著者 上田健次
発行所 小学館文庫
発行年月日 2022.10.11
価格(税別) 700円
第1巻を読んでみました。あったらいいなと思わせるファンタジーですよね。悪人は登場しない。一服の清涼剤。
● 話材の小道具として登場するのは,モンブランの万年筆,Filofax のシステム手帳,Campus ノート,絵葉書,RHODIA のメモブロック。
それぞれの分野の代表的なというか古典的な製品だ。Filofax,Campus,RHODIA はぼくも使っている,あるいは使ったことがある。
● Campus について,主人公(四宝堂の主)に次のように言わせている。
オリジナルノートまで作っておいて何なのですが,コクヨのキャンパスシリーズの完成度は相当に高いです。『あの品質でこの値段』という観点で比べると脱帽です。(p178)
ついでに,あと2つ転載しておく。
包丁や俎板,鍋釜は商売道具だ。自分の腕や手だと思って丁寧に扱え。そうでないと言うことを聞いてもらえない。(p300)
結局はいつまでも成長したいっていう向上心があるかどうかなんだ。でもって,向上心の有る無しを見分けるのは簡単さ。メモをとるかとらないか,ただそれだけ(p302)
つまり,登場人物の価値観や身の処し方も古典的なものだ。あるいは保守的なものと言ってもいい。
● 第2巻も買ってみた。こちらは,2023.09.11の初版で2025.12.21で12刷。しかも “大重版” なんだから売れてるんですな。今どき,珍しい。
“読者の皆様から届いた声” を見ると,読者は年配者が多いらしいのだが。
● ぼくは手書き派なのだが,ペンや鉛筆を取りあげられても,さほどに痛痒は感じないと思う。パソコンかポメラを使う。
が,本は電子ブックに限ると言われると,いささか反抗的な態度に出るかもしれない。本は紙でなければ読む気がしない。Kindle には Kindle の便利さがあることは理解するのだが,タブレットの画面で活字を読む気にはならない(漫画ならOKだ)。重くても紙の本を持ち歩く。
● 蛇足。表紙に描かれている四宝堂は入りづらそうな店だよね。敷居が高そうだ。
ドアが閉じられていて,しかも中が見えない。これじゃ客は来ないぞ。一見さん,お断り,のオーラが出ている。
表紙の場面は閉じているのが似つかわしいシーンなのだろうな,とは思うんだけどね。

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