名人の知名度に拠って買わせるビジネスモデルだと,早く気づいたほうがいいでしょう。(p144)
● 「神社系」とはたしかに巧いネーミングだが,「有名人の名前を冠する手帳」というよりも,こうすれば夢が叶う,お金が貯まる,と謳っている手帳のことを指すものだと捉え直した方がいいだろう。
 実際,手帳で夢が叶うと思って買う人がいる。需要があるから供給があるわけだから。
 ただ,手帳で夢が叶うと考える人は,知的な人とは言いにくいことが多いだろう。

● ありていに申すと,これは手帳を使った貧困ビジネスではないか。
 喰いものにされているのは主には知的貧困者だが,そのかなりの部分は経済的貧困者と重なるだろう(たぶん)。

● 藤沢優月「夢をかなえる人の手帳」(ディスカヴァー21)あたりが嚆矢となるだろうか。今年で19年目を迎えるらしい。累計で170万部売れている。
 こういうのも印税方式で著者にお金が入るのだとすると,この19年間で3億円近い収入を著者にもたらしている計算になる。
 延べ170万人の貧困者が著者に3億円を貢いでいるというわけだ。170万人の貧困者より著者の方がやっぱり賢い。

● バカどもよ,いい加減に目を覚ませ。それを佐久間さんは「有名人の知名度に拠って買わせるビジネスモデルだと,早く気づいたほうがいいでしょう」と婉曲に表現しているわけだ。
 しかし,世にバカが尽きることはない。努力抜きで金持ちになれる,楽して夢を叶えられる,と思っているバカは人類が滅亡するまで存在しているだろう。
 ゆえに,「神社系」手帳は手を変え品を変えて,次々に登場する。であるなら,自分も「神社系」を出す側に回れるように努力してみたらどうか。

● しかし,そうした手帳でも手帳として使えないかと言ったら,まったくそんなことはない。通常の手帳として充分に使用可能だ。
 じつは,価格も他の手帳と同じようなものだ。バカが買ってくれるからたくさん売れるというだけだ。それが大きいわけだが。

2020年10月25日日曜日

2020.10.25 Bun2 10月号

● 宇都宮東武百貨店5階の文具売場にあったので,もらってきた。今月号は「2021年版手帳特集」。といっても,各社の手帳が紹介されているだけだ。
 その各社とは,レイメイ藤井,パイロットコーポレーション,マルマン,コクヨ,シャチハタ,ナカバヤシ,LIHIT LAB.,サンスター文具,クツワ。
 高橋書店,NOLTY,ダイゴー,永岡書店といったビジネス手帳の主だったメーカーは入っていない。これらのメーカーは全日本文具協会の会員になっていないからだと思われるが。

● たくさんの手帳があるものだ。そんなことは今年に限ったことではないわけだが,これだけあると選択する意欲も失せるのではないかと思ってしまう。
 それって,去年まではあまりなかった反応だ。自分はずっと能率手帳派で,すでに来年の手帳も手当済みなのだが,去年まではそれでもいろんな手帳を見て歩くのが楽しかった。
 が,今年はそこのところがすこぶる低調でね。

● 何でもかんでも年齢のせいにはしたくないんだけれども,ひょっとするとそうなのかもしれない。爪を切るときに,自分の爪がだいぶ硬くなっているのに気づくわけだが,硬化しているのは爪だけじゃないだろう。おそらく,頭脳も。
 多くの男性は,特に手帳に関しては保守的で,よほどの理由がない限り一度使った手帳は替えないでずっと使い続けるものだと思っているが,そこに硬化した頭脳が加わって・・・・・・。

● 2020年Bun2大賞の候補商品も載っている。ここでも蔵脳硬化ロートルは遊び心がなく,実用本位で見てしまうのだ。引っかかったのは3つ。
 折りたたみ式クリップボード(ナカバヤシ)。A4を半分に折りたたんで持ち運べる。基本的にはそれだけの商品なのだが,A4のコピー用紙を挟んでノートやメモに使える。コストパフォーマンス抜群。A4なんだからデジタルへの取り込みも楽だ(基本,そんなことをしてもしょうがないと思うが)。

● ジェットストリームエッジ(三菱鉛筆)。油性ボールペンで初の0.28mm。超極細。細は常に太に勝るというわけではまったくないけれども,ゲルではなく油性で0.28mmというのは驚異的だなと思う。
 プラマン(ぺんてる)。40周年記念の限定6色の定番化。ブルーブラックも含まれているので,そのブルーブラックに惹かれる。
 が,では使うのかといえば,万年筆派の自分が使うことはおそらくないだろう。

2020年10月20日火曜日

2020.10.20 日経WOMAN 2020年11月号-私たちの手帳術2021

編者 藤川明日香
発行所 日経BP社
発行年月日 2020.10.07
価格(税別) 745円

● 11月号は手帳特集。しかし,今年はコロナゆえだろうか,例年とは色合いが違っている。バリバリと仕事をしている女性たちの実際の活用例がメインだったのが,今年は,それもあるにはあるのだが,バリバリ度は下がっている。バリバリというよりはマイルドに仕事をしている人たちが登場している印象。
 コロナでホームワークが増えれば,手帳の使い方も変わってくるのは当然だと思うのだけども,ホームワークの実態というのが,ぼくにはイマイチ掴みきれないので,どうにも隔靴掻痒の感じ。

● 「手帳は『未来を書く』から,『今を書き残す』ニーズに変化しつつある」(高橋書店 多田さん p17)という。言っちゃなんだけど,それって昔からそうなっていたんじゃないか。
 これまで手帳は大型化&分厚くなる方向に変化してきた。スケジュール管理がいくら緻密化しようとも,それだけなら能率手帳の大きさで充分のはずだと思う。

● ほぼ日以後の1日1頁タイプの手帳の普及も,「今を書き残す」ニーズに支えられてのことではないか。逆に,1日1頁タイプの手帳が登場したことが,「今を書き残す」ニーズを喚起した面もあるのかもしれないが,どちらかといえばニーズが先で,それを感知して1日1頁タイプの手帳が出てきたのだろう。

● 「コロナ禍以降は,「特別な今」を書き残したいというニーズから,連用日記の売り上げが急増しています」(デザイン・フィル 佐久間翔子さん p49)とも。
 これは書店や文具店の手帳売場を覗けば,感知できることだ。「近年は,若者を意識したデザインのものが増えており,ユーザー層が広がっている」(p49)ことも,そうなのだろうなと思える。
 ここでも,「ほぼ日5年手帳」のインパクトは大きいだろう。手帳文化(?)に関しては,ほぼ日がパイオニアであり続けている感がある。

2020年10月18日日曜日

2020.10.18 能率手帳ゴールド

 ● 池袋に来た。池袋に来たからには,東武百貨店7階の伊東屋池袋店を覗くことになる。ところが,あまり意気が上がらない。
 この時期の花は手帳売場ということになる。その手帳は8月末にそうそうに購入しちゃってる。去年までは,その状態でも各社の手帳を見て回って,それなりに楽しめていたと思うんだけども,それができなくなっている。どういうわけのものかねぇ。

● ほかに欲しいものもない。買う気満々で来ないと,面白くない。予めこれと決めて買いに来るのはもとより,面白そうなのがあったら買うぞという構えでいないとね。
 宝の山にいるはずなのに,宝が宝に見えない状態。文具から気が離れつつあるのかもね。

● 隣の旭屋書店にも手帳売場はある。来年の能率手帳ゴールド,伊東屋にはなかったけれども,こちらにはあった。
 自分が使ってはいけないものだと思うので手は出さない。でも,それって,固定観念に縛られちゃってるってことだよなぁ。エグゼクティブが使うものと決めつけてしまっている。

● 実際のユーザーは普通の兄ちゃん姉ちゃんが多いっぽい。そういうのを,エグゼクティブになりたいノン・エグゼクティブが使っているという言い方で揶揄しちゃってたんだけど,アサハカだったと反省中。
 そういうことではなくて,単純に紙質に惹かれて使っていたり,枯れた味わいに惹かれて使っているようなんだよね。能率手帳ゴールドはエグゼクティブが使うものという決めつけがない。

● こういうのって,他にも色々あるんでしょうね。たとえばホテルだ。
 高級ホテルの最高峰はおそらくアマンでしょ。そのアマンもTwitterなんかを見ると普通の人が泊まっているっぽい。宿泊体験をTwitterやInstagramにあげてる時点でセレブではないだろうから,普通の人たちだと思うんだよね。一所懸命にお金を溜めて泊まっているんでしょ。
 アマンに対して好奇心はあるけど,臆してはいないってことだよね。アマンに負けていない。

● ここからさらに脱線するんだけれども,本物のセレブの人たちってどこにいるんだろうね。セレブどおしで集まってヒッソリというのはあり得ないからね。セレブが自分をセレブと確認できるのは,ノンセレブとの対比においてだけだから。
 ひょっとして,セレブって質素に暮らしているのかね。目立たないように。アマンに泊まったりはしないのかもねぇ。

2020.10.18 「ANGERS」で測量野帳の限定版を購入

● 10日に上野駅構内のANGERSを覗いたら,バウハウス創立100周年記念の測量野帳があったわけですよ。でも,価格に気圧されたのと,ノートのコレクション趣味はないのとで,ま,買うまでもないなと思って見送ったんでした。
 いやね,けっこう一目惚れっぽかったんですよね。パッと目に入ってきて,あ,これいいな,と思ったわけですよ。色といい,デザインといい。黄色地に赤,赤地に黒。黄色の黄色具合,赤の赤具合もいいじゃありませんか。
 だものだから,店を出たあとも,買いに戻ろうかと何度か思ったわけなんですよ。

● で,1週間後の今日,また上野駅構内のANGERSに行く機会がありましてね。バウハウス創立100周年記念の測量野帳がまだ何冊か残っていたわけですね。
 はい,買ってしまいましたよ。黄色と赤,両方ともね。そういう流れですよねぇ。店に入ったときには買うつもりでいるわけだもんね。

● 231円の測量野帳を,表紙の色とデザインが違っているだけで880円で買ってしまうとは,何という太っ腹よ。
 コレクション趣味はないから,使わないでとっておいて,時々取り出して眺めてニヤニヤするというのはナシ。普通に使おうと思ってますよ。

● ネットで “測量野帳” でググってみると,オリジナル版の表紙の緑色が何だかなぁと思っている人もいるんだね。そうかぁ,そういうものかぁ,と思いました。
 ぼくなんぞは,あの緑であってこその野帳でしょと思ってしまう。ずっとあの色だったんだもんね,60年間。初めて野帳に触ったのは40年近く前のことなんだけども,当然,あの緑色だったわけでさ。
 自分がたくさん出ている限定バージョンや伊東屋オリジナルとかLoFtオリジナルとかに惹かれないのは,価格の問題のほかに,そうした故事来歴(?)によるところもあるかなぁ。

2020年10月17日土曜日

2020.10.17 増え続ける未使用のノート群

● 右の写真のとおりだ。ここに写っていないものもある。
 写真の右下のは10冊単位で買って包装されたままの測量野帳。2包ほどある。
 赤く目立っているのは,今は亡きB6ダイスキン。正規のB6ではなく,幅はモレスキンのラージと同じ。
 他にも安いのから高いのまで(ただし,安いのが圧倒的に多い)色々と取り揃えてある。

● この程度なら10年以内で使い切れるだろうと思っていたんだけども,どうも読みが甘かった。というのも,先月からバタッと書かなくなってしまっているからだ。
 現在の状況の直線上に数年後があると考えてはいけなかった。人は良くも悪くも変わるのだ。当然,その中には自分も含まれる。自分に対して不動のイメージを持ってしまうのはよろしくない。

● ともあれ,当然のことだが,以前ほど使わなくなっているので,使い切れないまま一生を終える公算が大きくなってきた。
 ノートっていうのは他用途に転換できない。昔と違って焚き火はできなくなっているから,燃料にすることもできない。使わない状態のまま捨てるしかないものだ。

● そうはしたくないので,何とか使い切るようにしたいのだが,書かなくなったのは書かなくなったなりの理由があるからだろう。自分でも意識できていない理由があるからだ(と思う)。
 無理やり書くという方向に自分を向けるつもりはない。さて,どうなりますか。

2020年10月15日木曜日

2020.10.15 ダイソーの手帳&カレンダーコーナー

● Seriaには8月に来年の手帳&カレンダーのコーナーができていた。が,ダイソーにはその動きがない。どうしたことか,ダイソーは手帳やカレンダーを売る気はないのか。
 もちろんそんなことはなくて,宇都宮トナリエに入っているダイソーの手帳&カレンダー売場が去年までとは変わっていたからなんでした。

● 来年の手帳はもう買ってあるけれど,A6サイズのダイソーの綴じ手帳で充分なんですよ。実用性の観点からすれば,もうこれで欠けるところはない。
 100円でマンスリーとウィークリーが1冊になってるってどういうことよ。

● システム手帳の週間リフィルもね,見開き2頁の年間計画表が付いてれば,迷わず採用だよね。今年は4日間だけダイソーの週間リフィルを使った。が,年間計画表がないのと時刻メモリがないのとで,5日目からBindexに戻したのだった。
 この週間リフィルは見開き2週間になっているのだが,すでに購入済の Bindex No.031 も同じ見開き2週間。年間計画表と時刻メモリが付いているだけで790円になる。

● 4月から隠居生活になった。年間計画表も時刻メモリもなければないで何とかなるかも。
 来年1年間 Bindex No.031 使ってみて,その結果次第では再来年からダイソーの週間リフィルを使うことになるかもしれないな。

● A6の綴じ手帳は機能的には充分すぎるとしても,当分,使うつもりはない。システム手帳を維持する。
 手帳は紙とカードのホルダーも兼ねているからだ。チケットを入れておく。図書館の利用者カードを入れておく。これは綴じ手帳にはできない技で,システム手帳のバインダーの内ポケットが便利だ。それも,バイブルサイズ以上。チケットを折らないで収納できるから。

● (大げさな言い方になっちゃうけど)最終的な形態としてはA6マンスリー手帳とCampusノートをコクヨ SYSTEMIC に挟んで持ち歩くことだ。そうするには手持ちの(Campus以外の)ノートを全部使い切ってしまわないといけないので,いつになるかはわからないんだけど,SYSTEMIC なら収納力もある。紙もカードも挟めるだろう。
 それまではバイブルサイズのシステム手帳と小型ノートを使っていくということですな。

2020年10月14日水曜日

2020.10.14 測量野帳のカバーについて

● 測量野帳のカバーは,メジャーなのやマイナーなのが,いくつも出ている。が,野帳にカバーなんか付けたらせっかくの薄さと表紙の質感をダイナシにしちゃうよねぇ。
 使っていいのはコクヨ純正のクリアカバーだけだと思われ。これなら薄さはそのまま保たれるし,透明だから表紙の質感もそのまま味わえる。

● 野帳はそもそも堅牢なので,カバーなど付けないで裸の状態で使うのが一番いいのだと思う。といっても,文字どおり測量の現場で使っている人は,雨の日もあるだろうし,夏なら急に降られることもあるだろう。それらに備えて,撥水性を高めるためにカバーを付けるのはありそうだ。
 実用性を求めてカバーを使うのは,しかし,それくらいのものではないか。

● 裏表紙内側のポケットはチケットやレシートなどの小物入れに使える。メーカーもそこを訴求している。が,そのように使ったことはない。財布も持っているわけだし,システム手帳のバインダーのポケットもある。
 コンサートチケットの多くは野帳カバーのポケットにピッタリ入る。“ぴあ” で購入してセブンイレブンで受け取るチケットは,野帳のサイズに合わせたかのごとくにジャストサイズだ。
 が,なかには野帳ポケットより長いチケットもある。チケットの一時保管場所としては,バイブルサイズのシステム手帳のバインダーがいい。

● ここからはカバーには関係のない話。野帳はノベルティ商品としても用いられることがあるようだし,販売店が自店限定の表紙を付けて売ってるし,イベントを開催する際に記念品として有償販売してたりすることも多い。
 そういった当店野帳やご当地野帳は SKETCH BOOK ばかりなんだよね。測量現場以外では圧倒的に SKETCH BOOK が使われているんだろうから,そうであって当然なんだけども,横罫派のぼくは LEVEL BOOK しか使っていないので(今のところは),何やら疎外感を覚えてしまう。

● まぁ,しかし。自分も使っている測量野帳が隆盛なのは結構なことだ。ノートや手帳の類で,ユーザーが面白そうだと思えるのは(つまり,Twitterで見て面白いのは),能率手帳ゴールドと測量野帳が双璧で,次いでトラベラーズノートとジブン手帳。
 ぼくの野帳の使い方は,ひたすら文字を書くという面白くも何ともないものだけど。

2020年10月12日月曜日

2020.10.12 測量野帳を42日間かかって使い終えた

● 9月1日から使い始めた測量野帳(LEVEL BOOK)を今日,使い切った。42日間もったことになる。前回は13日で使い切っているので,3倍以上。
 書く量が3分の1以下になったということでもある。書くときの分量は以前と変わっていない。つまり,書かない日が多くなっているということ。2,3日抜けるのはしょっちゅうで,10日以上離れてしまうこともある。


● 大したことを書いているわけではない。結局,日記(日誌)的なものになってしまっている。日記など書いてどうするのかとも思うが,それ以前に日記的なものはTwitterにあげているので,同じことをノートに書くのは時間のムダというものだ。
 それゆえ,書かなくなっていること自体は,ひょっとすると進歩かもしれないのだ。重複を省けるようになってきたという意味で。


● Twitterには出せないことも当然ある。そういうことは書いておいた方がいいだろう。
 のだが,そんなにたくさんあるわけではない。そういうことしか書かないとなると,薄い測量野帳1冊で3月はもつかもしれない。


● しかし,何を書いて何を書かないかというのは,つまるところはどうでもいい問題だ。書きたくなったら,書きたいことを,書きたいだけ,書けばいいのだ。
 そこにルールは要らない。もう仕事はしていないのだしね。気分に任せていいでしょう。


● とはいっても「気分の問題ね,ではそういうことで」というわけにも行かない。手で書くことには手で書くことでしか引きだせない効用があるからだ。
 キーボードよりも手書きでそれを実感するのだけれども,書くこと自体が次に書くべきことを引っ張りだしてくれるということだ。書くことでどんどん思考の底に降りていけるような。書くことで気づきが広がるような。


● 書くという行為を介在させないで考えることはできないとも思う(できる人もいるのかもしれないが)。本を読むだけで考えることはできるだろうか。見聞だけで考えを深めることはできるだろうか。
 その後に「書く」をしないと,読書も見聞も完結しないのではないか。書かない人は考えない人だと言ってしまっては,牽強付会に過ぎるだろうか。
 下手な鉄砲も数打ちゃ当たるで,まずは「書く」を増やすことが,考える人になる第一歩になるとすれば,「書く」が減っているのは好ましいことではない。


● で,もっと書かなきゃと思ったりもするんですよね。気分でいいじゃんとも思ってる。揺れ動いております。

● ところで,今回使った野帳は,ほぼ全ページにわたって左右の罫線のズレがなかった。見事に揃っていた。神々しいほどだ。
 こういうところが,コクヨへのリスペクトにつながる。コクヨ以外のメーカーでも同じ努力をして同じ結果を出しているのかもしれないけれど。

2020年10月10日土曜日

2020.10.10 上野駅構内の「ANGERS」で

● 台風が近づいているので外出しようと思う。今回は(東武ではなく)JRで東京に。上野駅で途中下車して,駅構内のANGERSへ。
 バウハウス創立100周年記念の測量野帳があった。色は赤と黄色の2種。880円。
 けっこう食指が動いたんだけども,結局,買えなかった。オリジナルは税込み231円だもんなぁと思ってしまって。カウネットなら160円で買えるんだよ。デザインに稀少性があるからといって,880円も出す気にはなれなかったんだよね。あ~ぁ,自分のケチ性分。


● ノートをコレクションするという趣味がないせいもある。880円だろうが8,800円だろうが,ノートは使ってナンボ。バウハウス記念の測量野帳も躊躇なく使う。
 で,使ってナンボであれば,表紙の色やデザインなどどうでもいい。安いオリジナル版でいい。そもそも同じものなのだから。

● その測量野帳に月間予定表を印刷して手帳にしたものが1,100円で売られている。そのコーナーがあったのだが,ひとつだけ製本の仕方が違うものがあった。
 用紙20枚の中央を一遍に糸でかがって二つ折りにしてある。ナカバヤシの野帳かと思うが,この製本の仕方も悪くないなと思った。


● コクヨ版のは折丁を5つ重ねて糊付けしている。こうすると閉じるとピタッと閉じ,開くとパタンと開き,手を話しても開いたままになる。が,折丁をまたぐときに糊付け部分は開かないから,このときだけはパタンと開かなくなる。段差ができる。
 ナカバヤシ方式ならそれがない。その代わり,ピタッと閉じパタンと開くというわけにはいかなくなる。どちらがいいかは好みによるとしか言いようがない。

● ANGERSでは書籍も扱っている。本を売るためというよりは,書斎を演出するためだろうけれども,ともかく書籍も商っている。どんな本を選んでいるか。それは店によって違う。この店と東京駅前のJPタワーにある店では,演出の仕方が違っている。
 で,その選び方,店側の美意識というのかポリシーというのか,それを見るには,美術館で絵画を見るように距離を置いて眺めるのが正解だ。つまり,そうした方が見えやすいから。

● ところで。依然としてその感じが抜けないのだけど,今年は文具店や書店の手帳売場があまり盛りあがっていないような気がする。こういうところでもコロナの影響が出ているんだろうか。
 Googleカレンダーなど使いものになるデジタル手帳が出てきても,紙の手帳は売上を伸ばしてきた。が,現時点で,今期の販売実績は前期を下回っているのではないかと思えるのだが,実際のところはどうなのだろう。

2020年9月29日火曜日

2020.09.29 手帳売場が充実してきた

● 宇都宮の某書店の手帳売場。高橋とNOLTYと博文館のみだったのが,だんだんと品揃えが整ってきた。

● 左の写真の手帳は,ビジネス書が売れたのがきっかけで手帳も作ったという人たちの手帳。中身はどれもほとんど同じ。方眼で,スケジュール欄は週間バーチカルで,ToDoリスト欄があって,っていう。
 毎年出るんだから,そこそこ売れているのだろうね。


● 昔,邱永漢さんが「実務手帳」をいうのを作った。1990年からだったか。自身が亡くなる2012年まで続いた。が,何度も版元を替えながら,どうにかこうにか出し続けたというふうだった。
 上着のポケットに入るサイズで値段は千円程度。決して高くはなかった。
 が,手帳自体に特段の特徴があったわけではなかった。巻末に「邱永漢のすすめる旨い店」のリストが掲載されていたり,金融や株式についてのデータが付いていたりということはあったが,そうした付録で特徴を出そうとしているだけに見えた。

● 邱永漢さんほどのカリスマ性もないと思われる人たちが自身の名を冠した手帳を出して,しかも内容はだいたい同じなのに,それぞれに売れているのは(じつは売れてはいないのかもしれないが),方眼やバーチカルやToDoリスト欄が現在の主流であるからだろう。
 NOLTYや高橋書店からも出ているが,わずかに他とは違うところがあって,ニッチ的需要を掴んでいるのだろうか。が,本人たちの人気がいつまで保つものやら。あらかたは早晩消えると見るのが大方の予想だろう。


● 「ほぼ日手帳」以来,1日1頁が市民権を得て久しい。ここを切り拓いたのはほぼ日の功績だ。マークスの「EDiT」が後を追ったが,ここでも「NOLTY U 365」が手堅いか。価格的にも訴求力が高い。
 1日1ページタイプに対する需要の総量がさらに増えるとは考えにくい。先駆者のほぼ日が獲得したシェアを後発組がどれだけ奪えるか。


● 手帳には “貼る” があるので(ぼくはわりと貼る方だ),綴じ手帳だと分厚く膨らんでしまうのがね。そこが味になるんだよ,と言う人もいると思うんだけどさ。
 ぼくは,Bindex No.031 を使うつもりで用意済み。ここ四半世紀ほどシステム手帳を使っている。中身はずっと能率手帳のレイアウト(週間レフト)。来年は見開き2週間のタイプにする。


● 今日のところは,手帳売場で足を止めるお客さんはあまりいないようだった。例年そうだったか。
 あるいは,今年はコロナの関係で,手帳への需要にも何らかの変化があるのか。

2020年9月15日火曜日

2020.09.15 書店に手帳売場が出現

● 宇都宮市の書店。手帳売場ができておりました。去年と同じ場所に同じ広さの手帳コーナーが設置された。
 今年はずいぶん遅いなと思ってたんだけど,例年この時期なんでしたっけねぇ。NOLTYと高橋書店の手帳は9月早々には店頭に並ぶというイメージがあって,同じ頃にこうした設えができあがると思ってたんだけども。

● 今のところ,高橋とNOLTYと博文館のみだが,これからそれ以外のものがドドッと入ってくるのだろう。
 ぼくは来年の手帳は購入済。手帳は1冊主義なので,もう買うことはない。だから,手帳売場なんてどうでもいいようなもの。
 が,手帳売場は秋の風物詩になっている。ないともの足りない。

● 今のところ,ここで足を止める人はあまりいないようだ。まだ来年のことを考えるには早すぎる。手帳を買うのはもっと後になってからでいい。年の瀬が迫ってからで充分だ。と考えるのが,まぁ普通でしょ。
 年配の男性は手帳に関しては保守の権化のようなもので,今年使っているものを来年も使うだけだ,という人が多いだろう。年末に買えばすむ。

● 手帳や文具を話材にしてSNSに上げてるような人は,女性に多い。彼女たちは3つも4つも手帳を買って,それらを並行して使うという,昭和原人には神業としか思えないことをやってのける。
 ところが,彼女たちが選ぶのは書店の手帳売場には置いていないものが多かったりする。モレスキン,ロルバーン,ほぼ日,EDiT,などなど。

● というわけだから,手帳売場が賑わうのはしばらく先のことになる。

2020年9月8日火曜日

2020.09.08 ダイソーのホワイトボードノートを持ち歩いてみることにした

● ダイソーのホワイトボード商品群の中で,最初に買ったのはホワイトボードノート。その後,ホワイトボードを3個買った。
 しばらく使い途などなくて,埃をかぶっていたんだけども,今はこの3枚は使えている。っていうか,けっこう役になっている。
 2枚は冷蔵庫に貼って,家族(2人しかいないのだが)の連絡用に。あるいはコミュニケーション用に。もう1枚はメモパッド代わりというか,保存期間のごく短い(数分間)備忘録用に使っている。

● ホワイトボードといえば,会社でブレーンストーミングやアイデア出しの会議をするときに使うと便利なものというイメージ。けど,そういうクリエイティブな使い方をするにはそれなりに大きなホワイトボードが必要になるでしょ。
 個人で持つと邪魔になるし,そもそも個人でそうした使い方をする人は少ないだろう。もしやるとしても,情報カードやポストイットを使ってやることになるだろう。

● そういう使い方はぼくには不要なのだけど,家庭内連絡ボードとして定着した。が,ホワイトボードノートだけが所を得ていない。
 何とかしたいのだが,家の中では出番はなさそうだ。外に持ちだせば使う局面があるかな。ないな,たぶん。でも,とりあえず持ち歩いてみるか。

● というわけで,ホワイトボードノートを持ち歩いてみることにした。とすれば,マーカーも一緒に持たなくてはならない。ペンケースに入りそうなイレーサー付きのを買った。
 ホワイトボードノートにはイレーサー付きマーカーが1本付いてくるんだけど,そういうものはすぐにどこかに行っちゃうわけで。

● ホワイトボードノートって,最近,ダイソー以外のところから同じようなものが出てるじゃないですか(とはいえ,ダイソーが初めて出したってわけではまさかないでしょうけど)。けっこういい値段で。
 ダイソーの100円のじゃダメなのって思うんですけどね。ま,高いものは値段なりに使いやすいのでしょうね。キングジムのブギーボードも良さそうだ。

● ともあれ。持ち歩いてみる。メモパッドを使いたくなるところがホワイトボードノートの出番だと思う。が,出先でメモパッドを使いたくなったことなんか,一度もないんだよね。そこが問題。
 でも,いいのだ。持ち歩いてみるのだ。


(2021.01.02 追記)

 ダイソーのホワイトボードノートは,結局,捨てた。めくりづらさがネック。
 学研ステイフルのホワイトボードノートを新たに購入したが,これも使うかどうかわからない。つまり,使い途がどうも見あたらない。そうとわかっていても,買いたくさせる霊能力をホワイトボードノートは持っている。
 が,ホワイトボードはボードの状態でこそ,使い方も広がるような気がする。

2020年9月6日日曜日

2020.09.06 高畑正幸 『文房具語辞典』

書名 文房具語辞典
著者 高畑正幸
発行所 誠文堂新光社
発行年月日 2020.01.21
価格(税別) 1,600円

● 文房具語の辞典を作ってしまうのだ。文具王の薀蓄はハンパない。リキも入っている。まさに辞書を読む体験をすることになるだろう。
 礬水引き(どうさびき)ってわかります?
 鉛筆を両側から削ることを“びんぼう削り”という。この用語,全国区なんですかね。
 テームデミ,ノスタルジックですねぇ。

2020年9月1日火曜日

2020.09.01 ありゃりゃ,また書かなくなったよ

● 8月21日に「測量野帳を13日間で使い終えた」ので,次も測量野帳の LEVEL BOOK を使うつもりでいたのだが,それを使い出したのは今日になった。
 つまり,10日間ほど何も書かずに過ぎてしまったわけね。

● 測量野帳に替えてがぜん調子が出てきたと思ったんだけども,その調子は13日しか続かなかった。どうもね,退職して毎日が日曜日になってから,万事,どうも低調でありますよ。
 この10日間は何をしていたのかといえば,忙しくて野帳を開く時間などなかった,なんてことのあるはずもないわけでね。

● そもそも,7年前に手書きでノートに何事かを書きつけることを始めたのは,喜怒哀楽(特に怒)を紙に吐きだすことによってスッキリしたいと思ったからだ。憂さの捨てどころを作ろうと思ったのだ。書くことによってストレスを溜めないようにできればと思ったのがキッカケだった。
 実際には,そのようにノートを使えたことは少ないのだが。

● 退職するとそのストレスが激減した。吐きだすべきものが溜まらなくなった。ゆえに,書く必要も激減して書かなくなった。
 というのなら,わかりやすい直線的な説明になるんだけれども,どうもそういう単純な話ではなさそうでね。

● ただ,毎日書くのが良くて,今の状況はよろしくないと言えるかどうか。減るなら減るでいいではないかと,思うようになってきた。
 ので,ここで自分に鞭を入れなければとは,必ずしも思っていない。

2020年8月30日日曜日

2020.08.30 来年の手帳を購入

● 東京で呆けたようになっている。呆けているのはいつものことで,そのいつものことを東京でもやっているだけなんだが。今日はこれから帰宅する。ホテルのある銀座から東京駅までフラフラと歩いてきた。
 で,涼みがてら大丸に入った。で,相方に,8階に東急ハンズがあるよ,と教えてもらって。

● で,8階を覗いてみた。買うとすれば来年のシステム手帳リフィルくらいのものだ。
 色々あるが,何を買うかは決めている。BindexのNo.031だ。レイメイ藤井のDavinciとKNOXのはあるんだけど,Bindexは見あたらず。

● マークスのシステム手帳。女性にアピールしている。
 Seriaのamifa「シンプルガール」はこれを真似たものですかねぇ。100円グッズの組み合わせで,けっこう,肉薄しているところがすごいと思うが。

● 便箋,一筆箋など,誰かに渡すことを前提にした,手書きするための紙片が充実している。手書きで書いたのを誰かに渡すというのが,1億総SNSの時代にあって,かえって息を吹替しているんだろうか。
 掌サイズのメモパッドのようなのがある。10枚で500円だ。いや,高いわけではないのだ。その価格で仕方がないと思わせる装飾が施されている。ユーザーは若い女性としか想定できない(ということは,40代半ばまでの女性が使うだろう。メーカーもそれを当てこんでいる)。
 彼女たちは言葉をギフトしたりされたりという世界にいるんだろうかね。ギフトなんだからコピー用紙ですませるわけにはいかない道理だ。

● 丸善の丸の内本店も覗いてみた。ここにはBindexの来年のリフィルがあった。
 社会人として物心ついた頃から能率手帳ひと筋。ここ十数年はBindexのNo.011(週間レフト)を使用。
 が,来年は変えてみる。変えてみると言ったって,これは “変える” と言っていいのかどうかためらうほどだ。ともかく,その決めていたのを買った。

● これに無地リフィルを合わせて,「旅するように毎日を過ごして」行こう。
 いやね,「トラベラーズノート」は手帳で作るのがいいんですよね。年月日に紐づいているんだから,振り返るときに便利だ。
 綴じ手帳だとさすがに難しいかもしれないれども,システム手帳ならできる。

● 「旅するように毎日を過ごす」というトラベラーズノートのキャッチコピーは秀逸だし,多くの人に刺さるものだと思う。では,旅するように過ごすとはどういうことか。旅に出たときにどうしているかを思いだすのが基本だ。
 写真を撮る,現地の食べ物を食べてみる,観光地を訪ねる,土産を買う,チケットや絵葉書を貼って保存する。
 日常でその全部をすることはないが,写真を撮ったり記念になるものを貼るということに対しては,即時対応の態勢を整えておくべきだ。

● そのためにスマホを持ち歩く,手帳を使う(ノートでもいいわけだが),というのは必須であろうかと思う。
 要するに,「旅するように毎日を過ごす」を実現するためにはまず手帳を持つことだと,かなり本気で思っている。

● もうひとつ,メモティも購入。「70周年記念限定アイテムとして発売しましたが,ご好評につき定番商品として販売することとなりました」とある。色は限定アイテムより抑えているようで,売場にあったのは,通常版,小型版ともに4色。
 ぼくが買ったのは通常版。3.5mm方眼で中紙は87枚。

● 縦に35マス,横に23マス。縦横とも5マスごとに点が打たれているから簡単に数えることができる。
 縦に35マスということは,5×7。5マスを1日分として,ちょうど7日分。週間レフトタイプの手帳のように使うことも可能だ。おそらくだけれども,メーカーはそれを意識して,方眼幅を3.5mmにしたのではないかねぇ。
 まぁしかし,そういう使い方をするなら最初から能率手帳を買えよ,って話ではある。メーカーのサイトにメモティの記載例が載っているんだけど,そんな使い方は出ているはずもなし。

● 横罫派のぼくとしては,1マスに1字ずつ書いていくと1ページに805文字書けますよ,と教えてくれるためにこの点を打っているのかと思ってしまう。
 3.5mm方眼でマスの中に収める書き方ができるか。できる。極細のボールペンを使って充分に可能だ。ぼくは小さい字を書く人間なので。しかし,できるとやりたいは別ものだ。
 かといって,2マスをユニットにするとA罫になってしまう。これでは間延びし過ぎる。
 けっこう取り扱いに困る。方眼線がガイドラインになる状況が想定しにくい。あくまで,自分が文字しか書かない横罫派だからなんだけど。

● メモティに入っているNOLTY宣言(?)。例年のことだけど,NOLTYはこれが上手いよねぇ。よし,NOLTYの手帳を使ってみようという気にさせるというかね。
 この紙片を手帳に綴じておきたいからという理由で,NOLTYを買う人がきっといるはずだと思う。ぼくもこうしてデジタル化して保存しているわけだけど。

● 手帳とは関係のない話。丸善のカウンターにあったコマーシャルペーパー。
 最初の見開き2ページで丸善オリジナル文具の紹介。といっても,丸善のオリジナリティは,率直に言えば,ないに近い。
 完成度の高い日本メーカーの製品に実質的に何ものかを付加するのは,かなり難しいと見る。

2020年8月28日金曜日

2020.08.28 TwitterからLINEのKeepメモに移ろうかと思ったんだが・・・・・・

● Twitterで “いいね” したツイートをLINEのKeepメモに転送した。1個ずつ手作業。泣くね。でも,その作業中に “いいね” したツイートを読み返すことができた。
 なぜそんなことをしたかと言えば,Twitterをやめる準備作業だ。やめるならば,すべて消去してしまいたい。その前に “いいね” を救い出しておく。

● なぜTwitterをやめようとしたのかといえば,Twitterを日記帳としてしか使っていないからだ。日記なら自分1人が読めればよいので,人様に読んでいただくものじゃない。ま,あまり読まれてはいないのだけど。
 Twitterを非公開にすればいいじゃないかとも思ったんだけど,Twitterの非公開はいわゆる鍵をかけるというやつで,鍵をかけてもフォロワーには伝わるわけだから,あくまで公開の範疇であって,非公開ではない。

● スタート時から鍵をかけて,フォロワーを発生させないようにすればいいのだけれども,途中から鍵をかけたところでどうにもならない。
 かといって,今からフォロワーをブロックするのもおかしな話だろう。っていうか,そんなことができるわけがない。とすれば,今までの分はIDごと全部ひっくるめて消してしまった方がスッキリする。

● ただし,Twitterは情報を取る方法としてはかなり優れたものだ。いくつもあるニュースサイトよりもずっと使える。
 自分がこれはと思うオピニオンリーダーをフォローしておくだけで,自分用の週刊誌が自動的に編集できる。しかも,書店に並んでいるリアルの週刊誌よりずっと良質だ。知的水準も高く,ためになり,蒙を啓いてもらえる。

● ので,今のTwitterIDは削除して,新たにIDを作って,受信専用として使う。新たなIDでは自分は一切ツイートしない。
 自分から「発信」することは今までもやってなかったと思うのだが,ログを残して保存しておくための装置としては,文章に写真を4枚まで添えられるTwitterは恰好のものだった。ので,Twitterを日記がわりにして,ログを残してきたわけだ。

● が,LINEにKeepメモが登場したのだから,ログは全部Keepメモに溜めていけばいいじゃないかと思ったわけなのだった。試しに,Twitterの “いいね” をKeepメモに移してみようと思ったんでした。
 で,結論から言うと,TwitterとTwilogの合せ技をKeepメモでそっくり代替できるかというと,とても無理なんですよね。Keepメモだと単純に積もっていくだけだから,ある程度以上に溜まってしまうと,掘りだすのが大変そうだ。もちろん検索機能はあるんだけど。

● その点,Twilogにはカレンダーから呼びだせる機能がある。時系列からも辿れるというのは,大した安心感をもたらすものだ。
 結果において,Keepメモに閉じこめておくよりも,自分のログを自在に扱えそうだ。ので,結論としては現状維持ということ。

● ただし,たとえば政治と宗教の話はするなと言われる。ところが,その話題でツイートしてしまうことがあった。あるいは,人様のその種のツイートに乗ってしまうことがあった。
 そういうものは,今日より以後はKeepメモに投じていくことにする。

2020年8月21日金曜日

2020.08.21 古川武士 『こころが片づく「書く」習慣』

書名 こころが片づく「書く」習慣
著者 古川武士
発行所 日本実業出版社
発行年月日 2018.10.20
価格(税別) 1,300円

● 言われていることは理解できるし,効果もあるのだと思うのだが,「書く」ことが必要なときには「書く」ことができるだけのエネルギーが枯渇している場合が多いんだよね。そこが問題。
 一度でもやって効果を実感するのが,その隘路を脱する一番の近道だと言われると思うんだけど。

● 以下に転載。
 私たちの心は,1つのことに没頭しているときに豊かさを感じやすいという特徴があります。(p30)
 人はネガティブな感情と声を吐き出しきれれば,今度は自然とポジティブになっていけるものです。(p66)
 私たちは反省することは自然と行っていても,あえてよかったことを振り返らないものです。(中略)私たちの感情を左右するのは,事実や出来事より解釈・捉え方です。自己嫌悪感は,反省点や失敗ばかりに強く焦点を当てているから生まれてくるのです。マイナスの出来事にフォーカスしている思考をバランスよくするには,よかったことに目を向ける習慣が必要です。(p72)
 「怖くて言えない」もしくは,「つい言いすぎてしまう」最大の原因は,その場のコミュニケーションの即興性に頼りすぎるからだと私は考えます。(p107)
 脳が言い訳できないところまで曖昧さを排除して,行動プランを具体化することです。行動プランを脳が行動命令として受け取れるまで具体化すると,ぐっと行動しやすくなります。(中略)ポイントは,「面倒」「怖い」「不安」「時間がない」などの感情が出てこなくなるまで徹底的に行動のハードルを下げることです。(p121)
 人は止まっているときにやらない理由を,逆に,動き始めるとやる理由を考えるものです。(p124)
 行動の心理とは「慣性の法則」のおうに,小さく動き始めるとどんどん勢いを増していくものです。(中略)0を1にする初動の管理が,行動力の差と言っても過言ではないのです。(p126)
 動きだすと情報が集まり,思わぬ解決策が見つかることがあります。(p135)
 日記とは本来,過去を振り返るものですが,ここではあえて「未来日記」としてまだ起きていない明日のイメージを描くことを提案したいと思います。「未来日記」の目的は,よい未来をイメージして書くことで,実際にそれを手に入れやすくすることです。発想は単純ですが,やってみると驚くほど感情に変化があります。未来を詳細にイメージできれば,脳はそれを現実化するのです。(p157)
 童話作家のメーテルリンクは次のように言っています。 「みんなが考えているよりずっとたくさんの幸福が世の中にはあるのに,たいていの人はそれを見つけられない」(p168)
 感情は磁力のようなものを持っており,プラスを引き寄せるか,マイナスを引き寄せるかは普段心でどういう感情を味わっているかに大きく左右されます。(p169)
 あなたの運命を変える出会いは,想定外のところにあります。好奇心を原動力にして,新しい世界を切り開いてみませんか?(p172)
 人は誰かに感謝されて,役に立ち,必要とされたがっています。感謝の気持ちをあなたが抱くことそのものが,周りの人の自己肯定感,貢献感を高め,ときには癒しにもなり得るのです。(中略)ここで押さえておきたいのは,感謝とは見出すものであって,実際に起きる出来事や人に含まれているものではないということです。(p176)

2020.08.21 測量野帳を13日間で使い終えた

● 9日から使い始めた測量野帳(LEVEL BOOK)を使い終えた。13日間で1冊。中紙40枚の薄型ノートとはいえ,13日でいっぱいにするとは,なかなか書いたものだな。
 このブログもそうだけれど,大したことは書いちゃいなのだけどね。どうでもいいことをダラダラと長く書いているだけなのだけど。

● でも,4月以降,手書きする量が激減して(その代わり,TwitterのTweetが増えた),もう手書きはやめてもいいかと思わなくもなかったので,そこからするとV字回復だ。
 7月に入ってからはポツポツとながら続くようになっていたので,それが加速したという感じですかね。測量野帳に替えてから書く量が違ってきた。
 ただし,弊害もあるよ。1日の最も長い時間をこの書く作業に使ってしまうことになるからだ。

● どうも体が測量野帳を嬉しがっているような気がする。意識には上がって来なくても,体が反応するってことがあるんだろうか。
 ダイスキンは安価で使い勝手が良くて,こんないいノートはないと思っていたけれど,体は測量野帳を良しとしているという感じ。
 単に,目先が変わった結果の一時的な現象かもしれないんだけど,ずっとダイスキンを使ってきて厭きてきたというのとは違うような気がしている。

● 自分が何を書いているかを顧みれば,高価なノート,高級なノートは要らない。筆記やその後の保存に支障が出るほどの粗悪さでは困るけれども,実用性を満たしていればそれだけで充分だと思っていたし,今も思っている。
 ダイスキンは100円だけれども,実用性においてモレスキンに劣るところはない。が,測量野帳に比べると気分が上がらないのも確かだ(くどいようだが,一時的な現象かもしれない)。
 ちなみに,モレスキンは二度使ったことがあるが,二度とも意気は上がらなかった。

● 野帳に特有の何かがあって,体がそれを感知しているんだろうか。それを相性と呼ぶのか?
 が,野帳を使うのも,今回が初めてではない。そのときも,2冊程度で他に移っている。ずっと使い続けるということにはならなかった。
 思いだした。過去にもこういうことがあった。ノートを替えたら書く量が増えて,快走感を覚えたこと。ダイスキンから無印の「開きやすいノート」に移ったときだ。ノートでこんなに変わるんだと思ったのではなかったか。
 しかし,やはり「開きやすいノート」を使い続けることはなく,ダイスキンに戻ったのではなかったか。

● しかし,今のところは,野帳を広げて何か書きたくて仕方がないという感じが続いている。ダイスキンは本妻,他は側室としても,この側室とはけっこう深い付き合いになりそうな気がする。
 果たしてどうか。流れに任せてみようと思っている。生身の女性ではなくノートのことなのでね。

● にしても。測量野帳は文具店で買っても231円。コクヨの通販サイトで買えば,150円程度のものだ。安いと言っていいだろう。なのにこのルックス,この品質,この使い勝手。
 与謝野鉄幹の「妻をめどらば才たけて 顔うるはしくなさけある」という歌詞の「才たけて顔うるはしくなさけある」という形容を測量野帳に与えたくなる。

● ところで,この「人を恋うる歌」は詞の調子だけでできている。内容はいたって幼稚に思えるのだが,そういう時代だったのだろうか。あの頃の日本は,血気にはやる青年時代だった。
 今どき,「結婚するんだったら,美人で頭が良くて情がある女性がいいですねぇ」という若者がいたら,「おまえ,自分のことを考えたことがあるのか」と一喝されるだろう。
 女性が独身で生きていくことが難しかったゆえ,男は自分を忘れて夢を見ることができた。そういう時代がいい時代だったとは思えない。

● 次は何を使おうか。在庫はどっさりあるのだ。選り取り見取りだ。
 方眼には苦手意識があって経験しているんだけども,方眼ノートもたんとあるぞ。野帳の SKETCH BOOK,NOLTYのメモティ,ほぼ日の方眼ノートなどなど。

● まぁ,しかし。野帳に替えて調子が出ているのだから,調子が出る何かを野帳は持っているのだろう。同じ LEVEL BOOK を続けて使うのがいいだろう。
 9日に LEVEL BOOK を5冊買っているんだしね。

● 世の中にはトラベラーズノートだけをずっと使い続けている人,Campus一本の人,ずっと野帳の人,といったこれひと筋という人が,たくさんいるのだろう。
 そういう人を尊敬する。手帳は毎年同じものでいいのだが,ノートはどういうわけか,そういう具合にならない。

2020年8月19日水曜日

2020.08.19 ダイスキンはあまり動いていない?

● 宇都宮トナリエ4階のダイソーに。Seriaではすでに来年の手帳のコーナーが設置されているのに,ダイソーはまだのようだ。
 王者は慌てないのだ。ゆっくりと急ぐのだ

● ダイスキンの売場を見る。旧型ダイスキンは80枚の黒がひっそりとある。たぶん,6月に入荷したものが残っているのだと思う。つまり,あまり動いていないのではないか。
 新型ダイスキンも同じ。これはどういうわけだろうか。以前のダイスキンブームは去ったのか。あるいは,ダイスキンブームなんて最初からなかったのかねぇ。

● ダイスキンはモレスキンとの対比で注目されてきた。形状はモレスキンをパクったものだが,価格は20分の1で品質はほぼ互角かダイスキンがやや勝るというところが,注目される理由だったと思う。モレスキンの価格に対するあまりの質の悪さが,ダイスキンの名声(?)を生んだ。
 そのダイスキンがあまり動いていないとすると,モレスキンもまた動きが鈍くなっていたりするんだろうか。

表側
● 新型ダイスキンの新しいのが出ていたので買っておいた。カバーが布製。A罫で64枚。
 ところで,旧型と新型は何が違うのか。ぼくが勝手に分けているだけなのだが,一応,整理しておきましょう。
 旧型というのは,ダイソーが最初に出したモレスキン似のノートのこと。それがいつ出たのかは知らないけれど,2012年にはすでにあったと思う。黒,赤,黄,橙の4色。白もあったらしいんだけど,ぼくは見たことがない。

裏側
● 判型はB6,A6,A7の3種。ただし,A7を目撃したことは,ぼくはない。B6といいA6といっても,正規サイズでないことはご存知のとおり。モレスキンのラージとポケットに合わせている。
 B6は72枚,A6は96枚。A6はモレスキンポケットと同じ枚数を確保していて,まったくモレスキンと同じ仕様。唯一,ダイスキンには紙ポケットがない。

● ダイスキンには横罫しかない。B罫だ。モレスキンは無地,方眼,横罫と揃えているけれども,横罫はB罫なので,ダイスキンはそこもモレスキンに合わせてきている。
 ちなみに,ネット界隈では,ダイソーに方眼のダイスキンを出してくれという要望が多かったが,ダイソーは「アンタら,寝言は寝てから言いな」的に無視し続けた。

旧型ダイスキン
● 当時,ダイスキンは供給が不安定だと言われていて,見つけたら買っておいた方がいいよと言われていた。かつ,理由は知らないけれども,ぼくがダイスキンを知った時点で,黒が払底していた。
 ので,黄と赤と橙を見つけ次第買っておく的なことをしていたんだけど,黒よ出ろ,とずっと思っていた。というのは,ダイスキンは表紙の色に関係なくゴムバンドは黒なのだ。黄色の表紙に黒のバンド,橙の表紙に黒のバンドは,やっぱり合わない。モレスキンはさすがに表紙の色とゴムバンドの色は合致しているわけで,これが表紙が黒なら問題は消滅する。

今は亡きB6ダイスキン
● その黒が復活したのは2014年の今頃だった。黒いダイスキンを売場で見つけたときは,歓喜雀躍,あるだけ全部買った。
 ただし,この際,B6は黒だけ60枚になっていた。A6は96枚のままだったんだけど。この後,B6は他の色のも60枚になり,そしてB6そのものが店頭から消えた。
 A6も黒は80枚になった。その状態がずっと現在まで継続しているんだけども,どうやら96枚ダイスキンを見ることはなくなっているので,96枚ダイスキンはもう消えたのだと思う。80枚の黒もひょっとすると流通在庫だけになっているのかもしれないと思う。

新型ダイスキン
● それに代わっているのか代わっていないのかは知らないけれども,従来にはなかったダイスキンが登場してきた。表紙が大理石調だったり木目調だったりするやつ。
 出るたびに一応買い揃えたつもりなんだけど,写真のごとくだ。A7サイズも新型で復活した。
 特徴は,罫線がA罫であることと,中紙が64枚であること(ただし,例外もあって,写真の下段の2冊はB罫だ)。もうひとつ,表紙とゴムバンドの色が揃っていることだ。
 それ以外は変わらない。どちらもメイド・イン・チャイナだし,紙質も同じだ。じゃぁ新旧とも同じものでしょ,区別する実益があるの,と言われれば,あまりないかもしれない。つーか,ないな。

● 新型ダイスキンには,ぼくはそそられない。2013年頃の見つけ次第ダイスキンを買い漁っていた(?)のと同じ物欲を,新型ダイスキンに覚えることはない。
 ダイスキンはすでにタップリと消費してきて,なおかつタップリと在庫が残っているのが,その理由かと思うんだけども。

2020.08.19 無印の「1日1ページノート 文庫本サイズ」を連用手帳にするというアイディア

● 今月の9日から測量野帳の LEVEL BOOK をメモ帳というか雑記帳にしている。すこぶる快調で,今週末には1冊使い終えるペースだ。
 で,次は何を使おうか,と。LEVEL BOOK は伊東屋で5冊買ってるんだし,その後,カウネットで20冊も買っているので,次も同じ LEVEL BOOK を使えばいいわけだけども,過去に買いためたノートがいろいろあるんで,そろそろ使わないとな,と。

● 中でも無印の2つ。ひとつは,「滑らかな書き味 ハードカバーノート」というやつ。ファミマがまだ無印製品を扱っていて,でも扱いを止めることが決まっていた頃に,宇都宮駅東のファミマで買った。
 91×160mmで測量野帳より一回り小さい。中紙は96枚でB罫。5点糸綴じという丁寧な作り。700円だったと思う。
 測量野帳は折丁間の接着問題があるのだが(接着幅が1mm以上あって,ちょっとしたストレスになる),これはそれも解決している。

● ムジスキンと呼ばれたりもした。モレスキンに似ているということ。ただし,ゴムバンドはない。
 モレスキンに比せられるのは,良品計画としては心外かもしれない。モレスキンと比べたら,紙質をはじめ造本や品質管理の確かさが,月とスッポンほども違う。見ただけでわかるというものだ。
 モレスキンは中国製だが,こちらはメイド・イン・ジャパン。価格はモレスキンの半分以下で質感はモレスキンの倍以上。
 無印からこういうのが出ているのに,どうしてモレスキンを買う人がいるのか。文具界には不思議なことがあるのだ。
 なお,このノートは現在は廃番になっている。なっていないのかもしれないが,無印の店舗で現物を見かけないようになって久しい。

● もうひとつ。「1日1ページノート 文庫本サイズ」。その名のとおり,文庫本サイズ(A6)。中紙は184枚。つまり,368ページ。1日1ページずつ使っていって1年分。
 無印版ほぼ日手帳とでもいうか。トモエリバーのほぼ日手帳より厚さがある。ほぼ日手帳カバーにギリギリ収まるかという感じ。っていうか,収めようと思えば収まる。

● では,このノートをほぼ日手帳カバー(2つ持っている)に挟んで使ってみようか。
 と思ったところで,無印良品の通販サイトのレビューを見たんだけども,そこに「私は6行ごとに線を引いて3年日記として愛用しています」と書いている人がいる。

● なるほど。A罫で18行ですもんね。6行も書くことないって人は,3行ずつ6年連用にしてもいいわけですねぇ。アッタマ,いい~~。そのアイディア,いただきました。
 と,興奮気味に思ったんですよ。こういう使い方を思いつけない自分の凝り凝りの頭が恨めしい。
 昨年,小さいサイズの連用手帳を探して,これだと思って買ったのが,どうも案に相違するもので,ガッカリしたことがある。既製品を探すんじゃなくて,使い方を工夫すればよかったのだ。

● 同じことを測量野帳でやってもいい。中紙40枚だから,見開きで1日分に充てれば39日分になる。まぁ,1冊で1ヶ月。したがって,12冊用意することになる。
 ちなみに,見開きで1日分というのは,ほぼ日5年手帳が採用している様式。
 今使っている LEVEL BOOK は22行なんだけども,NOTE BOOK ならば25行だ。欄外をタイトル行に充てれば,5行でちょうど5年分。いい感じだ。
 問題は NOTE BOOK は60周年記念の限定商品で380円ほどすること。12冊で4,560円。ほぼ日5年手帳を買った方が安くなる。

● では,SKETCH BOOK ではどうか。3mm方眼が53マスだ。3マスはタイトル行として使用することにして,残りの50マスを10マスずつ区切って,やはり5年連用手帳にするのにピッタリ。こちらならカウネットで160円で買える。12冊で1,920円。いいんじゃないか。
 いや,素直に無印の「1日1ページノート 文庫本サイズ」を使うのが賢そうだな。

● ともあれ。いいことを教えてもらいましたよ。来年から連用手帳も使うことにする。どういうふうに使うかの腹案はすでにある。
 教えてもらったとおり,「1日1ページノート 文庫本サイズ」をその用途にあてる。1日3行もあれば充分なので6年手帳になる。

2020年8月17日月曜日

2020.08.17 無印良品版の測量野帳

● 手元に無印良品版の測量野帳(SKETCH BOOK)が何冊かある。無印の製品名は「紙クロス 手のひらサイズポケットノート」。ファミマが無印製品を取り扱っていた頃に買ったものだ。
 これを今でも無印は供給しているのか。去年,錦糸町パルコに入っている無印の店で見たことがあるんだけれども,後にも先にもその1回だけだ。銀座の旗艦店でもぼくは見たことがない。

● 無印版の特色は,表紙に文字が箔押しされていないところ。コクヨ版の深緑に英文字を箔押ししているのもかなりいいので,どちらを良しとするかは好みの問題。
 ただ,使っているうちに箔押しが剥げてくることはあるだろう。最初から文字がなければそいういうこともない。無印版の方が経年劣化が少ないと言えるかもしれない。

● コクヨ版だって,測量の現場で使われるよりも普通のノートとして個人利用されている比率の方がずっと大きいだろう。LEVEL,TRANSIT,SKETCH の3種あるが,個人で3つを使い分けている人はあまりいないと思われるので(ほとんどが SKETCH を使っていると思う),表紙に文字が入っている必要はない。その形態から野帳だとすぐわかるのだから。
 だからといって,コクヨが表紙から文字を取り払うわけにはいかない。現在も測量や建設の現場で使われているからだ。本来の使い方をしてくれている人がいる以上,その人たちがパッと見て LEVEL なのか TRANSIT なのかわからなければいけない。

● というわけで,コクヨ版と無印版の違いは,は表紙の表面だけだ。あとはまったく同じ。
 測量野帳には唯一,弱点というか使いづらいところがある。折丁から次の折丁に移るページだ。折丁を5つ,接着剤でくっつけているのだが,接着面が1mm以上あるために,そこで段差ができてしまうのだ。それがストレスになる。折丁は4枚の紙を二つ折りにしたものだから,8枚ごとにこの段差がやってくる。
 無印版もそこは同じだから,コクヨのOEMであることは歴然としている。

● だったら,表紙は深緑のままに無文字にすればよかったのにと,ぼくなんかは思ってしまうのだが,それでは無印の顔が立ちませんわねぇ。
 野帳に関しては,無印版の存在理由は限りなく少ないような気がする。これが無印流だよと言われても,ちょっと待てよ,と言いたくなるところがある。

● ところで。無印版は健在でありますね。無印の通販サイトで扱っている。しかも,1冊150円。
 コクヨ版はカウネットで10冊で1,474円。値段はほぼ同額なのだが,カウネットでは1,000円以上の注文で送料が無料になるのに対して,無印では5,000円買わないと無料にならない。34冊買えば送料が無料になるわけね。

● 他の商品は店頭価格と同額だ。ネットだからといって安くしているわけではない。野帳が150円というのは,店頭では扱わず,通販のみにしているからか。
 もし店頭でこの価格で販売したら,コクヨは無印への製品供給を停止せざるを得なくなるだろう。

● が,150円で販売しているとなると,儲けはあるんだろうか。コクヨはいくらで納品しているんだろうか。
 問屋価格で消費者に販売しているわけだろうから,1回の注文で相当数が捌けないと割が合わないと思うのだが,割が合う程度には量が捌けているのだろうか。

● ちなみに,測量野帳はナカバヤシからも出ている。LEVEL BOOK だけのようだが。藍色の表紙に「LEVELING NOTE」と箔押しされている。
 判型はコクヨ版と同じ。中紙のレイアウトはもちろん,40枚であることもコクヨ版と同じ。違いは製本の仕方。コクヨ版は折丁5つを重ねて接着して表紙を付けているが,ナカバヤシのは20枚重ねて二つ折りにして,中央を糸で綴じている。
 したがって,コクヨ版のように8枚ごとに開き方に違和感を覚えることはないはずだ。が,パタンと180度開く快感もないわけだろう。閉じた状態でもコクヨ版のように安定して閉じているわけではなく,膨らもうとするはずだ。
 どちらがいいかは好みによるところだと思うが,その製本の仕方を知って,自分はコクヨ版で行こうと思った。

● 「LEVELING NOTE」に3mm方眼のもあるようなのだが,何せ現物を見たことがないので,どんな按配なのかはわからない。わかる必要もないっちゃないんだが。
 そのナカバヤシ野帳,文具店で見かけたことはないが,通販サイトのモノタロウで1冊139円で販売している。ただし,いくら買えば送料が無料になるのかは調べていない。