2023年4月30日日曜日

2023.04.30 昭和レトロの鉛筆の収集ごっこをしてみた 5

● 古鉛筆を買ってしまう病が再発した。何度目かの発病だ。
 まずは,三菱の9800。購入先はヤフオク。6本で680円(+送料210円)。ポチった瞬間に後悔。誰か高値更新してくれと念じたんだけども,虚しく落札してしまった。

● MASAKI YAMATO の印字がある。眞崎大和鉛筆が三菱鉛筆と社名を改めたのは1952年のことだ。
 が,三菱鉛筆となった後も MASAKI YAMATO を添えていたのかもしれず,この鉛筆がいつ頃製造されたのかは知る由もない。

● 小学生の頃に使っていた鉛筆って,粗悪品でしたよ。芯はポキポキ折れるし,ザラザラした書き味で気分がよくなかった。今の鉛筆の方がいいに決まっている。
 なのにどうして古い鉛筆に気が行くかねぇ。ノスタルジー以外に理由を見つけるのは難しい。ノスタルジーで動いているのだとすると,われながらあまり感心できることではないなぁ。

● これもヤフオクで1,297円(+送料210円)。水月鉛筆のHB,12本。3510番とある。
 これもね,誰か高値更新してくれと願ったものだけどね。縁あって,ぼくのもとにやって参りましたよ。

● 軸が割れ,芯が中折れしているものもある。相当昔のものなんでしょう。
 が,昔のものとか保存状況だけで,これを説明してはいけないような気がする。造りが甘かったということだ。
 鉛筆メーカーのすべてがそうだったわけではないだろうが,当時の国産品のクォリティーはこんなものだったのかも。

● 次はこちら。これもヤフオクだが,これだけは本気で取りに行った。
 が,他に入札者はなく,あっさり落札。1,000円(+送料870円)。

● 三菱の5001の2Bが6本。MASAKI YAMATO の印字がある。太字用とある。
 今で言うかきかた鉛筆的なものだろうか。2Bが太字,Bが中字,HBが細字ということなんだけどね。

● 大学鉛筆。9000番のHBが1ダース。JISマークがなく,戦後間もない頃のものかと思われるが,詳細は不知。
 この頃の大学進学率は数%だったろう。大学は大方の庶民には高嶺の花。だから,大学という文字自体に吸引力があったろう。
 価値とはつまり稀少価値のことだ。稀少価値以外の価値はない。したがって,その頃は大学生にも価値があった。今は偏差値40でも入学できるのだから,稀少価値もヘッタクレもない。

● ELITEⅡというのが商品名。メーカーはT.P.Cとある(太陽鉛筆かと思う)。HBが1ダース。
 同じ鉛筆を以前メルカリで買ったことがあって,そのときはオリエンタル産業㈱のカーボン鉛筆の箱に入っていたので,これがカーボン鉛筆なのかと思っていたのだけど。
 色は三菱の uni とうり二つ。

● 往年の三菱9800のFとトンボ8900のHBがそれぞれ1ダース。トンボのダース箱には寫眞修整用の文字が印字されている。三菱の箱には¥360の値札が貼られている。
 この頃の8900は国内で生産されていたのだろうが,品質はベトナムで生産されている現行品の方が上だろう。
 国産メーカーの凄いところは,Hi-uni や MONO100 ではなく,普及品の9800や8900の品質を高い水準で維持しているところにあると思っている。メーカーとすれば Hi-uni や MONO100 に集中したいだろうに。

● 三菱の5190と太陽の1005の,それぞれ4Hとが6本ずつ。
 現在では4Hの鉛筆は描画の下書きに使われることが多いのだと思う。4Hで文字を書いたり,勉強したりする人はいないのじゃないか。

● 昔は小学校でも硬い鉛筆を使う児童がけっこういたような気がする。粋がってそうしていたということもあったろう。子どもなりの大人っぽさの演出。
 ノートが汚れないからという理由もあったろう。さらには,芯がなかなか減らずにすむからという理由もあったかもしれない。

● 最後は伊東屋の鉛筆。削ってはいるがほぼ未使用。メルカリで購入。1,980円。
 58本ある。そんなに使うのかって? 使うわけがありませんがな。

● 頭のキャップを取ると消しゴムが出てくるのかと思いきや,何も出てこなかった。キャップをはめるために軸を削っている。何でこんな無意味なことをしたのかはわからない(→ 大変失礼いたしました。頭のキャップが消しゴムだったんでした。よく消える消しゴムです)。
 ちなみに,このタイプの鉛筆は廃番になっており,現行の伊東屋鉛筆はこうしたデコレーションは施していない(→ これまた失礼しました。このタイプの鉛筆は現在も販売されてます。軸には Helvetica と印刷されてます)。
 まぁ,しかし,BLACK WING のポイントガードを装着すると,なかなかのたたずまいを見せてくれる。

● というわけで,今回の悪ふざけはこれで終わり。今度こそ本当に悪ふざけはこれで止めにしたい。


(追記)

● まことにどうでもいいことなれど,シルバーは伊東屋の黒い鉛筆に合わせるとして,ゴールドが合うのはどれだろう。
トンボの8900かなぁ。実った稲穂のイメージになる。

2023年4月28日金曜日

2023.04.28 ジャンボ鉛筆の鉛筆削りをいくつか

● ジャンボサイズの鉛筆が7本ある。ファーバーカステルが3本,ステッドラーとコヒノールが2本。うち,文具店で買ったのはファーバーカステルの中の1本のみで,残りはメルカリでポチった。
 うち1本は,時々だが,備忘メモを書くのに使っている。

ステッドラー用鉛筆削り
● ファーバーカステルの鉛筆削りは持っているが,他の2つはない。微妙にサイズが違うので,それぞれの鉛筆削りを揃える必要がある。ナイフで削ればいいようなものだが,ぼくは猿より不器用だ。
 ので,Amazonでそれぞれの鉛筆削りを購入。577円と657円。

コヒノール用鉛筆削り
● それが今日届いていた。ステッドラーの2穴削りはジャンボ鉛筆には対応していなかった。鉛筆が入らないんだから,対応していないことに間違いはない。ウッカリした。
 コヒノールは問題なし。コヒノールの削り器でステッドラーも削れなくはないんだけど,対応しているやつを買い直すことにした。

新たにポチった鉛筆削り
● Amazonを見たら7,096円で出している業者がいる。酔っ払ってるのか,お前は。別の業者は955円(+送料599円)。Amazon自体の信用に関わるんじゃないかと思うんだが,放置でいいのか。
 ヨドバシが594円だったので,ポチっておいた。

● というようなお粗末の一件があったわけだけど,鉛筆は基本的に使っていない。たまにちょこっと使うという程度だ。6本のジャンボ鉛筆だけでも,死ぬまでには使い切れないだろう。
 他に普通サイズの鉛筆もある。昭和レトロの古い万年筆をこの1年で買い漁ってしまった。現時点ではまったく使っていない。買ったらしまいこんでそれっきり。眺めて愉しむこともしない。
 1,000本を超えて溜まっている。9本を選んで一軍を作るとすると,二百軍までは作れそうだ。
 鉛筆キャップや消しゴムや補助軸なども増えてきた。こちらはたいした数ではないけれど。

● となれば,意を決して鉛筆を使おうと思う。万年筆とボールペン,ミリペンの使用をいったん止めて,鉛筆に切り換える。問題は万年筆やボールペンも200本は下らない数を抱えていることなんだが。
 結果的に鉛筆を使わざるを得ないところに自分を追い込んだ,というと聞こえはいいんだけどねぇ。ほんとに使うんだろうな,俺よ。


(追記 2023.05.01)

● ヨドバシから買い直したステッドラーの鉛筆削りが届いた。今度は問題なくジャンボ鉛筆を削ることができた。
 樹脂製で安っぽい感じ。Made in China。だけども,ブランド物のバッグや靴も99%は Made in China なんでしょ。99%までできたところで本国に輸入して,最後の工程だけをちょこっと加える。そうすれば,フランス製やイタリア製と表記できる。

● 型紙やレシピは中国に流出するから,本物と寸分違わぬ偽物が出回る。ブランド側の最大の関心は真贋を判定する権限を保持することではないか。
 ブツだけでは真贋の判断ができないから,最終工程でそれができるようにする仕掛けを施しているのではないかと疑いたくなるほどだ。

● 最初にかったステッドラーの鉛筆削りはムダになったかというと,これがそうでもない。以前に買ったヨットの三角鉛筆を削るのにちょうどいい。
 たぶん,現在出回っている学研やくもんの三角鉛筆も削れるのではないかと思う。

2023年4月25日火曜日

2023.04.25 パーフェクトペンシルのマグナムを買う?

クツワの削り付きキャップ
● クツワの削り付きキャップと三菱かトンボの消しゴム付き鉛筆を組合せれば,機能的にはパーフェクトペンシルが出来上がる。要する費用は120円。しかも,書き味も削り味もパーフェクトペンシルよりは上位だったりするかもしれない。
 鉛筆の書き味はいまいちわからないのだが(たとえば,三菱鉛筆の製品でいうと,Hi-uniと9800の違いすらシカとはわからない),ファーバーカステルやステッドラーよりも三菱・トンボの方が滑らかに書けるような気がする。書いていて快感を覚えるのは三菱・トンボの方ではないか。

三菱の消しゴム付き鉛筆
● 
つまり,パーフェクトペンシルの核は,書く,消す,削る,が一本で完結するなんてところにあるんじゃないんですよね。それでいいんだったら,120円ですむんだから。
 パーフェクトペンシルの核は装飾性にこそある。実用性では金は取れない。虚飾を付加するからボッタクれる。
 虚飾を文化と言い替えてもいいけれども,パーフェクトペンシル程度の虚飾性に大枚を投じてしまうのは,ありていに申せば馬鹿だと思う。しかも,申し開きのできない,手がつけられないレベルの馬鹿。

パーフェクトペンシル
● 20歳やそこらの若者が憧れるならまだわかるのだが,いい年こいた大人が喜々としてパーフェクトペンシルはいいよなどとTwitterに上げているのを見ると,大丈夫なのかおまえは,と言いたくなる。
 “違いのわかる男” という感じではない。薄っぺらな見栄っ張り,銀流しと評するのが正しいように思える。
 そのパーフェクトペンシルを使って,君は何を生産しているのかね。君が書く程度のものは40円の鉛筆の方が相応しくないかね。

● ところが。パーフェクトペンシルのマグナムを買おうかなと思案中。9000番のJUMBOも使えるんだしね。
 先日,パーフェクトペンシル9000を買って,案の定,まだ一度も使っていないんだけど,無駄撃ちの最後にパーフェクトペンシルのマグナムは悪くないかなぁ,と。
 手がつけられないレベルの馬鹿サークルに加わるか,やめておくか。

● なんだかんだ言って,パーフェクトペンシルを認めているんだろうかね。パーフェクトペンシルにシニカルな態度を取りたがるのは,イソップ寓話の “酸っぱい葡萄” をなぞっているようなものなのかも。
 楽天だと4万円を切る価格で買える。ガタガタ騒ぐような価格じゃない。いや,待て。やっぱ,やめておけ。4万円だぞ。

2023.04.25 ジョッターの誘惑

● 先日,測量野帳60周年記念のテンプレートを買ったカルトレリア沖縄店を再訪。
 ここにしかないという商品ではないのだけれども,ジョッターが置いてあってね。けっこう惹かれるわけですよ。
 ジョッターというのは,とっさのときにメモをとるのに使うもの。そのための道具はジョッター以外にもいくつもある。

● たとえば,ロディアのようなメモパッドもそのためのものだし,ダイゴーのジェットエースもその用途に使うもの。無印良品のパスポートサイズのメモ帳もそうだ。
 それらもひととおり買っているんだけど,使ったことは一度もない。1週間ほどジェットエースを持ち歩いてみたのだが,結局,使うことはなかった。
 パスポートメモ帳に使えるエルメスのカバーがある。そのカバーを付ければ使うかと思ったのだが,宝の持ち腐れにもなりゃしない。

● 思いついたら即メモというのが,そもそもぼくには分不相応というか,要らないもののようなのだ。
 習慣として身につかないという以前に,何かを思いつくということがない。それを必要とする仕事や生活をしていないからだ。

● もうひとつ,スマホがあるからだ。たとえば Twitter をメモ代わりに使っている人は多いと思う。公開するわけにはいかないメモは GoogleKeep を使えばいい。“ツイメモ” という手もある。
 スマホの方がメモするのに要するアクションが少なくてすむし,スマホなら意識せずに持ち歩いている。

● そこまでわかっているのだけれども,依然としてジョッターに惹かれるのはなぜか。
 その理由もはっきりしていて,ジョッターという道具はクリエイティブ系の人が使うものというイメージに加えて,貴族的な雰囲気をたたえる形をしているからだ。
 ジョッターでメモをとるという行為にはスノビッシュな雰囲気があるのだ。ジョッターを使っている自分というイメージを描きやすいのだ。ジョッターでメモをとるクリエイティブな俺,という。
 しかし,現実の自分はクリエイティブでもないし,もちろん貴族的なものが似合うはずもない。困ったものなのだ。

● もうひとつ。ジョッターを使うということはノートではなくカードを使うことでもある。若い頃に梅棹忠夫『知的生産の技術』を読んだ人なら,自分もカードを使ってみようかと思ったはずだ。
 京大型(B6)カードかどうかは別にして,実際にカードを使ってみた人も多いだろう。そして,挫折に至るというわけだ。
 大量に溜まったカートを整理して保管するのが厄介であろうことはすぐにも想像がつく。そのあたりについても『知的生産の技術』は解説しているのだが,そのとおりにできる人はすでにして選ばれた人だ。

● カードはフィールドワークをする研究者には向いているのかもしれないが,市井の凡人には手に負えないものだったりする。が,そういうことをついつい忘れてしまう。現実離れした期待値を自分に対して抱いてしまう。カードを使うことによって,生活の質が変わるほどに知的生産性が向上するのではないかと思ってしまう。
 現実は期待値によって動くのではないし,幻想はあくまで幻想なのであるから,落ち着く先は自ずと決まってくる。

● ということではあるのだが,ジョッターという製品がずっと生き残っているのは,自分を適正に把握できない人が連綿と生存していることを表すのだろう。ジョッターを買ったはいいが,使わずに死蔵している人がどのくらいいるだろう。
 いや,人様のことではなく,自分のことだ。その轍を踏むのはわかりきっている。ジョッターを購入するのは思いとどまった。

● というか,だいぶ前に,とてもポケットには入らない分厚いジョッターを買ってしまったことがあるんですよ。
 もちろん,一度も使わないまま,今日に至っているわけです。

2023年4月21日金曜日

2023.04.21 パーフェクトペンシル9000 をポチッと

● まったくオレという馬鹿は。
 衝動的にパーフェクトペンシル9000が欲しくなり,ヨドバシでポチってしまった。
 役に立たないのはわかってる。書く,消す,削るができたとしても,鉛筆の最大の弱点である軸の細さを補ってくれない。
 削り器を仕込んだキャップを付けると,頭が重くなって書きづらいこと,甚だしい。それのどこがパーフェクトなんだよ。
 まぁ,キャップを付けて書く人はいないだろうけどね。それをすると,消しゴムをキャップの中に閉じ込めてしまうことになりますんでね。

● “
消す” と “削る” を合わせて一本化するというのは,拠って立つ基盤が極めて薄弱だよね。そんなもん,ペンケースに消しゴムと小さな鉛筆削りをしのばせておけばいいだけでしょ。鉛筆を単体で持ち歩く機会がどれだけあるかといえば,ほとんどありませんよ。
 けど,メルカリで多量のファーバーカステル9000番を買ってしまってる。じゃあパーフェクトキットも買っとくかと思っちゃった。
 ムダを重ねるとはこういうことだ。鉛筆じたい,使わないで終わる公算が高いからね。

● ただし,ファーバーカステルの9000番が優秀な鉛筆であることは認めている。ジャンボサイズの2Bを手元に置いてメモ書きに使ってるんだけど,使えども使えども芯が減らない(芯が太いから)。
 たぶん,トンボと三菱の次くらいには優秀だ。

● ファーバーカステルの賢さは,意匠というかね,印字の字体とか会社のマークがカッコいい。アルファベット圏の強みかい。あと,強気な値付け。
 最近流行りのブラックウィングも実際のところはどうなのかね。生産は日本で行っているらしいのだけど,あの程度ならすでにMONO100やHi-uniが実現しているんじゃないのかね。
 かたや500円,かたや150円。消しゴムが付いてるかいないかの違いくらいで,そんなに差がでるのかね。本当に違いがわかってブラックウィングを使っているユーザーなどいないと思ってるんだが。
 皮肉ではなしに,日本企業も見習ったらどうか。“いいモノを安く” だけで,本当にいいのか。

● マーケティングの巧さにやられるのはバカバカしいよなぁ。もっとも,モレスキンをありがたがる輩が雲霞のごとくいるんだから,世の中はそんなものだと思うしかないのかもしれんね。
 販売店とすれば,手間が同じなら利幅が大きいものを売りたいだろう。ファーバーカステルやブラックウィングやモレスキンを売りたい。
 だから,販売店の利幅を上げてやる値付けと,それをユーザーに納得させる売り方を工夫する。といって,それができるくらいなら苦労はない,と言われるだろうな。

● さて,そのパーフェクトペンシル9000が届いた。一番安い “KIDS” を3本持っている(使ったことは一度もない)が,KIDS は Made in China なのに対して,9000の方は Made in Germany。最終工程はドイツでやっているのだろう。
 要は,鉛筆削りを内蔵した鉛筆キャップだ。本体は樹脂でできている。クリップは金属で,KIDS に比べればモノとしての存在感はある。しかし,樹脂製の鉛筆キャップだ。鉛筆じたいに,国産品に勝るところは,おそらくない。
 ヨドバシでは2,240円だったが,文具店で買うと3,300円する。

● 伯爵コレクションになると,最も安価なプラチナコーティングでも,Amazon で26,455円だ。精緻な加工が施されているんだろうけどね。
 まぁ,よくわからんね。でも,買う人がいるんだから,値付けは適正だとなるのだろう。

2023年4月19日水曜日

2023.04.19 パイロットの歴代キャップレス展

● 京橋のパイロット本社の1階ロビーで,歴代のキャップレスが展示されている。5月31日までやっているから,慌てることもないんだけれども,せっかく東京にいるのだから,見に行ってみよう。
 1963年に初代が出て,今年で60周年。これ以外に何かイベントがあるんだろうか。

● パイロットいえば,エリートSだ。大橋巨泉のハッパフミフミだ。中学校の入学祝いに親が乏しい稼ぎの中から買ってくれたのがこの万年筆だった。大事にしすぎてほとんど使わないまま,結局ダメにしてしまったけど。
 そんなわけでエリートSには思い入れがあるので,後継のミニ万年筆を買って,それは今も持っている。パイロットのインクは裏抜けしやすいから,プラチナのインクを入れて使うつもりでコンバータも買った。

● 両面使用が前提のノートにはパイロットのインクは向かないと思ってしまっている。最後の一滴がなくなるまでカスれることなく書けるとか,パイロットインクならではの凄いところもあるんだけどさ。
 パイロットのインクで抜けない紙っていうと,どんなのがあるんだろう。トモエリバーは大丈夫のようなのだが。昨年,能率手帳ゴールド60周年記念で,日本能率協会がパイロットとコラボして,記念のキャップレスを365本限定で販売した。能率手帳ゴールドの紙はパイロットインクでも抜けないのだろうね。

● キャップレスは1本も持っていない。ノック式の万年筆ではプラチナのキュリダスを買ったんだけど,これがノックが効かないという不良品(だと思う)。ノックするとペン先が出るのだが,もう1回ノックしても引っ込まない。原因はよくわからない。バネが弱いのか,他に理由があるのか。
 だもので,万年筆のノック式には少ぉし不信感を持っている。ボールペンはノック式にあらずんばボールペンにあらず,といくらいのもので,あのフリクションも本格的に売れだしたのはノック式が出てからだ。
 が,今のところは,万年筆も同じということにはなっていない。たぶん,ずっとならない。ボールペンとは訳が違うというのは,素人でも何点か思い当たるからね。

● 初号機が出た1963年にからの数年間が最も活発に製品が出ている。だんだん間遠くなる。完成形に近づく,あるいは成熟してきたということなんでしょう。改善すべきところは改善して,改善を要するところがだんだん見えなくなってきた,と。
 あの時代に戻れるなら,全部買い揃えたいですな。

2023.04.19 伊東屋の鉛筆ホルダーを購入

● 上野から銀座に移って,伊東屋。相変わらず,外国人のお客が多い。
 やつらは店員をつかまえて自国語で喋り出すのに躊躇しない。ここは日本だぞ,日本語くらい憶えてこい,このボケッ,と言いたいが,スタッフは聞こえないふりをするわけにはいかない。相手をしている。何を訊いているのかは何となくわかるんだろうね。
 ま,大したことは訊いちゃいないんだよ。店員を捕まえて何か訊いてるヤツが大したことを訊いていたのを聞いたことはないでしょ,皆さん。

● 買うことに決めていた赤い鉛筆ホルダーを2本,購入。伊東屋のオリジナル製品。2006年度のグッドデザイン賞を受賞している。
 これ,7階の画材コーナーにあってね。画材っていうのは,会計に時間がかかるんですかねぇ。9日にも来て,これを持ってレジに並んだんだけどね,前回は待つのに耐えられなくて,買わずに出た。もちろん,商品は元の場所に戻したよ。
 今回もギリギリ。あと3秒待たされたら買わずに出たろう。たかが鉛筆ホルダーを買うのに,なぜこんなに待たなきゃいかんのだ,ってね。
 鉛筆と関連商品は5階に持っていく,ってわけにはいかないんですかねぇ。

● この鉛筆ホルダーは ANGERS でも扱っている。東京駅前の KITTE に入ってる ANGERS にも,黒ならあった。
 Amazonにもあるんだけど,プライム対象になっていない。送料を取る。
 
● 鉛筆に装着してみると,なかなか具合がいい。
鉛筆を使う気にさせる。
 具合というより姿がいい。伊東屋にはぺんてるの水性ペンに着せるペンジャケットがあるが,この補助軸は鉛筆ジャケットの趣がある。

● 鉛筆に使うものだから,自重が重くては困る。この点でも抜かりはない。軽い素材でできている。
 締付け部が金属で,鉛筆に装着するとこの部分が頭になる。したがって頭が重くなるのだが,騒ぐほどの話ではない。問題ない。

● 鉛筆を根本まで覆って,グリップを太くできる。補助軸の肝はここにある。裸の鉛筆よりもずっと書きやすくなる。
 長い鉛筆は鉛筆として半人前で,補助軸を装着できるようになって初めて一人前になるのだ。それゆえ,鉛筆が一人前でいられる期間はそんなに長くはない。

● 水性ペンのペンジャケットも買う方向。けど,今回は見送り。
 買い方がわからない。サンプル以外の商品をレジに持って行けばいいのかね。ところがサンプル以外の商品も随分といじられているんだろう。塗装が剥げているところがある。調整リングも単体では置かれていない。
 ペンジャケットはぺんてるの3種の神器に対応する。その3種と調整リングの対応関係は知っているが,対面での確認が必要な商品だろう。こちらが店員を呼ぶべきなんだろうかな。

● しかし,冷静になれ,俺よ。使うとすればプラマンだけだぞ。プラマンはジャケットを着せるより,素のままの方が軽くて書きやすいんじゃないか。
 実際にはぺんてる製品以外にも着せることができるかもしれないけれども,そんなことをホントにするのか。よぉく考えろよ,俺よ。


(追記 2023.04.28)

● 伊東屋のオリジナル鉛筆ホルダーがメルカリにも出品されたので,ためらわずポチり。グレー2本,黒1本,赤1本。赤だけ使用ずみ(状態は悪くない)。
 伊東屋ホルダー,気にいっている。軽くて,華美を排していて,それでいてどことなく優美。鉛筆ジャケットと名乗ってもいいと思う。

● ダイソーのと合わせて,9名の一軍を構成。あとはガシガシと使うだけ。
 万年筆とボールペンをいったんやめて,鉛筆をメインの筆記具にしようかと思う。そうでもしないと買いためた鉛筆を1本も消費しないで終わってしまうから。
 当然,鉛筆ホルダーも買い損ってことになってしまうからね。

2023.04.19 国立科学博物館の測量野帳をゲット

● 都区内パスを買って,まず上野に。国立科学博物館に来た。記憶する限り,初めて。
 でね,手も足も出ないことがわかった。実物を見て,説明書きを読んでも,チンプンカンプン。未就学児が親に連れられて来ているけれども,ここは遊び場以上にはならないよねぇ。

● わかろうとしてはいけないのだ,と諦めた。あ,あれ,教科書で見た,という程度の味わい方で良しとしなきゃしょうがない。だから,博物館というのだよ。
 「KITTE」にあるインターメディアテクも難物だけど,ここも攻略しようと思ったら大変だよぉ。

● ただ,ひとつだけ感じたのは「用の美」というやつ。民藝以上に科学技術分野の計測器とか天球儀,医療機器に妥当するように思う。
 用に即した形を研ぎ澄ますと美に至る。モノとして美しいと感じさせる。

● 国立科学博物館は建物が複数あって,その通路に遊びがある。ベンチに座って語らっている老夫婦もいたりする。なかなか悪くない風情ではある。
 65歳以上は入場無料だ。弁当を持ってくれば1日過ごすことも可能だろうが,さすがにここで1日粘るのには体力がいるなぁ。

赤に見えるが,実物はオレンジ色の表紙
● ミュージアムショップで測量野帳を購入。いやね,半分はこのために来たようなものなんですよ。Twitterで画像を見て,カッコいいなと思ってさ。
 製本の仕方からしてコクヨ製に間違いない。3㎜方眼の SKETCH BOOK。
 素のコクヨ製品に箔押しを加えたというのではなく,表紙は完全に独自の仕様。なるほどカッコいい。ゴテゴテしてなくてスキッとシャープな印象だ。
 税込み380円。こういうのって,550~770円くらいするじゃないですか。国立の施設だから,こういうところではガツガツしないんですね。

● 駒場にある日本民藝館にも測量野帳があった記憶がある。これから駒場に向かうことも考えたんだけど,さすがにちょっと億劫になった。
 測量野帳は逃げないからね。日本民藝館に再訪したくなったときに買えばいいだろうと思い直した。

2023年4月15日土曜日

2023.04.15 測量野帳は裏抜けする?

● Twitterで,裏抜けしない測量野帳が欲しいというツイートを複数見かけたんだけど,測量野帳って裏抜けする?
 目下使用中の野帳は再生紙野帳(セ-Y21N)だ。これだとプラチナのブルーブラックでもところどころ抜ける。が,気にしないと決めてしまえば気にならないレベルだ(ただし,黒だと,気にしないと決めてしまうことを許さない程度に抜ける)。
 ゲルインクのボールペンなら無問題。ピグマの0.2mmでもほぼOK。

● まぁ,再生紙だからね。筆記具によっては滲むことがあるよ,と警告メッセージも書かれている。この分野では悪名高いモレスキンといい勝負になる。
 が,再生紙ではない通常の野帳でも,液状インクの水性ボールペンやパイロットのインクだと抜けるんだろうかな。測量野帳でも抜けるとすると,抜けないノートの方が少ないような気がするが。

● と,ここまで書いて思いだした。パイロットのVコーン,ぺんてるのスーパーボール(今はなきボールPentel の極細版),トンボの ZOOM505 の水性ボールペンを,再生紙じゃない方の野帳で試したことがあった
 結論は両面使用はできないという結論になったのだった。だから,Vコーンは出番がないし,ZOOM505 はエナージェルのリフィルに換装したのだ。

● あらためて試してみたのだが,結果は同じだった。プラチナの万年筆インクなら黒でも抜けることはないんだけど,液状インクの水性ボールペンだとトメのところでは確実に抜けてしまう。
 測量野帳で裏抜けを避けようとするなら,万年筆ならプラチナインクを,ボールペンなら油性かゲルインクを使うしかない。さしたる不自由ではないと思って,そうしていたのだったよ。

● 液状インクの水性ボールペンでも抜けないノートも探せばあるのだろうが(CampusノートでもVコーンのインクには耐えるようだ),測量野帳には “中紙は合成紙,表紙は樹脂カバー付きの耐水タイプ” もあるくらいで,野外で使うことを想定しているのだろう。屋外で水性ペンを使う人は少ないだろうと考えているのかも。
 といっても,“ビジネスシーンにもぴったりな薄いグレーの3mm方眼罫” の野帳もあるからねぇ。こちらはどうなんだろうか。

● 液状インクの水性ボールペンというのは,両面使用を前提にしたノートではなく,原稿用紙,レポート用紙,メモパッド,コピー用紙など,片面しか使わない紙に書くものだと割り切った方がいいのかもね。
 片面にしか書かないというのはつまり,アイディア出しとかラフな図解とか,クリエイティブ系の人が使うものってことですかね。そういう用途には液状水性ボールペンとかサインペンは使いやすいかもしれないよね。

● 両面に書くのは,児童・生徒・学生が勉強に使うのを別にすれば,創造とはあまり関係のない使い方になるんじゃないか,と。ぼくははっきりそっちの使い方をしている。両面が使える綴じノートがいい。
 筆記具はプラチナインク,ミリペン,ゲルインク(&油性)ボールペンに限られてしまうのは仕方がない。その制限があっても,測量野帳なら使い続けたいと思っている。

2023年4月12日水曜日

2023.04.12 伊東屋のペンジャケットが ぺんてる 以外のペンでも使えそうな件

● 伊東屋のペンジャケット,使ってみたいなぁと思ってましたよ。が,ぺんてるの三種の神器(サインペン,ボールPentel,プラマン)にしか対応しない。他のペンでは使えない。
 ところが,たまたま,You Tube でこの製品を紹介している動画を見た。

● あまりパッとしないオッサン(失礼!)が作っている動画なのだけど,この動画は伊東屋ペンジャケットがぺんてるの三種の神器にしか使えないわけではないことを教えてくれている。
 シグノを使う裏技(?)が紹介されているのだ。シグノのリフィルと口金を装着する。長さが少し足りないので,本人は消しゴムと言っていたが,ビーズ玉のようなものを入れて長さを補っている。
 ペン先の出方がちと足りないようにも見えたが,まずまず問題はないようだ。

● このオッサン,さほどに文具に詳しいわけでもないようだ。彼がシグノを入れていたのはプラマン用のジャケットだったのだが,じつは,プラマン用が一番長くなる。サインペン用が最も短く,ボールPentel がそれに継ぐ。
 その長さの調整は “調整リング” を替えることによって行うのだが,ボールPentel 用の調整リングに替えれば,詰めものをしなくてもシグノが使えるかもしれない。

● シグノが使えるのであれば,同じ三菱鉛筆のユニボールもいけるかもしれない。ひょっとすると,パイロットのVコーンも・・・・・・。
 ともあれ,シグノを使えるなら買ってみようかという人が増えるかもしれない。ぼくもそれなら常用できるかもと思っている。

● シグノには専用ジャケットもあるようなんだけど,伊東屋のぶっといヤツを使ってみたいですからなぁ。老後の楽しみにいいかもしれません。
 今がまさに老後なのでねぇ。というわけで,伊東屋ペンジャケットに気持ちが揺れだした。

● ネットではこのペンジャケットを「安価なペンをゴージャスに変身させる」ものとして紹介しているサイトが多い。安価なペンとは,ぺんてるの3つのペンを指しているわけだが,その3つのペンの書き味には問題がないどころか,ずっと使い続けたいと思わせるほどに優れている,というのが前提にないと,このテーゼは成立しない。
 使いづらいペンをゴージャスに化粧させても,どうにもならないわけで。

● 安価ゆえに樹脂製で外観がいかにもだ。安っぽい。事務用品という感じだ。だから高級感を纏わせたい。
 というわけで,ジャケットの登場となるわけだが,安っぽいままで使えばいいではないか,それではなぜダメなのか,という問題がどうしたって残る。100円のボールPentelに5,000円のペンジャケットを着せて,外見を整形する必要があるか。

● 人前でも使いたいから,というのはウソだと思う。誰にとっても,ジャケットを着せたペンを使うのは,ほとんど自分ひとりのときだろう。会社のデスクで使っているときは,周りに同僚や上司がいても,人前には当たらないものだろう。まさに仕事で使っているんだから,事務用品の外見で何も問題はない。
 自分の気持ちを上げるためか。書き味だけでは気分は上がらないのか。ペンに化粧を施して自分を騙すのか。

● このジャケット,真鍮製でけっこうな重さがある。グリップも太くなる。中身は同じでも,重さと太さが変われば書き味じたいが変わってくるはずだ。変わった後の書き味が自分の好みに合うとなれば,ジャケットを着せる意味がある。
 しかし,以上のような理屈はどうでもいいものだ。使いたいから使うでいい。さて,ぼくはどうしようか。たぶん買ってしまうと思うんだけど,さてどうしようかなぁと悩んでいたい。

2023年4月11日火曜日

2023.04.11 グリッドノートA6スリム・図案柄

● SNSでちょい話題の,マルマン図案柄の「グリッドノートA6スリム・図案柄」。先日,東京に出る機会があったので,日本橋丸善と伊東屋を覗いてみたのだけど,見つけられなかった。
 が,地元(宇都宮)の上野文具本店の3F(画材売場)にあったので,速攻で購入。税込み550円。
 中紙は3mm方眼。製造はナカバヤシ。コクヨの測量野帳の SKETCH BOOK と判型も中身も同じもの。

● ナカバヤシも「測量野帳」を製造販売している。一般小売はしていないっぽいのだが,表紙に LEVELING NOTE と箔押しされた商品がある。
 中紙は水平測量罫と3mm方眼の2種があるらしい。コクヨでいえば LEVEL BOOK と SKETCH BOOK にあたるものを,どちらも LEVELING NOTE としているようなのだが,確認したわけではない。

● コクヨの LEVEL,TRANSIT,SKETCH のうち,実際に測量現場で使われるのは LEVEL だけだろうし,LEVEL と SKETCH で販売実績の9割以上になるから,ナカバヤシが TRANSIT にあたるものを出していないのは納得。
 なお,LEVELING NOTE の商品名は「LEVELING NOTE スリムA6」。 

● その LEVELING NOTE,判型も中紙の枚数もコクヨと同じだが,製本の仕方が違う。コクヨ版は4枚の紙を2つに折って折丁を作り,折丁を5つ重ねて表紙を付けて製本しているのに対して,ナカバヤシは20枚の紙をまとめて2つに折って製本している。
 が,この図案野帳はコクヨと同じ製本の仕方。当然,見返し加工も施してある。折丁間の糊付け部分がコクヨ版より狭いので,使い勝手はコクヨ版に勝る(と思う)。

● マルマンの図案柄には惹かれるけど,ぼくには絵心が皆無なので,スケッチブックを買うことがない(A7のメモパッドは買った)。この野帳で,しばし図案柄を愛でようと思う。

2023年4月9日日曜日

2023.04.09 武田 健 『はじめてのガラスペン』

書名 はじめてのガラスペン
著者 武田 健
発行所 実務教育出版
発行年月日 2021.12.10
価格(税別) 2,000円

● タイトルどおりのガラスペンの入門書。あるいは紹介書。メインは第2章の「煌めくガラスペン図鑑」。「29の作家やメーカーの美し作品180本を解説します」というもの。
 その中から,ぼくが1本選ぶとしたら,Shoko Yamazaki の「Basic 茜色」かなぁ。

● いくつか転載。
 洗って使えるのだから,「1本あれば十分じゃないか?」と自問自答することもあります。なのになぜ何本もほしくなるのか? それは,ガラスペンは筆記具でありながら,芸術品でもあるからではなかと思っています。(p6)
 (ガラスペンの)金額は,主に軸の加工賃だと思っていいでしょう。(p17)
 アーティスティックな形状にすることもできるけれど,そういうのを作っている人は他にすでにいるので,別に自分がわざわざやる必要はないかな,と。(長谷川尚宏 p28)
 シンプルはすごく難しいんですよ。フォルムが丸見えなので,ちょっと曲がっていたらそれがそのまま,しっかり見えてしまうんです。(中略)複雑なものが簡単というわけではないけれど,つぶしが効きやすい。(長谷川 p30)
 僕はガラスペンはファッションの域だと思っている。それはすごく大事なことだと思うんです。(長谷川 p31)
 ガラスペンのよいところはたくさんありますが,透明なペン先にインクが乗っかる瞬間がすごくきれいなんですよね。さから,描きたくなる。(サトウヒロシ p116)
 安くて気軽に使える木軸のもので描いていたんですけど,難点があって・・・・・・。ペン先のインクを落とすために水につけておくと,水分で木がふやけてしまうんです。すると,ペン先がスッと抜け落ちてしまう。(サトウ p116)
 とりわけ動いてほしくない下地の色には,顔料インクが大活躍です。(サトウ p119)
 ガラスペンが陽の光を浴びると,ガラスが光に反射して,本当にきれいなんですよね。(堤 信子 p123)
 ガラスペンは何気なく走り書きできる筆記具ではないので,使うことをより意識する時間になるのではないでしょうか。(堤 p123)
 見た目が涼しげなので,個人的には夏に使用するのが好きです。ペン先でインクの色が透ける様が何とも美しく,気分が上がります。(森由美子 p132)
 ベストは作家さんから直接買うこと。2番目がガラスペンを取り扱っている店舗で,できればベテランの販売員さん,詳しい販売員さんがいるところがいいですね。物作りの「買い手」と「作り手」のつながり方の原点だと思います。(p141)
● では,自分がガラスペンを使うことがあるかというと,なさそうだ。こういう世界は人を選ぶ。芸術や工芸という世界に足を踏み入れることになるわけだから,マスがその対象になることはない。
 ぼくは選ばれない側の人間。なぜというに,大量生産品を使いたいからだ。手作りとか1本モノとか工芸品とか,そういうものを手に取りたいとは思わないタイプ。

● 樹脂にも抵抗がない。ガラスペンを造形する過程で消費する火力を考えれば,環境負荷はプラスチックのボールペンの方がはるかに少ないはずだが,そういうことではなくて,いわゆる安っぽいものを使うことに抵抗がないということね。
 その中には安価を求める志向も含まれる。安い方がいい,と。本当に1本モノとか工芸品といったところを追求すれば,ガラスペンの価格は1万円が最低だ。なかなか手が伸びないというのが実情。

● 現在はインク沼がガラスペンの需要を刺激しているところがあって,本来はガラスペンには馴染まない人までガラスペンを使っているという状況があるのじゃないかと思っている。ガラスペンはバブル期にあるかもしれない。正直,本書で紹介されているガラスペンの中にもそれ(バブル)を感じさせるものもある。
 しかし,観る阿呆よりは踊る阿呆に回った方がいいかもしれない。

2023年4月6日木曜日

2023.04.06 測量野帳60周年記念のテンプレート

● 那覇に来ている。といっても,特にやることもないので,昨日は丸善を覗き,今日はショッピングセンター「パレットくもじ」の7Fに入っているカルトレリア沖縄店を覗いてみた。るいレール県庁前駅の近くにある
 那覇に来てまで文具店巡りかよ。いや,まぁね,ひとりで行けるところって,それくらいしかないんですよねぇ。

● ところが,ここで発見。測量野帳60周年記念のテンプレートが販売されてる。価格は715円。
 黄色と水色のがある。当時,このテンプレートだけは情報を見逃していて,買いそびれた。水色のはメルカリで600円で入手できたんだけど,黄色のは諦めてた。それがまさか沖縄で買えるとは。

● このテンプレートは3㎜方眼の SKETCH BOOK 用のもの。ぶっちゃけ,使うことがあるかどうか。メルカリで入手した水色のやつも,どこかにしまいこんでしまってて,どこに行ったのかわからない状態ですからね。
 でも,片方が欠けているのは気分がよろしくないのでね。しいて言えば栞代わりにもなるので,全く使わないわけでもないと,自分に言い聞かせておりますよ。

● 60周年記念の限定品のうち,クリアカバーは定番化されたので,今でも入手は容易だ。が,それ以外のものは文具店でも手に入らない。
 時々,野帳本体は見かけることもあるけれども,テンプレートは文具店で見かけたことはなかった。思いがけないところで思いがけない出逢いがあるものだ。

● 野帳用のブックバンドも売られていたが,これはいくつか持っている。やはりメルカリで買った。
 ポーチの類には手を出していないが,これで60周年記念グッズはひととおり手元に揃ったことになる。限定ボックスも2つ買ったしね。

2023年4月2日日曜日

2023.04.02 Bun2 4月号

● 今回も東武宇都宮百貨店の5階文具売場でもらってきた。今回の特集は「この春注目のフレッシュな文房具」。
 主にはシャープペンシルの新製品の紹介。三菱鉛筆のクルトガ,パイロットのザ・ドクターグリップ,トンボのモノグラフライト,ぺんてるのオレンズ。

● シャープペンは高校生や大学生が勉強に使うものという認識でいるのだが,社会人のユーザーもけっこういるんだろうかね。自分も社会人になってからも長らく手帳はシャープペンで書いていた。
 脱シャープペンを果たしたのは50歳の頃だったと思う。濃いめの芯を使っていたこともあって,字がかすれて紙面が汚くなるのがイヤになったんだったか。
 上記の製品群で使ったことがあるのはドクターグリップのみ。それ以外は,ぼくがシャープペンユーザーだった頃には販売されていなかったと思う。記憶違いがあるかもしれないけど。

● メタシル(サンスター)のノック式も紹介されている。メタシルの弱点は芯先にあったと思うので,その芯先を中に収納できるノック式はその弱点を保護してくれる。一方で,鉛筆の形をしているからこそのメタシルだとも思える。どうなることやら。
 ちなみに,ぼくは普通の鉛筆を良しとする。硬度が2HやHというのでは食指が動かない。濃いめがいいので。

● メタシルの問題は,しかし,そんなことよりも,中国で生産してしまったことにあると思う。製品の秘密事項というかレシピというか設計図というか,それが中国にダダ漏れになってしまっているっぽい。
 百円ショップのキャンドゥではラミーサファリにそっくりの形状のメタシルが売られている。当然,110円。サンスター製品と機能,性能は変わるまいと思う。
 となると,メタシルはもう終わってしまったのではないかと思わぬでもない。

● 第12回OKB総選挙の結果も掲載されている。お気に入りのボールペンの投票結果ね。さすがに,ぼくも持っているものが多い。
 1位 三菱鉛筆 ジェットストリーム スタンダード
 2位 三菱鉛筆 ユニボールワンF
 5位 ラミー Safari ローラーボール
 11位 三菱鉛筆 ユニボール シグノ
 12位 ゼブラ サラサクリップ
 15位 トンボ ZOOM505 水性ボールペン
 16位 ゼブラ サラサグランド
 23位 トンボ モノグラフライト
 36位 パイロット Vコーン
 38位 ぺんてる ボールPentel
 39位 ぺんてる ビクーニャフィール
 43位 サクラ ボールサインノック

● でも,これ,フリクションが32位だったりするんで,本当にリアルを反映しているのかどうかはわからない。ラミーSafariの5位も本当かと思っちゃうよね。
 AKBの総選挙と同じで,同一人物がひとりで何票も投じているとか,周囲に声をかけて投票させているってのがあるんだろうね。それがないとお祭りにならないのだろうからね。