昔は鉛筆の芯を舐める人がいた。ぼくもそうすることがあった。薄かったからだ。今はそんなことをする人はいなくなったろう。
つまり,だんだん良くなってきた。が,例外はあるものだ。その例外の最大級のものが三菱9800だと思う。
● 9800って,現在の Matured より 昔の Patented の方が良くないですか。
uni や Hi-uni を出してから,9800の質を落としたなと感じるのは,ぼくだけじゃないと思うんですよ。
● トンボが HOMO No.4612 を世に出したのは,uni に先立つこと6年の1952年。その間,三菱には対抗軸がなかったわけでしょ。9800を押し立てるより仕方がなかったから,その頃の9800は凄かった。
というのは,まったく根拠のない素人考えですが,もしトンボが HOMO ブランドを維持したら,日本鉛筆史の風景は今とは違ったものになってましたかねぇHOMOってちょっと早すぎたんですかねぇ。
① 現行品の Matured
② 〄付きの Matured
③ Patented
● 芯の匂いを嗅いでみると,最も匂い立つのは②。書いてみたところ,自分の好みに叶うのは ③→①→② の順。ただし,③と①の違いは微差以下。
②が一番薄い。少ぉしザラつきも感じた。薄いことじたいは別に悪くはないが,ぼくの好みではないということ。わずかのザラつきもむしろ好ましいと感じる人もいるだろうが,これまたぼくの好みではないと言うに過ぎない。
● ①と③は滑らかだ。滑らかさにおいて,わずかに③が勝るかもしれない。いや,ほとんど同じかもしれない。その程度の微差とも言えない違いだ。
結局,自分の思い込みが裏切られた結果になった。
● となると,自分はなぜ Patented がいいと思い込んだのかが気になる。正直,Patented はもっと良かったはずだと思ってるんですよ。
個体差もあるかもしれない。なお検証(自分を使った官能検査だからアテにならんのだが)が必要かな。
いや,先ほどは三菱鉛筆さんに失礼なことを申しあげてしまった。
● 国産鉛筆を代表するトンボ8900と三菱9800を並べてみる。木軸の意匠の変遷は8900の方が頻繁だったようだが,現行品で比較すると,8900の方がシンプルでデコレーションがない分,軽快で都会的な感じがする。
9800は重厚の気配をまとう。鉛筆が貴重品だった時代もあったのだぞ,と語っているような。
(追記 2026.06.04)
● ある程度使い続けると,Patented の良さがジワジワと染みてくるようになった。滑らかさにおいても,したがって芯先の滑りの良さにおいても,Patented が現行品を上回る。微差とも言えないやずかな違いではない。微差ではあるかもしれないが,違いとしてハッキリ認識できる。
良かった。以前の自分の印象は間違ってはいなかった。


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