● 今回も宇都宮東武百貨店5階の文具売場でもらってきた。上野文具には置かれないようになったっぽい。
● 今月号の特集は「2023年版 手帳特集 各社のイチオシ手帳を一挙紹介!」。毎年恒例。
なのだが,この特集にはそんなに見るべきものがない。日本能率協会マネジメントセンターや高橋書店など,ビジネス手帳の大手の製品が登場しないからだ。
「Bun2」の発行元は㈱ステイショナーとなっているのだが,この会社の母体は全日本文具協会なのではないか。そこに日本能率協会や高橋書店,ダイゴーなどは,そのメンバーになっていないのだろう。
● 舘神龍彦さんが「令和の手帳の現在」というタイトルの解説文を寄せており,これは面白い。なるほど,手帳はこういうふうに変わってきているのかとわかる。
かつての手帳は「正規雇用のビジネスパーソンが予定記入欄で予定管理するのに使われた」が,今は必ずしもそうではない。というか,それだけではない。
それは,予定管理という手帳のメイン機能が「Google カレンダーをはじめとするクラウドツールやそれと連携するパソコン,スマートフォンによって代替される割合が,このコロナ禍によっていっそう増えてきたことの結果でもある」。
● デジタル手帳が実用に耐えるようになっても,紙の手帳は減るどころか部数を伸ばしてきたのだが,さすがにコロナ禍でベクトルの向きが変わったということだろう。
理由は2つ考えられる。ひとつは,コロナは外出を規制する。リモートワークによって会社に行く必要もなくなった。出張や商談など,異動の予定がないのだから,それを書き留めることもない。手帳を持つ必要がなくなった。
もうひとつは,リモートワークだと自宅のパソコンの前にずっといることになる。ならば,予定管理もパソコンでやるのが自然の流れというものだろう。かくして,ビジネス手帳は売れなくなった。
● 外海君子さんの連載「ニューヨークの文具レポート」。「驚異的な記録オタクである「アイビーリーグの大学教授」の話。
観た映画をすべてノートに書き留めていたのを,コロナ禍でデジタル化した。1万枚に及ぶレコード・CDもリストを作っているらしい。
● 外海さんは「市販されているものを利用するてもある。市場にはいろいろな記録簿が出回っている。例えば,読書録」と「Bun2」らしくまとめるのだけれども,こうしたリストだけは最初からデジタルでやるのが正解。
データベースソフトなど大仰なものを使わずとも,Excelか Google スプレッドシートで足りるでしょ。感想や梗概も読書録に残しておきたいのであれば,ブログにする手もある。見られるのは恥ずかしいと言うのなら,非公開に設定できるブログサービスを使えばいい。たとえば,Google の Blogger。
● ちなみに,件の教授が観た映画の本数は2692になるらしい。少し前なら驚くべき数だった。映画のチケット代に500万円も使ったのか,君は,ってなものだ(大したことはないか?)。
が,インターネット配信のサブスクサービスを使えば,10年もあれば観られる数だ。費用も10万円程度ですむ。同じ観るでも,映画館で観るのと自宅のパソコンの画面で観るのとではまったく別の体験になると言われれば,それはそのとおりなのだけれども。