2025年8月11日月曜日

2025.08.11 ペンシルジャケット

● 右の写真は伊東屋の鉛筆補助軸。実用性では可もなく不可もない。普通の補助軸だ。
 素材は真鍮。どうやらアルミの方が剛性が高いのか,実用性だけで選ぶなら,補助軸は学用品売場に必ずあるクツワのアルミ製で足りる。他は要らない,とぼくは思っている。

● 伊東屋にはぺんてるの3種の神器(ボールぺんてる,プラマン,サインペン)を多少にしたペンジャケットなるものがある。安いペンを高級ペンに変身させるとか,重量が加わってしかも低重心だから書き味が変わるとか,色々と肯定的な評価もある。
 ぼくも一時期,だいぶ惹かれていたことがあるのだが,結局,見送って今日に至っている。鉛筆派に転向したので,買わなくて正解だったことになるのだが。

● この補助軸もペンジャケットの別動隊だと考えた方がいいのかもしれない。その辺の鉛筆にイートンペンシルチックなジャケットを着せるためにあると考えると,得心が行く。補助軸と言うよりペンシルジャケット。
 実際は,イートンペンシルを彷彿させるところまでは行かないけれども,他にはない独特の風合いはあると思う。

● 次なる問題は,鉛筆にジャケットが必要かということ。鉛筆メーカーは各社とも塗装にも工夫を凝らしている。
 トンボの8900はあのオリーブグリーンがトレードマークだし,そのトレードマークに惹かれて使っていると言うユーザーもいるだろう。

● 黄色の消しゴム付き鉛筆も然り。鉛筆に付いている消しゴムなどは使わないが,この黄色が気に入っているので使っているという人がいるはずだ。それも少なくない数で。
 uni のユニ色としか言いようのない色合いも,静かだけれども強い誘引力を放つ。

● 結果において,鉛筆にジャケットを着せたがるユーザーはあまりいないだろう。
 伊東屋もそんなことは百も承知のはず。鉛筆関連製品がそんなに売れているはずもない。この補助軸が伊東屋のブランディングにどれほど寄与しているのかも,部外者にはわからない。

2025年8月9日土曜日

2025.08.09 筆記音の愉しみ

● 太陽8000と三菱9000。どちらもB。太陽8000で久しぶりにサリサリという筆記音を聞いた。鉛筆と紙が擦れ合う擦過音ね。
 筆記音を発しない筆記具はない。筆だって音が出るもんね。万年筆もペン先が紙を擦るんだから音は出る。いや,でも,ボーペンは発しないか。

● この筆記音,嫌いではない。むしろ,好きな方だ。鉛筆をわざと机にぶつけているのかと思わせるコツコツという後ではなく,擦過音は妙に心地いい。
 が,世の中にはこの音を嫌う人もいる。ガラスを金属で擦ったときに出る音と同じように聞こえるのだろう。

● 昔懐かしい感じだが,ぼくが小学生の頃に使っていた鉛筆はもっと大きな音が出ていた(と思う)。
 といって,筆記音を出す鉛筆は粗悪というわけでもない。Hi-uni でも筆記音はするので,筆記音ゼロの鉛筆はない。程度の話ね。自分で気づくほどの筆記音は久しぶりだったって話です。

● 筆記音の出具合は芯のとがり方によっても違うし,“ぷにゅグリップ” を装着するとしないでも違う(した方が筆記音は出やすい)。当然,筆圧の高低によっても違うだろう。紙によっても違うのは言うまでもない。

● ちなみに,三菱9000だと筆記音はあまりない。あるにはあるが,ないという範疇に入れていいと思う。
 が,一度筆記音に意識がいくと,筆記音が聞こえやすくなる。耳が筆記音を探すようになる。トンボ8900でも同じように聞こえてくる。

● 筆記音を楽しむのも鉛筆の味わいのひとつ。となると,高額,高品質の鉛筆がいいとも限らんかもしれんね。
 以上,どんな鉛筆でも実用性に問題はない,という現実があっての話だけどさ。

2025年8月8日金曜日

2025.08.08 ユニ色は高級鉛筆が纏う色?

● ユニ色の鉛筆を並べてみた。
 三菱 Hi-uni
    uni
    uni-P
    Pの後継の uni-star
 アイボール Hi-new
 太陽 ELITEⅡ
 ユニオン 9500
 コーリン Hi pierce

● 下の2本は参考。中華製と思われる。
 Pは当初は両切りだったんですね。写真のPは頭が丸まった後のもの。

● こうして見ると,uni の影響力は歴然。開発の方向も色も名前も。
 三菱鉛筆が敷いたレールを他社も歩いてきた。トンボにしても,基本,例外ではない。日本鉛筆史は三菱鉛筆史なんだよね。

● その Hi-uni も165円で買える。立派な大衆品になった。ユーザーにとってはいい時代になった。
 ぼくにしても,リアルの女児が使いかけた鉛筆を使っているはずが,Hi-uni のBの世界にどっぷりと浸かっている。
 指が勝手にHi-uni をつまむので,それに任せているのだが,Hi-uni と女児の使いかけ鉛筆にビックリするほどの差があるかと言えば,さほどには違わない。が,微差が大差ということなのかもしれないな。

● もはや,昭和の小学生にとっての Hi-uni は存在しない。出でよ,令和の Hi-uni,と言うほどアナクロではないつもりだが,BLACKWING のような虚仮威しではない,しっかりとした根拠のある1本千円の鉛筆・・・・・・
 鉛筆である以上は無理,か。素人目で見ても,現行の鉛筆群は鉛筆としての上限に到達していると思えるもんね。これ以上,何をどうしろってんだ,という。国産鉛筆はそういう状況だよねぇ。

● だけど,消費者ってのはさ,製品として見せられないと,自分が欲しかったものに気づけないじゃないですか。
 ぼくらがすでに上限だと思っているところに,そうか,こういうのがあったのか,というものをドーンとぶつけてくれる,と。平和な夢を見たくなるんだな。

● 一方で,こちらはダイソーで4本110円で売られているアイボール製の鉛筆。消しゴム付き鉛筆がどうして1本25円で売れるのか見当がつかないのだが,使ってみれば特段の支障はない。
 芯は中華製だろうけど,これで全然いいんじゃないですか,となる。ダース110円の中華鉛筆も,ぼくはたぶん許容するんじゃないかな。

● ところで。北星のペンシルガード,ユニ色にも映えるでしょ。ウットリしちゃうでしょ。

2025年8月7日木曜日

2025.08.07 老いの繰り言ってやつ

● 三菱9800の2B。Hi-uni B より滑らかです。
 芯の減りが早いとか,別の問題はあるにしても,自分に合った硬度を選ぶのは,メーカーやブランドを選ぶことより重要ね。

● ただし,自分も絶えず揺らいでいるから,自分に合う硬度がずっと同じということは(たぶん)ない。そこだけご注意。安住の地はない。
 つっても,齢を取るとゆらぎも小さくなる。ゆらぎゼロの死に近づいているからで,50歳を過ぎてる人なら,今の好みがずっと続くかもしれんね。
 齢を取ると楽になるんだよね,いろんなことが。

● 伊東屋のイートンペンシル。長い鉛筆にはクツワの “ぷにゅグリップ” をかませて太さを補っているのだが,この鉛筆だけはその必要を感じない。デフォルトで使っている。
 他より軸が太いわけではない。丸軸だからか。丸軸をすべてデフォルトで使っているわけではない。自分でも理由がよくわからん。

● 消しゴムの形状からしてキャメル鉛筆製に違いない。キャメルの同型の鉛筆はなかなか手に入らないが,イートンペンシルでその渇を癒せる。
 芯質もよろしい。当然,オリエンタル産業のものだろう。

● 5ダースほど手元にある。1本の鉛筆を使い切るのに1ヶ月はかかるので,これだけを使っても5年分。
 ひょっとすると,これだけで一生分かもしれんじゃないか。年寄りはそんなに長くは生きんからな。

2025.08.07 ドット入り罫線の Campus

● 通常版の A6 Campus(B罫)の最後の1冊を使い終えたので,次はこれを。ドット入り罫線。
 文具店では通常版とこの2種が販売されてる(あと,リングノート)。ぼくは1冊しか持ってない。とりあえず,使ってみますわ。
 ちなみに,通常版は百均で買えるが,ドット入り罫線の方は,百均には入っていない。文具店かコンビニでどうぞ。

● 上がドット入り罫線。下が通常版。ドット入り罫線は “東大ノート” って言われたやつでしたっけ。文頭が揃うとか,図がきれいに描けるとか。
 高校生が勉強に使う場合は知らず,単純に文字列を書き込むだけなら,どちらでも同じかなと思う。

● 通常版は上下の線が青い太めの線になっているので,罫線がグレーと青の二刀流。
 対して,ドット入りはグレーのみ。太さも1種類。この点でドット入りがいいかな,と今は思ってるけど,だからと言ってドット入り罫線の Campus を買い足すことはないです。これ以上にノートを増やしては,未使用ノートに押しつぶされてじいますからね。

● ここで思いだすのは,ほぼ日の独自罫線だ。「目のストレスに着目しデザイン心理学に基づいて作られた新しい罫線」というやつ。
 これもいずれ使ってみるつもりなのだが(つまり,今は使ったことがないままに言うのだが),罫線自体の形状よりも罫線の濃い薄いの方が,心理的影響は大きいんじゃないか,と思える。

● ほぼ日罫線でこの濃さよりも,Campus 並みに薄い普通の罫線の方が,目へのストレスは小さいんじゃないか。
 実地に試した結果,違う結論に至るかもしれないけれども。

2025年8月6日水曜日

2025.08.06 同種の鉛筆を使い比べてみる?

● トンボ8900に代表されるオリーブグリーンの鉛筆をまとめて使い比べてみようかと,ふと思いましてね。並べてみましたよ。

 トンボ8900
 三菱8800
 アイボール ジャノメ555
 北星9800
 太陽8000
 地球200,8800,9000
 キューピー9600
 チェリーヨット641
 LOND8600
 色味は違うけど,水月3510

 他に名山があったはずだが,どこかに紛れこんでしまって出てこない。

● こうして並べてみると,トンボのグリップ力は凄かったんだなと思いますわ。地球が番号を変えていった程度の品質改定は,トンボも8900の中でやってるはずだからね。
 8900で通してきたのは,今から振り返るとクリーンヒットですわね。

● 三菱9800という好敵手がいたこととか,自社のブランド展開との関係とか,偶然性はあるんだろうけど,それにしても,8900を70年以上変えなかったのは凄いですよ。トンボの無形資産でしょうね。

● その代わり,ダース箱の意匠や,軸に印刷される文字の書体,大きさ,内容が微妙に変わっている。8900という大枠を維持することと引換えに,細部を変えるのは避けられないよね。
 むしろ,必要でしょ。それをやるから大枠を維持できる。

● 並べてみたんだけど,これらを使い比べるなんて,クソの意味もない気がして,やめることにした。何になるの,そんなことをして,って感じね。
 体感できるほどの違いはおそらくない。あったとしても,それが何なのよ,ってね。

● ついでに,黄色軸(アメリカ色と呼びたくなるが)の消しゴム付き鉛筆。

 トンボ2558
 三菱9852
 アイボール ジャノメ GOLDEN SWORD
 コーリン710
 ムーンラビット3600
 キリン6000
 同じくキリン 型番不明のノベルティ
 参考に北星のOEM製品とロディア。

● 同様に使い比べてみるつもりはないが,使った限りで言うなら,HBならトンボ2558が出色(Bだと,三菱9852もかなりいい)。コーリンは半世紀以上前の書き味。
 論外なのはロディア。中華製だろうが,よく恥ずかしげもなくこんなのを市場に出してきたな,というのが率直な印象。

● この分野では,黄色ではないが,北星の9606がある。2558と9606が双璧と思う。
 書き味は僅差で9606。消しゴムの出来は2558。

● ただし,消しゴム付き鉛筆の消しゴムはまず使わない。まるで石かと思うほどに消えなかった大昔のトラウマがある。
 今のはきちんと消えることは知っているんだけども,単体の消しゴムを使う方が気分がいい。

● だからと言って,トンボや北星に,ゴムなしの2558や9606を出してくれ,価格はゴムありと同じでいいから,などとリクエストするつもりはない。
 実際にそれが出ても買わないと思う。ゴム付きだからこその2558であり9606なのだ。そんなリクエストをするよりMONOやクラフツマンを使ってろ,という話。

● これらの鉛筆を引っ張り出すために,鉛筆の保管庫(?)に手をつけるわけですよ。ひとつのボックスに,こんなに鉛筆があってどうしろってんだよ,一生かかっても使い切れねーじゃねーかよ,ってういくらいの鉛筆が詰まっている。
 それが8つあるんだよね。一生どころか十生かけても使い切れないわ。

● というわけで,朝から嫌ァな気分になりました。憂鬱の帳が降りてくる。
 これから宇都宮に出て,ひとり日高屋をやってくるかな。昼間から飲みたくなってきたよ。

2025年8月5日火曜日

2025.08.05 筆箱を缶ペンケースに戻す

● 鉛筆筆箱を MONO100 のケースに置き換えられないかと,しょうもないことを考えてね。
 けど,無理だった。厚さが足りないんだよね。鉛筆削りを Palette(三菱鉛筆)から BABY-K(クツワ)に替えて,携帯用ハサミの収納を諦めれば可能なんだけどね。
 そんなことをしてまで MONO100 のケースを使う必要はないからな。

● uni や MONO のダース箱を筆箱代わりにすることに憧れた昭和の子供たちは,筆箱に鉛筆以外のものは入れてなかったのかね。三角定規だのコンパスだの,収納物は多かったろうに。
 そういうものは学校に置きっ放しにしていたのかね。往事茫茫として記憶にないんだよね。

● ただし,鉛筆削りを BABY-K に替えて,携帯用ハサミを抜けば,8900の70周年記念の缶ペンケースに収まる。これで行こうかな,と。
 BABY-K の削り味が好きになれなかったんだけども,これは慣れが解決してくれるかもしれない。
 携帯用のハサミはハサミとして使いづらい。旅行にはスマホの充電ケーブルなどをポーチに入れて持ってくわけで,その中に携帯用じゃないハサミを入れときゃいい話だからねぇ。日帰りの外出ならハサミは要らないんだし。

● 筆箱は筆箱として独立させ,完成度(?)を高めたいと考えてましたけどね。そうじゃなくてもいいわけだよなぁ。
 要は,スリムな缶ペンケースを使ってみたい欲がまた出てきたというわけなんでした。