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2026年8月13日木曜日

2026.08.12 地球鉛筆の KEN Pencil

● 地球鉛筆の KEN Pencil,B。6本,ケース付き。発売時の価格は600円。メルカリに1,200円で出てたのをポチった。
 WORLD'S FINEST LEAD とは大きく出たものだが,MADE IN GERMANY EBERHARD FABERS LEAD とあるので,芯は EBERHARD FABER のものを使っているのだろう。

● 最高級製図用鉛筆とある。Hi-uni に対抗しようとしたんだろうかな。筆記具はドイツという風潮が残っていた時期なのか。
 しかし,市場は Hi-uni を選んだ。このあたりの経過は想像で書いているのだが。

● はい,使ってみましたよ。滑らかだ。よく滑る。その点においては Hi-uni を凌ぐ。佳品だと思う。
 この鉛筆の寿命は短かったと思うのだが,それは市場に受け入れられなかったからではなく,供給側に原因があったからかもしれない。EBERHARD FABER との関係に亀裂が入ったとか,コスト的に厳しかったとか。

● EBERHARD FABER はアメリカの企業だと思っていたのだが,ドイツだったのか。BLACKWING で有名なメーカーだが,FABER家の人間がアメリカに土着して1861年に起ち上げたのじゃなかったか。
 EBERHARD FABER のこの芯は,その後どうなったのか。FABER-CASTELL の9000番はこの系統だし,中華鉛筆の一部に受け継がれているような気もするし,オリエンタル産業も当然これを視野に入れていたろう。

● この芯が変わらず残っていたとしても,Hi-uni や NONO100 やクラフツマンを使っている人がこの芯に乗り換える旨味があるかといえば,そこまでではない。 
 が,日独でしのぎを削ってきたのだなと思わされて,粛然として襟を正す気分にはなった。

● 日本がドイツとしのぎを削れるようになったのは,戦後そんなに経っていない時期からだと思う。1952年にはトンボが HOMO を出して,1958年には三菱が uni を出した。
 このあたりではすでにドイツの対抗軸になり得ていたはずだ。日本の復興はかなり速やかだったのだ。

● してみると,ドイツ製の芯を採用してこの鉛筆を生産したのは,Hi-uni 以前だったのか。製品に付いている説明書や軸の塗装からすると,そんな昔に作られた鉛筆とは思えないのだが。
 Wikipedia によると,1978年に STAEDTLER が EBERHARD FABER のブランドと工場を買収したとある。1987年にFaber-Castell USA が EBERHARD FABER のアメリカ支社を買収したともある。細かい経過が理解できないでいるのだが,1978年あたりと考えると辻褄が合いそうな気がする。

● オリジナルの BLACKWING の芯もこれだったのかと思ってみたりもしたのだが,オリジナルの BLACKWING602 が誕生したのは1930年代らしいから,時期的にかけ離れている。
 脳内妄想を楽しむだけにしておいた方が良さそうだ。

2026年6月23日火曜日

2026.06.23 ユニ色ではない高級鉛筆の書き比べ

● 三菱鉛筆が1958年に出した uni は,軸色にも圧倒的な影響を残した。ユニ色は高級鉛筆の色,を定着させた。
 コーリンもアイボールも自社のフラッグシップにはユニ色を採用。自ら,uni や Hi-uni のエピゴーネンになることを指向した。

● もちろん,それを潔しとしなかったメーカーもある。その代表は業界2位のトンボ。
 トンボにもユニ色の MONO がなかったわけではないのだが,そんなのは瞬間的な現象で,それがトンボの主流になることはなかった。MONO シリーズは光沢のある黒で一貫している。
 ので,今回は,ユニ色以外の高級鉛筆を書き比べてみることにする。

● 次の7本。いずれもHBで,頭は丸められている。
 トンボ MONO100
 トンボ MONO
 トンボ MONO-R
 北星 クラフツマン
 北星 9900(HIT)
 北星 9900(Art Set)
 地球 9300(GOLD&BLACK)

● まずはトンボの MONO シリーズ。MONO-J は外している。いずれも〄がある。前世紀のものだ。
 MONO100 と MONO には〈HOMO-GRAPH〉の文字が小さく印字されている。MONO100 のゴールドラインは金属の輪を嵌め込んだものだが,Rの方は塗装。uni とは違った高級感というか,貴族感というか,どんなもんだい感というか,そういったものが溢れている。
 いや,高貴感は uni 以上かもしれない。黒の効果だ。

● uni の場合,Hi-uni,uni,uni-star の違いはほとんど体感できなかったのだが,MONO はどうだろうか。
 3種とも uni より硬い気がする。不快なものではない。硬いから薄いというのでもない。単純に硬い気がするというだけのことだ。

● この3種の違いは,uni と同様に,ぼくには明瞭には知覚できなかった。特に,MONO100 と MONO の違いはわからない。わかる人にはわかるのだろう。少なくとも,メーカーの開発陣はわかっているはずだ。しかし,ぼくにはわからない。
 MONO-R になると,ちょっと違うかなという感じはする。しかし,予めこれは MONO-R だと知っているために,脳が勝手に動いて違いらしきものを作り出しているだけだろう。目隠しテストをしたら,まずもって区別はつくまい。

● 要するに,ぼくのような感度の鈍い人間は1本77円の MONO-R を使っとけという話になる。そういう人間が MONO100 や MONO を使うのは,分不相応というものだ。それが論理的帰結だ。
 MONOシリーズの3種を使い比べて評価めいたことをしようとしているのだが,評価能力があるのかどうか,われながら疑問だ。むしろ,これらの鉛筆を使うことによって,いい鉛筆とはこういうものだと教えられている側面があって,そちらの方が大きいだろう。

● Hi-uni と MONO100 の違いについては,Google の検索エンジンAIが的確にまとめている。
 Hi-uni は「超微粒子の黒鉛を大小混合することで,ムラなく均一で濃い発色を実現して」おり,「芯にややしっとりとした柔らかさがあり,非常に滑らかに書ける」のに対して,MONO100 は「1立方ミリメートルあたり1億個の超微粒子黒鉛を高密度で圧縮して作られてい」るので「芯がしっかりとしており,カリッとしたシャープなタッチで,濃く美しい線を書くことができ」る。

● AI先生の仰るとおりだ。ということは,芯の製造方法のや違いや,使ってみての感想はネットにたくさん上がっているんだろうか。
 上記のとおり,MONO100 は Hi-uni に比べるとタッチが硬いのだ。Hi-uni は女性的,MONO100 は男性的。どちらが好きかは好みによるが,ぼくは Hi-uni を採る。
 ただし,以上はHBの場合であって,Bや2Bで MONO100 がどんなタッチになるのか,どう化けるのか,ひょっとすると Hi-uni を超える仕上がりになっているかもしれないと期待させる。

● 今すぐにでもそれを確かめることはできるのだが,それはしないでおく。ものには順序というものがあるのであって,その順序を自分で決めてしまっている。
 当面,自分が決めたその順序にしたがって鉛筆を消費していこうと思っている。MONO のBや2Bを使うのはもう少し先になる。

● MONO シリーズの3種の違いを明確に知覚するのは無理なのであるけれども,にもかかわらず好みというのは生まれてくる。この3つの中から1つ選ぶとすれば,100やRのつかないノーマル MONO だ。
 不思議なものだ。どれも同じだと感じるのに,なぜ好みが? たぶん,指は脳が感じていないことを知覚しているのだろう。
 理由はわからない。理由は脳が考えることだからだ。脳はわかっていないのだ。けれども,MONO シリーズの中でのぼくの好みはノーマル MONO だ。

● 次に北星のクラフツマンと9900。9900はすでに生産をやめている HIT と Art Set の2種がある。他に,ダイソーで販売されているのもあるのだが,こちらは4Bと6Bしかないので除外。
 ただし,ダイソーで売られているのに高級鉛筆のわけかないじゃないか,と短絡しない方がいいとは思う。こちらの9900も侮れない品質を持っている。

● 北星の特徴は,他社より濃いめで軟らかいということだ。が,書き終えてから MONO で書いた筆線と見比べてみると,濃さはそんなに違わない。錯視とでも呼べばいいのか。
 が,軟らかさは筆線のように跡に残らない。ライヴ感100パーセントというか。だから安心して言うのだが,北星の芯は軟らかい。ここに挙げた3本はいずれもオリエンタル産業(東海カーボン)製だろうけれど,相当に良質な芯なのだろうとは素人でもわかる。

● では,3つのうちでどれがどうという話になるのだが,トンボの3つよりは明確に違いがあるように思われる。思われるのだが,目隠しして当てられるかというと心許ない。
 滑らかさは クラフツマン−HIT−Art Set の順だが,それはこの3本を交互に使っているからわかる(というか,感じる)ことで,目隠しでおもむろに1本を取り出して書き始めてみても,それが3つのうちのどれなのか,おそらくわかるまい。

● 北星の3本はいずれも他社より軸が細め。9500や9606もそうだから,それも北星の特色と言える。
 が,昔の北星はこうではなかった。こうなったのは比較的最近のことだと思われる。

● HIT はすでに生産されていないのだし,クラフツマンも Art Set も12硬度セットで購入するしか入手の方法はない(Art Set については,サードパーティーが Amazon で硬度別の販売をしているが)。入手に難があるのが残念だ。
 要するに画材として扱われてる。その扱いじたいに反論はないが,一般筆記に使いたいという人にはなかなか厳しい状況だ。事実上,選択肢から外すしかないのが現実かもしれない。

● メーカーはクラフツマンを硬度別でも売りたいはずだ。しかし,クラフツマンを独占的に扱っている Standard Products の方針は違うらしい。
 Standard Products は硬度別の販売を開店時の初回入荷分のみに限定し,それが売れた後の補充はしない。12硬度セットで売りたいようだ。
 Standard Products には Standard Products の考えと都合があるのだろうから,傍からとやかく言うことではないのだが,一般筆記に使う鉛筆としては選びにくいというのが現状だ。

● 地球の GOLD&BLACK。地球鉛筆のフラッグシップはこれだったのだろう。書き心地も良好だ。
 すでに消滅しているメーカーだし,北星の3本(いずれも〄は入っていない)より古いものになるのだと思う。
 ということもあってか,クラフツマンほどの滑らかさはないのだが,ではあっても充分に滑らかだし,芯先から伝わってくるフィードバックもなかなかに快適だ。こういう鉛筆を使って,文句を言ってはいけない。

● 北星の3本も地球の GOLD&BLACK も,先ほどの uni 型か MONO 型かでいえば,明らかに uni 型。国産鉛筆のほとんどは,uni を範にしているように思われる。しっとり感を大事にしているとの印象を受ける。
 カチッとした MONO 型はトンボの独自路線。そのトンボにしても8900は uni 型に属する。

2024年10月16日水曜日

2024.10.16 いくつかの鉛筆−旺文社鉛筆

● まず,旺文社鉛筆。じゃなくて,ノベルティですな。元になってるのは地球鉛筆8800らしい。
 旺文社といえば,かつては文庫も出してましたよね。箱を付けていた時期もあったんじゃ。

● 『中1時代』とか『蛍雪時代』といった中高生向けの学年別学習雑誌もありましたなぁ。少子化と共に消え去りました。
 『蛍雪時代』だけは今も残っているらしいんだけど,往事茫々ですなぁ。

● これはけっこうメルカリに出回ってるもの。広島県相互扶助会のノベルティ。
 太陽鉛筆の,フラッグシップではないかもしれないけれども,かなりいい鉛筆じゃないですか。国や自治体からたっぷり予算が付いたんだと思うんだけどね。県や市のいわゆる天下り先のひとつでもあったんでしょうかな。

● Patented 時代の三菱9800。“物をたいせつに”。日本にも貧しかった時代はあったんですよ。
 逆に,あのバブルは異常でしたね。人はここまで卑しくなれるのかというのを,イヤというほど見なければならなかった。かつ,自分もそうなっている,というね。人間は考えない葦でしかない,と思わされましたよね。

● メルカリの “鉛筆まとめ売り” の中に入っていたコーリン鉛筆。401と411。小学生のときに使っていたのはこれか。
 先達はいるもので,ネットに情報が上がっている。おかげで,概略はわかった。これは,たぶん,ぼくは使っていない。書き味は使わなくてもわかる。

● こちらは中華製の2Bのかきかた鉛筆。下の2本はまったくの無記だけれども,中華製でしょう。
 鉛筆に関しては中華製を侮ってはいけない気がするが,使うことはたぶんないと思いますよ。つまり,物理的に使い切れない。

● レイメイ藤井の消しゴム付き鉛筆。メーカーは不明。が,下のかきかた鉛筆もレイメイ藤井のもので,こちらには MADE IN TAIWAN の記載がある。消しゴム付きも台湾メーカー製でしょうかね。
 台湾に工場を持っている日本メーカー製かもしれないけど,台湾に工場を持っているメーカーなど聞いたことがない。

● ちょっと使ってみた。消しゴム付きはいたって凡庸な鉛筆で,なぜ自社の名を冠してこれを世に出さなければならなかったのか,その理由を推測しかねる。
 かきかた鉛筆は使いやすい。現在でもかきかた鉛筆の供給は継続しているようだが,学童用品に橋頭堡を築きたいということか。祈,健闘。

2024年6月17日月曜日

2024.06.17 8800 の鉛筆3種

● 右の写真はトンボの8800と三菱の8800。文具店で目にする機会はまずないけれとも,メルカリ界隈ではしばしば目にする。
 特に,後者はぼくもすでに10本程度は持っているかもしれない。メルカリで300円の “鉛筆まとめ売り” を買うと,何本か入っていることが多かった。

● 軸色が 8900−9800 と逆になっている。だから何? ってこともないんだけど。
 ただし,初期のトンボ8800は現在の8900に近い緑色だったらしい。軸色はたぶん複数回,変化したっぽい。

● 地球鉛筆の8800。鉛筆の製品番号で最も多く使われている数字は,8800と9000ですか?
 色はトンボ8900と同じオリーブグリーン。

● ユニのベンガラ色と8900のオリーブグリーンは,日本の鉛筆を代表する色でしょう。
 太陽,北星もこの色の鉛筆を出していたし,手元の鉛筆を探せば他にも出てくるだろう。トンボの選択は正着だったことになる。


(追記 2027.08.08)

● ヨット鉛筆の8800が出てきた。ただし,硬度はH。
他に,太陽の8800もあったような記憶があるが,すぐには出て来ない。
 これらの8800が使われていた時代というのは,日本の成長期,鉛筆の黄金期だった感があるなぁ。ぼくは,たぶん,使っていないと思うんだけど。